しゃぼん暮らし
DiaryINDEXpastwill


2005年02月02日(水) 飛脚


寒波

早朝
外へ出て息を吸い込むと

肺がくっきりとつめたくなる

走っていると
内臓まで取り替えられたようになる




道ができるのだ




工事現場の
できかけの家にそっとかけられたうすい布に
消え残る月のひかりが注がれる

待機している朝焼けのオレンジ
つらなる屋根の底に沈んで





飛脚のように



走りたい




甲野せんせいの教えを思い出して
ときどきナンバ走りをして遊ぶ

江戸時代の飛脚は一日二百キロ走ったという
走ること、移動することが仕事
誰かから誰かへ
かけがえのない手紙を抱えて





ひろたえみ |MAIL