しゃぼん暮らし
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ふるさとは 雪がふっていてとても寒い、という
つめたいつめたい空気が吸いたくて とても早くから走ってしまう
めがさめてしまって
冬の朝
さいきんは線路沿いを走る
電車がひかりみたいに吸われるように 走る
むこうがわのトンネルへ消えてゆく車両は空で ひとがいない 窓ばかりが走る
こちらへくる車両は こんなにはやくから出勤するひとたちが、と思うほど 座っている 一瞬で通り過ぎるひとたちは膝をそろえて 行儀良くすわっている
週末はひとはしりしたら駅前のマックに寄る このへんで24時間営業しているマックはここだけ
熱いコーヒーを飲むためだ わたしは薄いコーヒーがあんがい好きだ
前夜から勉強中の学生さん、あるいは居眠りする若者 ぼんやりするおじさん等
こんなに早くから
小学生、 たぶん5年生くらいの男の子とお母さんらしきひとが入ってきた 朝マックを分け合いつつとても覚醒している感じで 周りとそぐわない
さいしょは算数の問題をしていた、子供が問題集をひろげて ぼそぼそと質問している
どこかからこのあたりへ、試験を受けにきたのだろうか、と思った
お母さんの関西弁の口調がやわらかで でもなにかひっかかる気がして
聞いてしまう
問題がかわった
日本沈没
という単語が聞こえる
文学史かな? コマツサキョウですね、などと思っていたら
そのお母さんが説明をはじめた
「・・・大陸が、ずっと移動していって、そのあいだに日本が海面にはいりこんで・・・・数億年先だからわたしらは完全に・・・・そこで一度、全部ちゃらに・・・」
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