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2006年06月07日(水) 小林秀雄著 モオツァルト・無常という事

2006年6月7日
小林秀雄著
モオツァルト・無常という事
新潮文庫
新潮社 昭和36年
をブックオフで
105円にて購入、読了。

戦後日本人のモーツァルト受容に
決定的役割を果たした
といわれる評論を含む
評論、エッセイ集。

うーむでしゅ。
モオツァルトは昭和21年に
発表されていましゅが
流石に古いでしゅ。

わずかばかりのSPレコードと
さらに少ない楽譜、文献から
これだけの評論を
つむぎだしたのは立派でしゅが
大きく偏りがあるのは
否めません。

特に井上太郎が
指摘しているように
歌劇をまるで
考慮していないことが
大きいでしゅ。

tristesse allanteを
「疾走する悲しみ」として
日本人に植えつけた功罪は
大きいでしゅ。

この評論で
日本人が
短調のモーツァルトに
傾いたとしたら
やはり見方が
偏っていると
言わざるを得ないでしゅ。

でも読んでいて
おもしろかったのも事実でしゅ。

さらにおもしろかったのは
西行、実朝に関する評論でしゅ。

自説を強引に押し付けてくる
強烈さに鼻持ちならないことも
ないのでしゅが
読ませましゅ。

骨董にはまって
痛い目にあう
「骨董」「真贋」という
エッセイも笑わせましゅ。

「平家物語」は
予備校時代に
呼んだ記憶が
鮮やかによみがえりました。

この本
もしかして
若い頃の必読書かもしれませんが
若い頃読んでも
今ほど感じることが
なかったかもしれません。

今読んで
良かったという気がしましゅ。


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