しゃぼん暮らし
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2006年12月07日(木) 補綴

『夜の闇の中へ』はコーネル・ウールリッチの遺作、


彼の死後、発見された未完のタイプ原稿を
作家ローレンス・ブロックが完成させたものだ

欠落したぶぶんを埋めて
ひとつの物語を完成させている



繋ぎ目がわからないほど
ブロックは《コールリッチぶし》を模倣している




いちねんかんレクイエムを唄っていて



渡す、


受け渡す、



受けとる、



ことの様々な局面を思い描いていた




言うまでもなく『Requiem KV626』はモーツアルトの遺作、
弟子のジュスマイヤーが補筆、完成させたものだ


映画『アマデウス』のように
この曲については諸説あるのだけれど


わが団の石田氏のプログラム曲目解説によれば
いよいよ最後の日の朝、モーツアルトは弟子ジュスマイヤーを枕元に呼び、レクイエムについての細かい指示をあたえたという


ひとつの〈レクイエム〉が完成され出版されたあとも
その出来に飽きたらず、ドイツのヴィオラ奏者バイヤー他イギリス、アメリカの音楽学者などが新しい〈レクイエム〉を発表、出版している












何度となく想う




目のなかが冴えてくる





生きていたら、と





才能と才能の、時間と時間の、





宿命のようなもの













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