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2008年04月06日(日) 練習試合 横浜FC戦

08年04月06日 (日) 13:00開始 鈴与三保グラウンド
 練習試合
 対 横浜FCユース
 天候: 晴れ

●1本目 ※45分ハーフ
[前半]
清水エスパルスユース
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
− 望月恭 −岩崎−−小澤−−稲毛−−
−−−−−−青木− 深澤慶 −−−−−
− 佐野傑 −−−−−−−−−杉山−−
−−−−− 佐野孝 −柴原−−−−−−

−−−−−−13−−09−−−−−−
−−26−−−−−−−−−−29−−
−−−−−−22−−08−−−−−−
−−03−−32−−23−−19−−
−−−−−−−−01−−−−−−−−
横浜FCユース

 12分、横浜、ボールを支配して押し込んだ状態。清水は自陣深く左サイドでボールを奪い、LH杉山が前線にクサビを入れようとしたが、FW佐野孝に届く前にCB23番にカットされる。横浜はボランチを経由してパスを繋ぎ、今度は清水の右サイドに展開。LH26番が受けるとスピードで前へ。ゴールライン際で僅かにマークから抜け出し、思い切った速いクロスを送る。これをDF/GK、共に触れるもクリアしきれず、ファーにまで流れたボールをFW13番が豪快に蹴り込んだ。0−1

 32分、清水、自陣深くで奪ったLB稲毛の縦パスは、下がってきた佐野孝より前でDFにカットされるが、そのまま前に出た相手から杉山が奪い返す。佐野孝は左最外にポジショニングを微調整しており、杉山は遮るもののないライン沿い前のスペースにスルーパスを送った。縦に抜け出た佐野孝は相手をスピードで置き去りにし、中に切れ込む。CBが前を塞ぐと、その裏にFW柴原が飛び出すが、佐野孝は右サイドにパスを捌いた。そこにRH佐野傑。縦に抜け、狭い角度からシャープなシュート。GKが前に弾いたところ、DFに競り合いながらも柴原がボレーで決めた。1−1
 37分、横浜、左サイドの裏を狙ったパスはCB小澤がカバー、チェックに来たFWをかわした後、縦にクサビを入れる。パスを受けたRB望月恭?が中に切れ込んでドリブルを仕掛けるが、CH22番が奪うやドリブルを仕掛け返す。小澤が空けたスペースはCH青木が埋めていたが、ドリブルに対峙して前に出るを得ず、その隙を見計らって22番のスルーパス。青木のいたスペースにFW09番が走り込み、フリーで痛烈にゴール右へ蹴り込んだ。1−2
 40分、横浜、交代: 03→18

横浜FC      清水エスパルスユース
8(4) シュート 7(5) ○孝洋、○柴原、○佐傑、◎柴原、×杉山、○孝洋、×柴原
7(2) 右クロス 3(1) ×恭平、×佐傑、○佐傑
2(1) 左クロス 1(1) ○杉山
3(0) 右側CK 1(0) ×佐傑
2(1) 左側CK 0(0)
1(−)  犯OS  0(−)
2(0) ファウル 3(2) ・慶也、×青木、×杉山

[後半]
清水エスパルスユース (75分〜)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
− 望月恭 −岩崎−−小澤−−稲毛−−
−−−−−−−−青木−−−−−−−−
− 佐野傑 −−−柴原−−−−成田−−
−−−−− 佐野孝 −池上−−−−−−

−−−−−−11−−09−−−−−−
−−26−−−−−−−−−−29−−
−−−−−−22−−08−−−−−−
−−18−−32−−23−−19−−
−−−−−−−−01−−−−−−−−
横浜FCユース (61分〜87分)

