コトバオンザラン vol.1

2003年10月03日(金)
コトバオンザランは、ちょりが企画した
詩のリーディングイベントでした。
場所は、高円寺のカフェバー「無力無善寺」
こういうイベントには初めて行った。
リーディングを聴くのも2回目だし。
興味のあるものには足を運んでいくフットワークの軽さで。

19時、高円寺駅到着。
終バスの時間を見て、ここからバスで帰るのは無理と
思いつつ会場へ。焼き鳥屋とかが立ち並ぶ路の一角。
会場の中は…なんともいえず異様な空気。
薄暗い床にソファと座布団が何枚か置いてあり
天井からは赤ちゃんのベッドの上にぶら下がってるやつとか
プーさん、キティちゃんなどが下がっているのに
ちっともファンシーな空気が感じられない。
ステージの方にはキーボードとマイクが置いてあった。

私はドリンク券をジンライムに引換えてソファに座った。
ひとくち飲んだら予想以上に濃くて胸が焼けるようだった。
大人しくカシスオレンジとかにしておけば良かった。
周りのお客さんは大抵が顔見知りといった様子で
なにやら詩の話などに花を咲かせている。
奥のほうにはセーラー服を着た女子高生も何人かいた。
いろんな世代の人が集まっている。
その横で一人チビチビとジンライムを飲んで開演を待った。
即興詩のお題のために、ひとつ単語を紙に書いてくれ
と言われたので、どうしようか迷った結果
「とんこつらーめん」と書いて箱に入れた。

予定より5分遅れて開演。
今日の出演者は↓(出演順)
大村浩一
沼谷香澄
服部剛
ちょり


一番手は、大村浩一さん。
大村さんは40代の代表だそうです。
ラグフェアの真ん中の人みたいに
ギラギラのスパンコールの付いたジャケットに、
紫色の羽根マフラー(?)を巻いて。奇抜な感じ。
いくつくらい詩を読んだのか…あまり憶えていない。
最初は手拍子に合わせてラップをやったり
コミカルな口調で笑いを誘う場面もあったりした。
即興詩のお題を箱の中から引くと…
「…おーい。誰だよー。とんこつらーめんって」
きた。
一発目で引かれた。気まずい。
しかし、誰だと聞かれたので小さく挙手した。
これだけではさすがに出来ない、と
もう一枚紙を引くと「馬」だった。
馬がとんこつらーめんを食べている詩になった。

二番手は沼谷香澄さん。
男性がキーボードを弾いて、沼谷さんが詩を読む。
雰囲気のある女性ですごく良かった。
最初の、ゾウと少女の詩が特に好きだと思った。
キーボードの音ともすごく合ってたし。
即興のお題は「キティマウス」
キティちゃんとミッキーマウスを合わせた単語。
うまい具合にまとめていてすごかったです。

三番手は服部剛さん。
最初に海の詩を三篇読んだ。
前の2人と比べると派手さはないけど
素人が想像する「詩の朗読」ってものに
一番イメージ的にはしっくりくる感じ。
でも即興詩になると急におもしろくって
「コラーゲン」というお題で豚足の詩を読んでいた。
みんな笑ってたね、豚足には。

最後は、ちょり。
音を流しながらいきなり始める。
何度か即興詩のお題箱の中から紙を引いて
その単語やイメージを混ぜつつ詩を読んでいく。
切れ間がない。いつの間にか引き込まれてしまう。
問い掛けるような言葉を言ってお客さんにマイクを向ける。
ギターを弾いて歌ったりもした。
最後に新作の「素晴らしい世界」を読んで終わった。

1時間半と短い時間だったけれど
新しいものに触れる時間は濃密なものでした。
私は詩を書く人ではないので
わからないことはたくさんあるけれど
おもしろかった。

終わった後は、今日のイベントのスタッフをしていた
高校生の男の子と喋ったりしていた。
「いや〜僕なんて」みたいに言っていたけど
かなりおもしろそうな人だった。
「読み終わったので」と言って綿矢りさの新刊をくれた。
人から本をもらったことなんて、ほとんどないよ。




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以前に会った絵描きのユーキさんにも再会できて良かった。
帰りは途中まで電車、まだバスがあったけど
30分ほど歩いて帰りました。




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