十夜一夜...Marizo

 

 

晩御飯 - 2002年08月16日(金)

もうすぐ仕事が終わると言う時間を見計らって
電話をかけてくる高校からの友人がいる。
「今日 真っ直ぐ帰るのぉぉお〜?」
高校を卒業してすぐ働き始めた二人は
しばらく音信不通だった時もあったが
ここ何年間か 業種は違えど働くオンナとして
時として 同じ喜びや不満を持ち
時として 傷の舐めあいをする仲である。


そんな時 実家暮らしの身分としては
家で晩御飯の用意をしている母に「ご飯いらないコール」を
するのが礼儀になっている。
会社の電話を使って 母に電話をし終わった時
隣の席の後輩が一言
「いいですね〜。おうちに帰ったらご飯があって・・」
後輩の実家は道内だが地方にあり
札幌市内で独り暮らしをしている後輩は
仕事に疲れている体で電気のついていない部屋に帰り
そこから自分一人の為に晩御飯を作るという
荒行を毎日行っているのである。
そう。これは私にとってみると荒行以外の何ものでもない。


この話を同じ境遇の姉にしたところ「ウンウン」とうなずきながらも
先日 母から同じ話を聞かされた事を話し始めた。
母は友人が多く よくパークゴルフとか 夏はキャンプとかに
出かけては土曜や日曜日の夕方に帰ってくる。
そんな時 一緒に遊んだ友人達に
「いーわねぇ〜。娘さんがいるから帰ったらご飯あるんでしょ?」
と言われたそうである。
母は幾つになっても荒行をすることなく
母が元気なうちは私も姉も荒行とは無関係なのだと気がついた時・・・


精神修行がなってないオンナ達の行く末を
きっと父はあの世で心配しているだろうなぁーと
思ってしまった2002年のお盆であった。
Marizo


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