| 2003年03月08日(土) |
群青の夜の羽毛布(家族) |
群青の夜の羽毛布 山本文緒 著 幻冬舎 1995/11/20
一時が万事なんですよ。 みんなわたしに頼っているふりをして、本当は疎ましく思っているんです。 あいつらにいつか復讐してやろって思ってるんですよ。 どうして毎日、家に帰らないとならないんでしょう。 家族には入れ物が必要なんです。 もしもう一度生まれ変わることができたら、わたしはきっと子供はつくらないでしょうね。結婚もしないかもしれません。 わたしは家族というものが、今は心から恐ろしいんです。<本文より
この作品を支配しているのは独白の主であるが正体がなかなかみえてこない。 さとるの物語はかなり進行が遅く、いらいらしそうだが、独白に助けられている。
評価 ○
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