今日は会社のクリスマスパーティだった。 なぜ今ごろ? と、思われる方も多いと思うが、本当のクリスマス前後はカキイレ時で、毎年この頃することになっている。
寝不足のせいで、1次会退散。 星がきれいだ……。 長い間、空を見上げないうちに、すっかりオリオンが夜空の主役になっていた。 惑星は、木星と火星か? あぁ、もうぜんぜんわからない……。
などと思いつつ歩いていると、線路のガード下に、ふとんのようなものが落ちている。 でかいゴミだなぁ……と思っていたら、動いた。 人だった。
星がきれいということは、夜冷え込む可能性が高い。 翌朝凍死していたら、大変と思い、揺り起こした。具合が悪いのかもしれない。 おじいさんで、なんと上半身裸。 「大丈夫ですか? 救急車呼びますか?」 と聞くと、開口一番 「いや、スーパーへ買い物に行く」 11時までやっているスーパーが近くにあるけれど、もう11時半を回っている。 「閉まっていますよ」 というと、怪訝そうな表情を見せた。 かなりの時間、そこに倒れていたらしい。
住所もはっきりいえるようだし、顔色もそれほど悪くないようだ。病院に行くほどのことはないが、足腰が立たず、起き上がれない。 とても一人では起こせそうにないので、たまたま近くを通りかかった人に助けを求めた。 主婦らしき二人連れだったが、事情を話すと、一人がそのおじいさんの様子をみて嫌そうな顔をした。 「あなた、よっぱらっているのでしょ? 飲んでいるのでしょ?」 おじいさんはうんうんとうなずいた。 すると、その奥さんは私にこういった。 「あなたも、かまわないで帰ったほうがいいわよ。寒くなったり、具合が本当に悪かったら、自分でどうにかできるんだから……」 そういって、奥さん二人は行ってしまった。
何か説教されたような、悪いことをしているような気がして、 「はい……」 とは言ったが、おじいさんを見捨てるわけにもいかず、覚悟を決めて引っ張り起こした。 「私一人では支えられないので、そっちの壁に捕まってください」 どうにかこうにか、起こして、うんうんうなりながら引っ張った。 しかし、そのうち軽くなった。よく見ると、もう壁にも捕まっていない。 おじいさんの家は、近くの公共住宅で、エレベーターのない2階らしく、階段を上がれるのかも心配だったが、何の問題もなくさささと上がった。 たぶん、寒さで頭もすっきりになったらしい。 「一人暮らしなんですか?」 と聞くと、 「いいや」 と言って、鍵のかかっていない玄関を開けた。中から明るい光が漏れた。 おじいさんは、そのまま何事もなかったように、私の方を振り返ることもなく、家の中に消えていった。 たぶん、このような状態で、送られたことが恥ずかしかったのだろう。
家に帰る道、やっぱり星がきれいだった。 リゲルとベテルギウス……。今日は同じくらいに明るく見える。 なんだか、悲しい気分になった。 やっぱり、人なんか落ちていても、拾うものではないのかもしれない。 でも、こんなきれいな星の下、人が倒れていたら、やっぱり助けてしまうかもしれない。
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