十夜一夜...Marizo

 

 

いたずら電話 - 2002年10月17日(木)

先日 ドコモショップで働く友人と飲んだ時の話。

最近 札幌市内のドコモショップで
いたずら電話の被害が相次いでいるらしい。
家族をかたる女性が 電話口でいきなり泣き出すと
男の人にとってかわり 母親を監禁しているというような脅しのもと
いやらしい言葉を投げかけてくるのだと言う。


その話を聞いてふと思い出した電話があった


時計の針が12時を超えた。
珍しく真っ直ぐに家に帰ってきた金曜日だった。
明日は休みという安堵感から 普段よりも少ない酒量なのに
結構ほんわかいい気分で 深夜番組を見ていた時に電話が鳴った。

朝早くとか 夜遅くの電話のベルは 今までの経験上
「おめでとうございますぅ〜♪抽選で海外旅行が〜」とかいう
楽しいものでは決してなく その殆どが
悲しみや あきらめや 憤りを連れてくるものだった。


「はい」と声低く 警戒しつつ出た電話の向こうで
妙に馴れ馴れしく 「あっ俺だけど」
今思えば 実家の電話に「俺だけど」ってあーた。
MZO家の生活環境を全く知らない人だと
すぐ気がつくべきだったのだが
その後の 「まりこ」の言葉に受話器を切るのを
ためらってしまったのだった。
そうMZOの名前は 「まりこ」なのだ。

実家の電話番号は 未だに父の名前の登録になっているので
公的なものを幾ら探しても この電話番号と「まりこ」が
繋がるものは 結局知り合いしかいないと思ったのである。


よくわからない会話の先に待っていたのは
彼氏がいないと言う事の確認と
それでは 芸能関係の社長さんを紹介したいとの事であった。
しかもその社長さんには「100万円」のおまけ付きだと言うのだ。

実は そこまでは
一ヶ月ぐらい前に 会社を辞めていった営業マンに
声が似ていたため「もしかして・・カワムラさん?」と
聞きつつ話を聞いていたのだが
「100万円」というところで 電話を切ったのだった。

電話を切ってから いったい誰だろうと
考えに考えた結果・・・なんとなく浮かび上がってきた
人がいた。もちろん本人ではなかったので
その人の知り合いであろうと目星をつけた。

そしてその知り合いは 100万円を大金だと
思っているちょっと浅はかな人だった事も思い出した。
根拠はまったくないし 証拠も無いけれど
そう思う事で 知らない他人に「まりこ」と
呼び捨てにされた不快感を拭いさろうとしていた。

結局 それからは一度もそういう電話はかかって
来なかったので 友人からいたずら電話の話を聞くまで
忘れていたのだった。


ドコモショップにかかってくる電話は
もちろん相手方が 通話料金を支払っているわけで
何度が会話を録音して 既に警察にもそのテープは
渡してあると言う。
お金を使って楽しい事をするなら
もっと他にあるだろうと つくづく思ってしまった。
Marizo



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