「最後に」 - 2002年08月26日(月) 毎朝会社へ出勤している。 ここ数年は 半ば惰性のような状況ではあるけれど 毎朝 自分の机のパソコンの電源を入れログインをする。 顧客管理ファイルを立ち上げ 社内イントラネットの 受信トレイを立ち上げ ほぼ毎日変わらないメンバーからの 特に緊急でも必要でもない ただ社員だからという理由だけで 送られてくるメールを削除していた時 それは突然 目に飛び込んできた。 「最後に」という件名で4000人の全社員宛てに 先週の金曜日の夜遅く出されたメールは 一週間の始まりに読むには 重すぎて暗すぎて 受け止める事がなかなかできずに 見なかった、知らなかった事にしたい欲求にかられた。 気がついているけれど気がつかない振りをするようになった。 気がついてしまうと自分が苦労するような気がした。 気がついて苦労した自分が報われないのは嫌だと 思い始めたのはいったい いつからなんだろう? そのメールは結局 一部の社員や社員を語る匿名の 掲示板をひとしきり賑わせて記憶の彼方に薄れるのだろう。 大きな輪を動かす歯車は小さくて その一つが欠けても 大きな輪は何の支障もなく回りつづけていく事を理解し 自分は小さい歯車の一つなんだと認識した時から 何も気がつかない振りをするようになったのかもしれない。 そのメールの送り主は月末で会社を去るらしい。 気がついて行動を起こした事を 後悔しない人生であって欲しいと願っている Marizo -
|
|