十夜一夜...Marizo

 

 

「 業界の常識 」 - 2004年02月13日(金)



小難しい話をしたい訳では
ないのだけれど。



私がその事件を知ったのはテレビのニュースであった。


北海道警察の警部が覚醒剤を所持し、
なおかつ使用していたという。

現職の警察官の不祥事であり
前代未聞だとアナウンサーが喋っていた。





ここ何年間かで 今まで表に出なかった事が
出始めているという感覚は
間違いなく世間一般の共通する認識だと思う。



警察の不祥事しかり
病院の医療ミスしかり
政治家の秘書給与疑惑なんかもそうだろう。



「業界の常識は世間の非常識」なのだ。




話をもとに戻そう。



その覚醒剤を使用した稲場警部は
実は 拳銃探しの名人と言われた人物であった。
物事というのは すべからく
後から考えるとおかしいと思える事も
その時は 「何かおかしい」と
口に出す事も憚られるような
稲場警部の突出した成績と
そのお陰で出世していくキャリア組。
これが「業界の常識」であったのだろう。





実は 今回のこの稲場事件では
人が二人亡くなっている。



一人は 稲場警部が捕まるもとになった
「捜査協力者」である。


よく 刑事ドラマなんかで
うだつの上がらない 小男が
小遣い銭欲しさに 刑事に密告をするシーンがあるが
まぁ現実のその男はもっとはぶりが良く
一時期は 東区でカレー屋さんを
経営していたぐらいの男であったのだが。


その「捜査協力者」が
稲場警部の覚醒剤を持って
出頭してきたのが 事件の発端であったのだ。


その「捜査協力者」は
拘置所で亡くなっている。
死因は自殺。



もう一人は 片川という警視である。
キャリア組。


つまり 稲場の成績によって
トントン拍子に出世の階段を駆け上がった
何人ものエリートの中の一人である。



エリートは単身赴任先の釧路から
札幌の実家に戻り
警察内部での事情聴取の二日目であった。


初日の事情聴取で
すでに疲れきっていたエリートは
家に帰り自殺を図る。

奥さんに発見され 大事にはいたらず
奥さんの説得に一度は気を取り直している。


心配した奥さんから 自殺未遂の報告を
受けた警察は、翌朝自宅まで車を迎えによこすと
約束していたのだが・・・・
どういう行き違いか迎えの車が来なかった為
エリートは路線バスに乗り
本来降りる終点の三つ前で
バスも自分自身の人生も途中下車してしまった。



これで 稲場本人しかいなくなった。



警察内で 稲場の愛人と言われていた
婦人警官も飲酒運転で交通事故を起こした
知り合いを庇い、自分が運転していたと
嘘の供述をしたため 懲戒免職となっていた。



うまく話をまとめられなくて
申し訳ないが・・・


「捜査協力者の出頭、逮捕」→「稲場警部逮捕」→「エリート自殺」

→「捜査協力者の自殺」→「愛人の懲戒免職」



これは どう考えても「一連」の出来事では
ないのでしょうかね?

なのに どうして 「バラバラ」の報道が
なされてしまうんでしょうかね?

「稲場警部逮捕」の前にあった出来事と
「稲場警部逮捕」の後にあった出来事は

まったく別の出来事で あくまで個人の問題だったかのような
報道を私は覚えている。


ましてや、最初の「捜査協力者の出頭、逮捕」などは
報道もされなかったのではないだろうか?





本来争点にならなければいけない

「組織ぐるみの犯罪」が

最終的には

「稲場警部個人の犯罪」でしか終止符が打てない

「法」や「報道」の「業界の常識」は

いずれ 白日の下に晒されるのだろうか?





こんな思いもさることながら

私が ほほ同時期に飲み、遊び歩いていた

「すすきの」が こんなアンダーグラウンドを

持っていたのかと 本当に驚いた。




「 北海道警察の冷たい夏 」( 稲場事件の深層)




この本を読んだ感想です。
1900円。
ちょっと高いけど。
んっげぇーおもしろかった。
Marizo

















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