Leonna's Anahori Journal
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2002年12月23日(月) 誕生日を誰と過ごすか

妹と妹の娘と私と、三人で母の墓参りに行った。

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自分の誕生日に墓参りすることにしたのには理由がある。以前、何かの本で読んだはなし。書き手は永六輔さん。

故淀川長治さんと自分が同じ誕生日(生年は違うが月日が一緒)なのを知った永さん、うれしくなって「お誕生日にはぜひ一緒に食事でも」と誘ったところ淀川さんの返事は「あら、嫌よ」と冷たかったそうな。

淀川さんの続けて曰く「だってボク、誕生日はお母さんと一緒に過ごすんだもの。自分の誕生日に自分を産んでくれた人にお礼言いに行くのは当たり前。あなたも自分のお母さんのところへ行けばいいじゃないの」…とまあ、こんなような意味のことを言われたのだそうだ。

いかにも“お母さん命”だった淀川さんらしいエピソードだが、確かに一理ある。それで、そんなにすげなく断られながらも、その淀川流誕生日の過ごし方にいたく感心した永さん、自分も誕生日は母親の元へ行って一緒に過ごしたというのだから、さすが淀川マジックと笑うよりほかない。

確かに誕生日といえば生まれた人が主人公、だから祝ってもらって当然という考え方の頭に“産んだひとに感謝”というのは盲点だ。それで、そのとき私もナルホドと感心した(それに美談だよねコレ)。それが、いまから三、四年まえのこと。

そして今年。“自分の誕生日に自分を産んでくれた人にお礼言いに行くのは当たり前”という淀川さんの言葉がやたらと身にしみるのは、私をこの世に産んだ人が居なくなって、年齢だけはリッパな大人に成長した私がぽつんと取り残されたような気がするからだろう。

それで、一も二もなく、誕生日は墓参りと決めた。主旨(淀川さんの話)を説明したところ妹も「一緒に行くわ」ということになった。そこに姪も加わって、何だか楽しいピクニックのような気分で出かけて行った。

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結局、三人で墓所の掃除をして、お花とお線香をあげて、ついでにミニサンタまで飾ってしまった(ほんとこれだからオンナコドモはしよーがない)。でも天気はいいし、空気はきれいだし、最高の誕生日だった。これから誕生日には墓参り、これ定番にしよう。


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