ねーさんが大型ガス馬車においらを呼ぶ。 昨日の助言の結果を報告してくれるらしい。
------------------ 前日、おいらは喧嘩の仕方を教えた。 不良のがき同士の喧嘩なら、ぶちのめすだけで済む。 その後は警察沙汰になろうが何しようが、未成年で済む。 けれど、大人の喧嘩の場合、それではすまない。 相手を追い詰めるのでも手順がある。 その手順を間違えたり、タイミングを間違えたりすると、反撃の機会を与えたり、こちらまで非ができてしまうことがある。 そのために、ことを慎重に進めなければならない。
けれど、それがわかっていない人間は多い。 おいらが知る限りでは、ほとんどの人間がそうだ。 感情に任せて怒鳴りつけ、感情に任せて行動する。 その結果が、孫の首を絞める祖母であり、誹謗中傷をして結果会社をおわれることになった人間であり。 そういう人間が、概して言うせりふは必ず、「こんなことになると思っていなかった」だ。 けれど、明らかにそうなるのはわかりきっている。 部外者から見れば。
ということは、頭に血が上っていてわからなかったことを意味する。 つまりは、大人になりきれて居ない。 そういうことだ。
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今回、ねーさんの敵はゴリさんのお客だった。 その人間が非常識なことをするからだとねーさんは怒っている。 しかし、そのお客はゴリさんを通じていろいろ会社にアプローチを仕掛けている。 ゴリさんは、部外者なのに完全に争いに巻き込まれている。
しかし、今回の相手はおいらから見て明らかにただの偏屈、ではなかった。 「大家が言っている!」というのは、ねーさんが言うのはわかるが、そのお客もいっている。これが何を意味するのか。 もし、そのお客なりねーさんなりが、はったりをかましているならば、それは手順を間違えているといわざるを得ない。大家が言っていないといった時点で、大家の名前を出しているほうは負けなのだ。 それがわからない年でもあるまい。双方。 となれば、簡単なのは大家が二枚舌を使っているということ。
もし、そういう仮説を立てられるなら、大家を渦中に引きずり込めばいい。もともとは大家がきちっと態度を示さないから起きている問題なのだ。発端は異なるが、深刻化しているのは大家の態度に他ならない。
おいらは、『大家に会社に電話させろ』といった。 大家が電話をするという態度によって、どちらかの『大家が言っている』という嘘を見抜く意味合いがあるが、それ以上においらは大家が二枚舌を使っている可能性が高いと踏んでいた。 その事実を公然とさせるために、あえて『大家に』要求するようねーさんに助言をしたのだ。
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結果、ねーさんに対して、以前言ったことを否定した。 単純に、逃げられないと見た大家は、おそらくだが家賃の高いゴリさんの客を取ったのだ。ねーさんは大型ガス馬車があるためここから離れられない。そう踏んだのだろう。
だが。 そんなに事態は甘くない。 ねーさんは、大型ガス馬車を辞めたがっているのだ。 やめること自体には何の足かせもない。 もし、ねーさんとねーさんの親がその住宅を出たとする。そうなると、部屋が二部屋空いてしまうのだ。つまり、その分の家賃収入がなくなる。 ゴリさんのお客が、多少多めに払っていたとしても、店子二人分を払っているとは思えない。 大家はどちらにせよ痛手をこうむる。
自営業も会社員もそうなのだが、きちっと仕事をしないと、いずれは自分に降りかかってくる。 仕事は、特に自分の仕事はしっかりこなさねばならない。 そうしないと、いつかは自分に跳ね返ってくる。 法律だのなんだのは、きちっとやっている人間を保護するためのもので、ただ弱者を保護するためのものじゃない。 それを心に留めておくべき。 大家は、おそらくそれを学ぶために手痛い代償を払うことになるだろう。
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人間、何年やっていても、おろかな人間はおろかだ。 べつに賢く生きろといっているのではない。 ずるをしてだましきったり逃げ切ったりできないなら、まじめに生きたほうが得だよ、といっている。 それをわからないと、愚挙を繰り返す。
おいらはおばかちんだ。 ずるをしてもそのずるをだましきれる自信はないし、逃げ切れる自信もない。 なので、まじめにやっている。 ただそれだけ。 人はその領分をわきまえなければならない。
無線番のバーちゃんは、年寄りのほうが経験を積んでいるから、若い人間より慎重だ、といった。 けれども、それは何も考えていない年寄りのほうが、何も考えていない若者より、ピンチを迎え、乗り切った回数が多かったというだけに過ぎない。 いくら人生経験豊富な老人といえど、常に周囲に注意を払い、観察し、考察し、結論を持っている人間にはかなわない。
年寄りを卑下するつもりはないが、やはり生きていく以上いろんなことに注意を払いたい。そんな風に思う今日この頃。
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