 48分、横浜、清水の攻勢を凌ぐと自陣中盤でパスを受けた22番から浮き球の緩いスルーパス。ハーフライン近くまで押し上げていた清水DFライン、オフサイドをとりにいくがトラップ失敗。09番がCB2枚の右外から縦に抜けた。慌てて追い掛ける清水DF、しかし最短距離を突き抜けた09番には追いつかず、09番はフリーのままドリブルシュートを叩き込んだ。1−3
 64分、清水、交代: 杉山→成田
 65分、清水、交代: 小澤→山崎
 71分、清水、交代: 長島→柴田
 71分、横浜、交代: 01→31、13→11
 75分、清水、交代: 深澤慶→池上 (4-1-3-2: 青木DH、柴原OH、池上FW)
 87分、横浜、08→05

横浜FC      清水エスパルスユース
6(5) シュート 5(2) ×慶也、○佐傑、×孝洋、○青木、×柴原
9(4) 右クロス 2(0) ×佐傑、×佐傑
1(0) 左クロス 3(0) ×孝洋、×稲毛、×柴原
3(0) 右側CK 0(0)
1(0) 左側CK 1(0) △柴原
1(−)  犯OS  0(−)
1(0) ファウル 5(1) ×杉山、・柴原、・柴原、・成田、・成田


●2本目 ※30分ハーフ
[前半]
清水エスパルスユース (〜17分)
−−−−−−−−柴田−−−−−−−−
− 深澤詢 −山崎−−山田−−中原−−
−−−−−−西澤−−石原−−−−−−
−−杉山−−−−−−−−−−成田−−
−−−−−− 畑 −−池上−−−−−−

−−−−−−04−−12−−−−−−
−−13−−−−−−−−−−25−−
−−−−−−14−−29−−−−−−
−−20−−05−−30−−02−−
−−−−−−−−21−−−−−−−−
横浜FCユース

 02分、清水、筆者が横浜FCの布陣を確認している間に、PA左角手前でボールを受けたLH成田が、地を這うような20Mミドルシュートをゴール左下に突き刺す (推測すると中盤からCH石原からのクサビから反転、左足?)、1−0
 17分、清水、交代: 杉山→深澤慶
 21分、清水、石原が簡単に捌いたボールを左前に流れながらCH西澤が受け、更に左タッチライン沿いにスルーパスを送る。それに反応したLB中原が駆け上がり、左クロスがニアのFW池上に渡るが、DFが入って左CKへ。キッカーは成田、速いボールをゴール中央に蹴り込むと、ファーから走り込んだ池上が殆どジャンプせずに頭で叩き付けた。2−0

横浜FC      清水エスパルスユース
2(0) シュート 4(3) ×詢也、◎成田、○中原、◎池上
0(0) 右クロス 1(0) ×慶也
2(1) 左クロス 6(1) ×中原、×畑、 ×中原、×西澤、○成田、×池上
0(0) 右側CK 1(0) △慶也
1(0) 左側CK 5(1) △西澤、×西澤、×西澤、×成田、◎成田
0(−)  犯OS  2(−) ・畑、 ・池上
2(0) ファウル 0(0)

[後半]
清水エスパルスユース
−−−−−−− 久保田 −−−−−−−
−−山田−−小澤−−山崎−−中原−−
−−−−−−西澤−−石原−−−−−−
− 深澤詢 −−−−−−−−−成田−−
−−−−−− 畑 −−池上−−−−−−

−−−−−−04−−12−−−−−−
−−33−−−−−−−−−−25−−
−−−−−−05−−29−−−−−−
−−20−−02−−30−−14−−
−−−−−−−−21−−−−−−−−
横浜FCユース

 31分、清水、交代: 柴田→久保田、深澤慶→小澤 (山田RB、小澤CB、深澤詢RH)
 31分、横浜、交代: 02→14、13→33
 33分、清水、西澤の左CK、LBの位置から中原が駆け上がってパスを受けるが、これは横浜に読まれ、クロスをブロックされてしまった。しかし、こぼれ球は西澤が拾い、PA内からサイドに流れてきた畑へとクサビ、畑が再びサイドに捌いたボールを中原が受けて加速、ライン際から鋭角にPA内へ切れ込む。最高速に乗った中原はDFに阻まれつつも強引にシュート、ゴール天井に突き刺した。3−0

