| 2005年10月21日(金) |
瀬戸内晴美著 中世炎上 |
2005年10月21日 瀬戸内晴美著 中世炎上 新潮文庫 新潮社 昭和52年 読了
うーん すごい小説でしゅ。
元になったのは 先に読んだ 後深草院二条著 瀬戸内晴美現代語訳 とはずがたり
幼くして後深草院に育てられ のちに愛人となった二条
二条の母 大納言典侍(だいなごんのすけ)は 後深草院の乳母(めのと)で 年若い院に恋の手ほどきをする。 長じて院は 二条に亡き大納言典侍の面影を 求めながら 愛欲生活に溺れていく。
院は二条を寵愛しながらも 弟で煩悩・妄執にまみれた 性助法親王(しょうじょほっしんのう)や これまた皇位継承を争う 実弟の亀山院や 上流貴族に 二条を抱かせてしまうなど 異常性欲、異常性格の持ち主。
そのほか二条は さまざまな愛欲を 重ねながらも 院と着かず離れずの 関係を続ける。
源氏物語をなぞるように 退廃・爛熟を極める 中世の貴族社会。
前著現代語訳とはずがたりを 何倍にも膨らませた 瀬戸内の筆力に脱帽でしゅ。
L.A.S.Ponder 自らの貧しい愛欲生活に ため息をつきながら 数奇な運命を生きた 二条の生涯を 辿ったのでした。
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