鶴は千年、生活下手

2002年11月29日(金) 過去へ吹く風

昨日、高校生の頃好きだった人のことを書いたからか、どうも
過去へ吹く風が吹いているようだ。

2時間ドラマ数本分って、かおりちゃん(銀行の同期)に言わ
れたわたしの人生って、いったいどうなんだろう。
1本目は、両親の離婚のことか。
2本目は、若き日の自虐的な恋愛のことだろうか。
3本目は、銀行を辞めたころのいざこざだろうか。
4本目は、転職してからの自分と姉達のこと。
そして5本目は、夫とのこと、か。
これから何本増えることやら。(笑)

2時間ドラマの数本分なんて、誰でも作れるものだと思う。
事実は小説より奇なりって、ほんとうだと思う。
なんらかの材料がなくては小説だって書けないだろう。
誰でも人生はドラマなんだと思う。
だから、みんな自分のドラマの中で生き生きとしててほしい。

過去を振り返るのはとても大切なこと。
それは、過去があって今の自分があるのだから。
今の自分を変えたいならば、過去を否定するのではなく、その
過去に何があったのかにきちんと向き合って、これからの自分
をどうしたいかを考えて行くことが必要なんだと思う。

自分で辛い過去があったと思っているし、若いうちにそれらが
あったことが思春期や青春期に影響を与えている。
だが、自傷行為や摂食障害といった肉体に直接的なダメージを
与える状況にはならなかった。
自虐的な恋愛行動をとることで、間接的に自分にダメージを与
えてきたのかもしれないが。

みんながそんなに強いわけではないと、よく言われる。
自分は弱い人間だとは思わないが、強い人間だとも思わない。
ストレスで急性胃炎になったりするし、泣くこともよくある。
ほおって置かれれば寂しくて、気が変になりそうだとも思う。
だけど、その瞬間にさえ冷静に自分を見ている自分がいる。
気が変になりそうだと頭を抱える自分を、その程度ではまだま
だといって見ている自分がいる。
その、もう一人の冷静さが、他人から強いと言われる理由なの
だろうか。
だって、本当に変になっちゃったら変になりそうだとは思わな
いじゃないか、ってそいつはわたしに言うのだ。
その冷静な自分がいるからこそ、寂しいときや悔しいときには
思いっきり泣いたりしても、立ち直れるんだと思う。
けれども、みんな、そういうの持ってるんじゃないのかなぁ。

辛い過去を振り返って、自己憐憫に浸る。
大いに結構だと思う。浸ろう、泣こう、文字にしよう。
自分自身が自分をいたわらなくてどうするのだ、と思う。
自分が辛かった時期を乗り越えて、今生きていることを誉めて
あげようよ。
その時はどんなに周りに酷いことを言われても、なんとかやっ
てきたんじゃないか、と自分を認めてあげよう。
別の人格を作ろうが、自傷行為に走ろうが、とりあえずはそう
して自分を守ろうとしてきたことに変わりはないのだもの。
それは、自分自身の心や体がぎりぎりの選択をした結果なんだ
もの。
みんな対応の仕方が違うだけで、辛い状況を乗り越えるための
努力をしてきたことには変わりはないのだから、それを認めて
あげようよ。がんばったな、自分って。

それで、大好きな人達に今はもう大丈夫だろうって言われたら、
もうそれでまた新しいドラマを作っていくことが出来るはず。

 「人生はドラマよ」笑う君の目が昔へと吹く風を追ってる(市屋千鶴)


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市屋千鶴 [MAIL]