鶴は千年、生活下手

2016年09月12日(月) 目をみて話すこと

「人と話をするときは相手の目を見ろ」というのは、よく言われ
てきたことだと思う。
自閉症の子ども達は、相手の目を見るのが苦手なことが多い。
どうしてなのかわからないが、目を合わせない。
というよりも、目で見ていると耳がおろそかになるからなのかも
しれないと思ったりもする。

先週、息子が、どうやらマイクラでいつも遊んでいるサーバーの
ところで課金したいらしい様子で、もじもじしたり言い出せない
で頭のなかがぐるぐるしてしまったりしていたので、最初は何が
したいのか言ってみなさいよと、いつものように息子の頭の中に
攻め込もうとしていた。
あーあーと言う息子の声に遮られるので、どうしても話しかける
声がだんだん大きくなってしまうが、突然、小声で話しかけてみ
ようと思った。
そのためには、息子を自分の方に向かせなくてはならない。
夫が息子に、話を聞く姿勢というのを教え込んでいたので、それ
を使って、話を聞く形になってとお願いした。
そうすると、座り直してわたしの方を見てくれた。
わたしの方を見てくれた所で、落ち着いた声で静かに話しかけて
みる。

課金したいのは気づいているよ。
どうやればいいのかわかってるの?
そのやり方は、こうじゃなきゃだめなの?
じゃあ、その金額で何が手に入るの?
同じ金額で、他のゲームだったら何が手に入るの?
手に入る物を比べてみて、高いと思う?安いと思う?

そうやって息子に説明させているうちに、息子の頭の中が整理され、
いい判断ができるようになっていった。
結局、課金はしないという答えに落ち着いた。
言ってもきっとダメだよねと思って、言い出せずにぐるぐる考えが
回っている状態では、上から何を言っても納得はできないかもしれ
ないが、静かに説明をさせていくと、自分で答えが出せた。

話しかけるこちらの方が、目線を合わせ、相手を気持ちを尊重して
いることをわかってもらうことで、落ち着いて話ができるたようだ。

目をみて話すって、こういうことかと思った。


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市屋千鶴 [MAIL]