白虎草紙
『遙か』の白虎組についての四方山話、SSなどです。

2007年09月07日(金) 横は、会議中


 

「ねっ、見てよこれ…!!

このタイトルよくない!?」



日暮れ時、訪れた、エクセルシオールで。

隣りの席に、腰掛けた、男の子が云った。



かなり、大声だったため、
本を、読んでいた私は、思わず横を見た。




「この、『ワンナイトラバー』って、自信あるんだけどっ」

「……で、内容は?」




男の子の、発言に、答えたその人は。

ちょっと、幸ちゃんを思わす、
とても、綺麗な顔立ちの、女の子であった。



「だから、一夜の恋をさぁ、女の子がするの。
そういうの、切なくて、ちょっと、憧れない?」

「……男はそうかもね」

「女の子は違う?」

「だって、女の子にとって、メリット薄いでしょ」

「ええ、そうかなあー……」




どうも、男の子のほうは、文学青年(?)で。
恋愛の、小説を、書きたいものらしく。


そして、向かいに座るのは、
学校の、友達か、
または、お付き合いしている、彼女であるらしい。




悪いとは、思いつつ、
読んでいる、本よりも、面白い話に。


思わず耳を、そばだてる、でばがめ子になった…。




「…まぁ、おいといて。

…で、そのほかに…
タイトルの候補は?」

「うん。『一夜の恋』でしょー、
それと、○○と〜」



何本か、タイトルの、候補が出されるが。
前の、女の子はどうも、気に入らないらしい。



横の、私も聴きながら、
「…その、上から二番目は、
タイトルが、お話を、説明しすぎかも〜」



胸の中、こっそりと、参加をしてしまう。






ほどなくし、内容の、話になってゆき。


私もさすがにそれ以上、聴くのは悪いので。



持っていた、本を閉じ、立ち上がりかけたが…




「…○○くん」

「?」

「ヒロインの、女の子が、
それじゃ、見えないよ。

…なんか、イメージ先行で、中身が伴わない」



そんな、切れ味スッパリな、言葉を耳にして。




(……か、かっこええ……


……“女・幸ちゃん”だ……!!)




そう思い、女の子に、惚れかけてしまった。






……自分にも、指南をば、して欲しく思った……


















 


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