カミングアウト - 2002年10月26日(土) ストレスが原因と言われる多種な病気や 姓同一性障害とか ここ最近いろんな病気が増えてきた 昔良く通信簿の連絡欄に 「落ち着きが無い」とかかれた事も 今では 立派な病気と診断される世の中である あまりに神経質になってしまった世の中に 嘆きつつ なんでもかんでも 病気 病気ってまったく 薬屋の陰謀じゃないのかっ?えぇえぇっっ?と 悪態をついた私を 許して下さい。 今までたかが 30年ちょっとの人生の中で 一体全体これはどうしてなのか?何のせい?誰のせい?と いつもいつも問い掛けては そこに答えの無い 一人芝居を繰り返してきた事も今はもう 過去のものだ。 この何日間かの 秋晴れの高く澄んだ青空のように すがすがしい気持ちの中で ふと 心残りがあるとすれば あの刑事さんたちの 名前も顔も覚えていないと言う事ぐらいだろう それはある日の夕方 会社へかかってきた姉からの電話 「MZOちゃん。家に泥棒が・・・すぐ帰ってきて。」 切羽詰った姉の口調に 制服のままタクシーを飛ばして 家に帰った私を待ち受けていたものは 被害者に対する思いやりの眼差しではなく まるで自分が動物園の檻の中にいるような錯覚を 覚えるほどの 好奇の眼差しであった。 それをいち早く察した姉は 私の耳元で 「MZOちゃんごめんね。MZOちゃんのお部屋 掃除できなかったの。」 その後 犯人の指紋と区別する為に指紋を採取されながら 私は パールの入った上品さの中にも儚さの漂う 藤色のマニキュアを塗り 見事にスクエアカットされた 自分の爪を心のそこから憎んだのであった。 また当時の制服はグレイに白のストライプのジャケットと お揃いの膝上5センチのミニスカートという 事務服とは思えない なかなかセンスのいい制服だったことも 同じように心から憎んだのであった。 追い討ちをかけるように 鑑識の人が私の部屋の指紋を採取する段になって 立ち会った姉は その鑑識の人に向って 「あの・・・この部屋は荒らされてこうなったわけではなくて 最初から こうなんです。」という 解説を もはや笑い飛ばす事も出来ないほどに打ちのめされた 私の目には 正面の冷蔵庫に張られている お習字の師範のお免状を持っている姉が 達筆な墨の字で書いてくれた 「出したらしまう 整理整頓」 その少し日に焼けて黄ばみがかった半紙が 涙ですこしぼやけて見えていたのだった。 そうです。私は「お部屋を片付けられない症候群」という 立派な 病人だったのです。 感染はしないらしいので 安心してね。 Marizo -
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