新知庵亭日乗
荷風翁に倣い日々の想いを正直に・・・

2002年10月11日(金) 伊勢湾台風その��


昨日から雨が降りつづけています、Shinchanはお外に出られないので、お絵描きをして遊んでいました。
「台風15号は大型で・・・」
とラジオが喋ってました。「Shinchan鉄砲水が来たらどうしよ、Shinchanが生まれる前、芦屋では鉄砲水が出て沢山のお家が流されたんよ、そして死んだ人もいはったんや、なーShinchanどうしよ、お父さん未だ学校やし・・・」
「・・・・?」
「9月26日14時発表 紀伊水道の南200kmに迫る近畿地方、東海地方の海岸20m/sec以上の強い東風・・・」
とラジオが喋っています。
「・・・ペシュ?・・・」
「そうねーそろそろお家に上げてあげよか、買い物もせなあかんしねーどうしよーShinchan」

突然お父さんが自転車で帰ってきました。
「あかん、この台風めちゃくちゃ大きいは、県の教育委員会から早めに避難するよう電話があってん、母さんもShin坊もすぐ学校へ行くんや、大事な物だけ持って、んーもー後は置いとこ」
「・・・ペシュ?・・・」
「ペスはなーたばこ屋のおじさんに預かってもらお」
「・・・イヤヤ・・・」
「あほなこと言うたらあかん、鉄砲水が出たら皆死んでまうねで、お父ちゃんがあんじょう言うたるから」
「17:00 暴風雨警報発令、早めの避難を勧告します・・・」
「Shin坊、立ちなさい」
「・・・・」
「あんた、ペスは用務員さんとこの子やから、一緒に行ってもええんやないの?」
「あのな、沢山の人が避難してくるねぞ、そんな我侭許されへんのや、さーShin坊行くで・・・・そうか体育道具の倉庫にでもほりこんどこか、Shin坊合羽着てな、ペスは籠に入れてな」
「・・ピ・・ヤノ?」
「もしなー水に浸かってもかわりのピアノ学校から持って来たるからShin坊は心配せんでええのや」
 それでレオポン君とキリンさんをお母さんのリュックサックに入れました。
「Shin坊とお前紐で繋いで行けよ、後は俺がやっとくさかい」

 風と雨が強くてShinchanは歩けませんでした、木がお化けのように踊っています、ピュ―ピュー音がします、ペスはクンクン泣いています。お父さんは家の玄関や窓を板で打ちつけるので、お母さんとShinchanとペスだけで歩いています。お母さんはShinchanをワンちゃんのように身体に紐を巻いて自分と繋いでます。
「Shinchan絶対この紐はずしたらあかんでー、頑張りや」
 でも風が強くてなかなか歩けません、道も川のように水が流れています、他にもリヤカーで荷物やら子供を載せて運んでいる人達がいました。
 ペスがいきなり籠から飛び降りました、Shinchanは追っかけて行こうとして、小さな溝に落ちました。「Shinchan!」お母さんは紐をたぐりよせてShinchanを引っ張りました、ペスがどんどん離れていくのでShinchanも追っかけます、でも水が首のあたりまで来たので、ブクブクして、わけが解らなくなりました。










昭和34年9月26日東海地方を襲った伊勢湾台風は、我が国災害史上まれにみるもので、最大風速45.7メートル、最高潮位3.98メートルに達した。そのため海岸堤防、河川堤防の決壊及び高潮による被害は著しく、特に名古屋市南区、港区、中川区、熱田区方面を初め、海部郡十四山村、飛島村、蟹江町、津島市方面、さらに半田市、碧南市、西尾市方面の被害は甚大であった。県下の死者3,035人、全壊家屋28,300世帯、床上浸水56,180世帯、1か月以上の浸水家屋14,390世帯に達し、海部郡南部では3か月間も浸水すると言う悲惨な状況であった。
[日本赤十字社の災害救護活動より]






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