夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2021年05月17日(月) 〈夜明けを探しに〉

お題として募った「笑顔」「絆」「トマト」「道」という4つのワードを使っての曲づくりに挑戦。何とかギリギリで約束を果たすことができて、ホッとしています。
タイトルを『夜明けを探しに』としました。

☆☆☆☆☆☆☆

〈夜明けを探しに〉

「2011年3月11日、時計の針はあの日のままだけど、確実に十年の月日が刻まれた。11分の3(3/11)のためらいを抱えたまま、俺は今もまだ、ここにいるんだ」

もういいかい まあだだよ
夕暮れの 夕暮れの かくれんぼ
君も ふるさとも 何もかも
目をこらしても こらしても 見つけられず

きれぎれに きれぎれに なっていく
思い出を 思い出を かき集めて
失われたふるさとの絆を取り戻すために
俺が俺自身であるために

近くて遠い 遠くて近い 届かない
しゃぼん玉 飛んで はじけて 消えていく

有刺鉄線の向こう側
すっかり大人になった君が歩いてくる
かくれんぼは いつの間に
いつの間に 終わってしまったのだろうか

黒々と日焼けした君が笑顔で差し出す手の中に
赤々と燃えるようなトマトがひとつ
手を伸ばしても 伸ばしても 届かない
夏色に彩られた世界が 光を失っていく

消えないで 消えないで
いちばん星に願いをこめて
夜明けへと続いていくこの一本道に
初めの一歩を 初めの一歩を
今ここに 刻んでいくのだ

「有刺鉄線の向こう側、笑顔の君が赤々と燃えるようなトマトを差し出す。近くて遠い。遠くて近い。ふるさととの絆を確かめたくて、夜明けへと続くこの一本道をただひたすらに歩いていく」

(詞・曲:夏撃波)


 < 過去  INDEX  未来 >


夏撃波 [MAIL]