もぐちゃん、体育の時間にキックベースもどきを始めようとして いて、ふと見つけた石ころを拾ってしまう。 拾ったので投げてしまう。 投げたところにちょうど同級生の男の子がいたので、コツンと頭 にあたってしまう。 交流級の教師にガッチリと叱られ、見学になる。 石があたった男の子は保健室で見てもらって、問題ないようだか らと試合に復帰。
そんないきさつを、放課後に交流級の教師からの電話で知ること となった。 相手の男の子のお宅に電話して謝った。 決してあてようとして投げている訳ではないことを、クラスのみ んなも教師も保護者の方もわかってくれている。 それがとてもありがたい。 翌日の帰りに、その男の子がわたしともぐちゃんの所まで、「僕 はもう大丈夫だから心配しないでいいよ。」と言いに来てくれた。 ほんとにみんなが優しくてうれしい。
療育を受けているところで、この一件を説明するもぐちゃん。 話を聞いてくれていて、もぐちゃんを観察していて、何かに気づ いたカウンセラーは、細かいグッズを箱から出して机の上に置い た。 何も考えずにそれを手に取るもぐちゃん。 出されたグッズをしまうと、机の上に出ている紙を触りだした。
カウンセラーの意図するところを母もわかったので、笑ってしま ったのだが、そうなのだ、もぐちゃんは何かあると何も考えずに それを手に取ってしまうのである。 無意識にやっていることなのである。 石ころがあったから拾った。投げた。 そこまでの一連の動作は無意識に行われているのだろうというこ とで、まずは、何かを手にしたときに、「あっ、僕、触ってる。」 と意識することから始めましょうと言われた。 次回までの宿題になった。 「あっ、僕、触ってる。」と気がついたら1点と数えて、点数を 記録してくることである。
まずはそこからと言われ、まだまだ先は長いですけどねと二人で 苦笑いするのである。 毎回、新しい発見があるような気がして、面白い。 月に2回のペースだが、12月からは広い場所に移転するとかで、 もう1回グループでの療育が追加になるようだ。
1年生の頃から通っておけば良かったなあと思いもするが、これ もまたタイミングのあることなのだろう。 なるべくして、そういった人たちにも巡り会うのだ、きっと。
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