〜徒然なるままに〜
日々これ行き当たりばったり。
人生なるようにしかなりません。

それなりの努力は必要だけれども。

2003年09月24日(水) 連載第1回。

と、同時に最終回。(読み切りって言え)





ここ数日、2回も車に轢かれかけた。


1回目はこの間の日曜日。

「味○ん買ってきて」と母ちゃんに頼まれて出掛けた夕方のこと。
小雨が降ってきたのでさっさと帰るじゃ〜、とケッタを走らせ青に変わった信号を確認して交差点に入ったら、赤信号を堂々無視してふらりと突っ込んできた軽自動車とご対面。


・・・焦った顔するくらいならブレーキ踏めよ、この中年女が。


とむかついたのでわざと徐行して睨み付けて差し上げた。
むしろ止まってやろうかと思うくらい腹立った。



2回目は今日の帰り道。

またしても雨、そして暗い。
駅の階段を上がりバスターミナルを抜けた先の交差点(信号無し)を渡っていたら、10�兩茲鯏�然の如く車が通り抜けた。
傘で視界が悪かったので、直前に気付かなかったら足の先が轢かれてたと思われる。


至近距離で目があったが、無自覚のふぬけ面に思わず親指使って「殺す!」とかやってみた。
チャイルドシート使わずに赤ん坊を運転席で抱えてるふざけた女だった。
わざわざこの手を汚さなくともいずれ死ぬでしょコイツなら、と思った。



どちらも轢かれたところで大した傷じゃなさそうだから、アタリ屋もどきに挑戦してみれば良かったんだろうか、と思わないこともない。

死にたいとよく思う自分でも、こういうヤツらに殺されるのは腑に落ちないと思った秋雨の日。
自殺の方が納得出来る気がする。





**********


彼女に初めて会ったのは、中学2年になった春だった。
それまで同じ校舎で過ごしていたにも関わらず、僕は彼女の顔も名前も知らなかった。

彼女はいつもクラスメートの輪の中にいた。
どちらかと言えば男友達の多いタイプで、僕もよく一緒に遊んだりした。
かといって男勝りで勝ち気という訳でもなく、時には今時の女の子っぽい発言もあって、一緒にいて飽きることがなかった。
僕にとってはとても付き合いやすい仲の良い友人の一人だった。

その関係はやがて進学して通う学校が違っても、変わらず続いていた。

バイトやクラブ活動など、次第にお互いの世界が広がっていくと、彼女の方が自分よりもずっと大人なんだな、と思うことが多くなった。

彼女はもっと先を見ていた。
今好きなことだけを抱きしめて、それだけに満足して動こうとしない僕。
そんな僕とは違い、いつか一人で立って歩くんだ、ということを彼女は分かっていたんだと思う。


大学生という肩書きを持って、1年半が過ぎた頃。
「○○のビデオを貸して欲しい」という電話が彼女からあった。

その希望本数が段ボール1箱分にも相当したので、都合の良い日に僕が車で持っていく、と申し出た。
だが、ついでがあるからこれからそっちに行く、と言うので僕は準備をして彼女を待った。

やがてやって来た彼女は、挨拶もそこそこに持参のビニール袋にせっせとビデオを詰め込み始めた。
手伝うには中途半端な作業だったので、邪魔にならないよう玄関の外へ出た僕はマンションの廊下から真下の道路を眺めた。

彼女の車はそこに見当たらなかった。

まさか歩いて来たんじゃないよね、と冗談半分に聞いたら、背中から「コンビニに停めてきた」と返事が返ってきた。
車まで運ぶという僕の申し出を断ると、この後急ぎの用でもあるのか彼女はさっさとエレベーターホールまで歩き去った。


いつもこんな調子なので、特に気に留めるでもなく玄関のドアを閉めた。
居間のソファに腰掛けたところで、僕はコンビニに用があったことを思い出した。

今出ていってもどうせ追いつけないし。

僕はベランダへ出て、今度はすぐ近くにあるコンビニを上から眺めた。
店の脇には自転車が何台か停められているのが見え、その向こうには5台分の駐車スペースがあった。


そこに、彼女の車はなかった。


もう乗って出ていったのだろうか?
・・・いや、いくらなんでも早すぎる。

ここから店の入口は見えない。
店内にいるのだろうか。
でも、車は?


やがて、大きなビニール袋を下げた彼女が店から出てきた。
そのまま駐車場へまっすぐ歩いた彼女は、見慣れない車の後部座席に荷物を放り込むと、当たり前のように助手席に乗り込んだ。


隣の運転席に座ったのは、僕の知らない男だった。


コンビニを出ていった車が見えなくなっても、僕はベランダに立ちつくしていた。





この涙に、何の意味があるんだろう。
僕が「男」だったなら、世間は同情してくれるんだろうか。





彼女はやっぱり僕よりも大人で、僕はあれから何年経っても未だに同じ場所から動けない。

嫌われることが。
蔑まれることが。

いや。
性別を理由にして相手を思いやるフリをしながら、本当は。


自分が傷つくのが怖かった。



次に彼女に会ったとき、僕は大人になれているだろうか。
まだ、子供のままだろうか。

子供のフリをした大人、かもしれない。


**********





・・・・・・Uさ〜ん、これで良かったんですか〜?(汗)
え〜っと、じゃ、そおゆうことで!(脱兎)


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雪飛