西新宿を歩くのが好きだ。
70年代から、90年代バブルの絶頂にかけ、 次々と建てられた雲つくビルを、 顔を上げ、 その先の先まで目に入れるとき。
その、姿勢のきつさにめまいを覚え、 首の後ろに痛みを覚え、 人々の挑戦の結実を、 ぽかんと見上げ、立ちどまるときが好きだ。
これら、見事なビルも、百年のちにはどうなっているのか。
丹下(たんげ)の都庁、パークビル、 NSビルに野村ビル、 損保ジャパンの可憐なスカートビルは、 今はまだ、新緑の中に堂々と立つが。
けれど、確かにどれも、年を取ってきている。
これら、高層ビルの走りの一つ、 野村のビルは5月10日にリニューアルを果たす。
いま、そのビルの前には看板が立ち、 木に灯されたオレンジ色の、 イルミネーションが道ゆく人を、輝かせている。
多くの本を、かつてこのビルの地下の丸善で買った。
そこは店を閉じ、別の事務所が入っている。
三井のビルの地下のオープンデリも、その姿を変えて。
NSビルの上階のレストラン街は、 空き店舗が目立つ。
歩きタバコをよけて歩いた道に、 路上喫煙を取り締まる規制のポスターが並び。
過去と現在を映す自分のそばで、 学生たちが楽しげに、 友人たちとこれからのことを話している。
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