夢見る汗牛充棟
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2003年04月08日(火) うだうだ呟くあまたの口

ひとひとが各人の思惑に基づいて
てんでばらばらに動く世の中にあって
わしの認識する世界が転がってゆくのに
多分運転手はいないんだろうけど
国民という言葉は個別具体的な誰をも指さないし
人類という言葉もまた何にも該当しない
最近選挙カーがよく走っていて
市民のためにがんばりますと皆口を揃えて叫んでいる
この人は誰の為にがんばるつもりでそれを
口にしているんだろう、と興味深い
具体的な誰かのために頑張るようじゃ
政治をやる人は駄目かもなんだけどさ


世界を認識するには
ちょきちょきと範囲を定め切り取ってみる
世界はその人がつくった作品になる
人は場所をはかるためまず壁をつくるいきものだと思う
床や天井より先ず四方を囲む壁が欲しい
切り取る作業は思惑から無関係ではいられないんだし
きりとった部分以外は不要部分として無意識に
捨ててしまう

海を越えた遠い国の誰かの為に
他の何かの為に
ほんの僅かな支援が実を結ぶのかどうか
わからないながら募金をしてみたりする
それはちいさな人のちいさな善意なんだけど
自分はなにもしない後ろめたさを
小銭の音で振り払うのだと言われればその通りだし
戦争を支持したり社会的弱者が世からふるい落とされる事を
容認している穴埋めであるかのように
海豹を救うのに勢力を傾けたり
木から降りられなくなった子猫を救おうとしたり
浜辺に打ちあがった鯨に巨費を投じてみたりする
それを人間の暖かさだとホロリ涙ぐむこともできれば
はき違えた場所に金遣いやがってと侮蔑することもできる

鯨や海豹や子猫が金と手を湯水のように消費するとき
そのへんのトンネルや公園で寝ているひとたちがいるし
仕事のないあの人はビニールにためていた一円玉を
両替したくて郵便局で所在無く順番待ちをしていたし
隣の市では餓死した人がいるとニュースが流れているし
コンビニで千八百円奪って強盗になったおじいさんがいるし
それでもやっぱり遠い空には爆弾がふっているのだし
もう様相わけわかりません

人によって生くべき海豹と死すべき人のさだめの線がひかれ
誰が選別したわけでもないのに人がそれらを選別している
顔の見えないその人が名前もないその人の優しい手が
何かを選び 何かを捨てるとき
細胞の一粒ぐらい由来しているはずのわしの自覚って
どれほどのもんだろう


自分の立つ場所において
たまたま喰えているわしよ
遠くを見るより
先ず足元をみたらどうだ
悲惨じゃねえか?
と言われれば言葉に詰まるし

一生を神の家から表に出ず
聖域で魂の安息を得る人
は尊く高潔かもしれないし
市井で情にまみれて暮す人
はあったかいかもしれないし
力や金を握って暮す人は
汚いのかもしれないし

けどさ

すべからくただの取捨選択の問題で
誰もが自分の生きるべき世界を定める為に
情け容赦なく切り捨てているものがあると思う
どんなにあやふやに生きててもその点は
一緒なんだよなぁ
それなら捨ててるものが丸わかりなほど
鮮やかに生きてる人間はより
卑怯じゃないのかもしれないと思ったり




…にしても
「民主主義は多数決の論理です。今議席が一番多いのは
●●です。だから、●●へ投票すべし!」

というのは、少なくとも立候補者が選挙に臨んでいう台詞じゃ
ねえだろ…と思った なんか逆じゃないか、そりは。
まとまりない うだうだに終始してみました




お昼から桜にトドメを刺すような嵐だった。
雨風凄まじく窓ガラスがふるえてた。
定時には「私残業はしません」といわんばかりに
雨があがり、うっすらと虹がでた きれいだねぇ


恵 |MAIL