本日の感想文。

2005年05月28日(土) 【執筆ネタ】信じて神様・疑って悪魔

ついに完結しました。
めでたい。
付き合ってくれた皆様、ありがとうございます。

おもえば、フランスにいたときに急に気分が乗ってきてしまい、一気に書き上げてしまったのです。
その書き上げた部分を連載している間が……なんと、10ヵ月もかかったんですねぇ。
一話一話が短め……ってのもありますけれども。

原稿用紙カウンターで数えてみたら、895ページとなりまして、今までの中でも長編のほうです。
この作品は、わりと気楽に書き始めたのに、かなり苦しめられました。
いえ、内容に詰まったことはないんです。むしろ、サクサクと書けた作品です。

ファンタジー書きなものなので、現代物を書くときの心構えができていませんでしたわ……。

たとえば。
結婚前の頃の気持ちを思い出して麻衣というキャラを作ったのですが「これってあなた?」と言われると……困る。
困るのは私じゃなくて、私の周りの人ね。(^−^;
だって、どうせ私が生み出したキャラなのだから、麻衣に私っぽいところがあったりしても当然。
だけど「あなたの友達ってそうなの?」とか「そんな失恋したの?」とか言われたりすると、まるで友人を裏切っているような気になってしまうし、男運がないかのように思われてしまう。いや、確かになかったけれど……私の場合は、祥子さん系の縁のなさだったんだよなぁ。
モデルになった人がいないと言えば、確かに嘘になるのだけれど、じゃあその人が「あの性格? あんなことする人なの?」と言われれば違う。でも誤解を与えてしまったかも知れない。

それで、途中で書けなくなってしまった。

書いたとしても、露骨なことが書けなくなってしまいそうだったから。
全員が悪者……ってわけじゃないけれど、善人でもない話ですしね。
さらに、麻衣が工藤を罵るシーンなどでも、けっこう悩んだし。
本当に人を恨むときって壮絶なんだと思うんだけど、リアルに心情を描こうとしたら傷つく人がいる。
ファンタジーの設定と違って、現代物って同じような立場に立たされている人って多いから。

そうなると、ますます書けなくなった。

私には、どうも現代物は書けそうにないなぁ……。
というのが、正直な気持ちです。
でも、今はかなりその悩みから脱却しかけています。

一つは、まぁ、どうせフィクションだから。(笑)
それだけリアルに描けているのだと思おう。
もう一つは……傷つけた人もいたかも知れないけれど、励まされた人も多いのではないかな? と、思えるから。
あまり、あとがきでいいわけはしたくないのだけれど、誤解されて読まれる可能性があることだけ、強く否定させてもらいました。
そんなことを書かなくても、きっと多くの人は読み取ってくれただろう……と思うのですが。いや、思いたいです。

そんなこんなで、やはり現代物は、書くのにファンタジーよりも気を使います。
少し度胸が付いてから、また挑戦してみたいですけれど、しばらくはファンタジーで気を使わない執筆をさせていただきます。
(^−^)


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