十夜一夜...Marizo

 

 

「三遊亭竜楽・神田ひまわり二人会」 - 2005年08月02日(火)


年を取ったということなのか。
それとも「古風なオンナ」と言うべきか(笑)
能楽や歌舞伎、落語や講談など
古典演劇を見たいと思っているのだが
ここ札幌ではなかなかそういう舞台は
頻繁に開催される機会がないのが現実である。


そんな時、偶然にも知り合いから
「三遊亭竜楽・神田ひまわり二人会」のお誘いを受けた。
場所は札幌時計台の二階にある時計台ホール。
こんなことでもなければジモッチの私は
入る事もなかったであろう場所である(笑)


落語(竜楽師匠)、講談(ひまわりさん)ともに
わたしにとっては初めての観劇であった。
それはそれはとても素晴らしかった。



雨降り特有の湿度の高い暑さの中
時計台ホールとは言え重要文化財であるため
エアコンなどはついていない。
目の前の大きな道路をひっきりなしに通る車の音を
遮断する為に窓は締め切っているものの
二度ほどけたたましいサイレンを鳴らして
救急車が通っていく。
輪をかけて一時間に一度
時を刻む時計台の鐘の音が鳴り響くという
悪環境の中での熱演であった。



落語と言えば「まんじゅうこわい」のような
いわゆるお笑い系ばかりだと思っていたのだが
今回の竜楽師匠の出し物は「中村仲蔵」という
歌舞伎役者の話で、思わず涙する場面が随所にあった。
俗に「上下(かみしも)を切る」と言われる
お屋敷の旦那様と植木職人を
左右に首を振る事で、入れ替わる芸は見事で
四年の下積み中は一年365日
一日の休みも無く働くという
修行の厳しさを乗り越えた者だけが持つ
これが「芸」というものなんだなぁと
ズブズブの素人ながらも感動してしまった。



講談のひまわりさんは
昭和50年生まれの30歳。
整った綺麗な顔立ちと耳障りのいい声。
まさしく昔々から続く男社会の中で
奮闘している女性であった。


落語も講談も師匠について下積み4年。
その後「前座」「二つ目」「真打」と
一段、一段上がっていく。
役者の名前で寄席に人が入るようになると
「看板」と呼ばれ「大看板」「金看板」と続く。

ひまわりさんは現在「二つ目」
まだまだ先は長いかもしれないが
「伝統芸」の継承者としての
誇りと自信を持って頑張ってほしいなぁ。



主催の粋な計らいで演目終了後に
近くの居酒屋で竜楽師匠、ひまわりさんを
囲んでの「懇親会」があった。
こんな機会はめったに無いと
図々しさ全開で参加したのだが
お二方とも非常に腰低く気さくな方々で
コップを持って各テーブルを回って歩く姿に
再び感動してしまった。



一応「第一回時計台寄席」と命名されていたので
二回、三回と続く事を祈っている。
その時は声かけますから
皆さんも是非どうぞ!!
ベ、ベンベンベン(笑)
Marizo


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