 46分、清水、GKからパスを受けた相手に西澤が仕掛けたフォアプレス、ボールがこぼれてLH深澤諄が拾うや、PA中央の池上にクサビを入れた。素早く飛び出したGKに距離を詰められるが、池上は足下のフェイントでそれを交わし、シュートを放つ。が、フェイント直後で踏み込みが甘く、弱い勢いのシュートはDFがブロック。が、そこに深澤諄が殺到、勢いに任せてゴールに叩き込んだ。4−0
 60分、横浜、ゴールキックを頭でクリアに行ったRB山田が空振り。その裏に走り込んだLH33番に対してCB小澤がカバーに入るが、縦を切った小澤に対してPA周辺を半円状にドリブルし、小澤を体ひとつ振り切って左30度からシュート。ゴール左下隅を正確に狙ったが、GK久保田もさすがにニアは抜かせず、CKに逃れる。キッカーは25番、ファーに上げた高いボールを4番が頭で叩き落とし、4−1

横浜FC      清水エスパルスユース
4(3) シュート 10(5) ◎中原、○畑、 ×詢也、×池上、○池上、◎詢也、○池上、○畑、 ×池上、×西澤
1(0) 右クロス 1(1) ○池上
1(0) 左クロス 1(0) ×畑
0(0) 右側CK 1(1) ○西澤
1(1) 左側CK 3(1) △西澤、×西澤、○西澤
0(−)  犯OS  1(−) ・池上
1(1) ファウル 3(0) ・畑、 ・詢也、・池上

●個人的MVP 山崎 教史
●個人的MIP 池上 智規、西澤 郁

 1本目、4分にFW佐野孝のサイドチェンジからRH佐野傑がドリブルで切れ込み、中央に入れたパスから佐野孝のシュートはGKがCKに逃れる。序盤こそ清水が押し込むが、FW/SBが上下によく動いてサイドでパスを引き出し、そこへCH22番を中心にテンポ良く配球する横浜FC、徐々にポゼッション率を高め、12分に波状攻撃を緩めることなく先制。相手パス回しに翻弄される清水は、SBのオーバーラップに対応するSHが最終ラインに吸収された状態となり、しかし2トップの守備への貢献が乏しく、プレスが掛からない。結論、真ん中のだだっ広いスペースをCH青木が一人、走り回っていたが、そんな青木も19分のファウルで26番に直接FKで狙われたり、25分には13番にボールを奪われてミドルを許したりと、孤軍奮闘というよりも空回りに近かった。
 28分、突如守備に参加した佐野孝がボールを奪取、そのまま持ち上がってFW柴原のシュートを導く。これでようやくプレスが連動して前から掛かり始め、32分に同点に追いつくと、続く32分にもLH杉山が自ら奪ってドリブルシュート、35分には青木のフォアプレスからこぼれ球を佐野孝が拾ってシュートを放つ。しかし、37分に勝負すべきでない位置でのドリブルでボールを奪われて失点すると、反攻もそこまで。前述のとおりプレスを掛ける位置がバラバラでゾーンが間延びしてたり、そのくせ最終ラインが揃っておらず再三稲毛の裏を取られたりと、戦術面の乱れも気になったが、それ以前に目立ったのが覇気や集中力を欠いたプレー。奪われたら奪い返しにいく、味方が奪いにいったら連動してプレスを掛けるといった基本ができてなかったり、相手のプレスが激しいのに球足の弱い、受けた方が次の対応に困るパスを出したり、気持ちの問題が大きいように思えた。

 そうした悪い部分が如実に表れたのが、後半に入って48分の失点の場面。統一されてないDFラインが、ハーフライン近くの高い位置で安易にオフサイドをとりにいって失敗、3点目を喫する。その後も守備の乱れは続き、右サイドで数的有利から裏に抜けられ、右クロスを中央PA内で合わせる、そういった比較的オーソドックスな崩しを何度も許した。受け身になった時にボールを奪う意欲に欠け、大榎監督も途中から池上を投入して攻撃的な布陣を指示するが、トップ下に入った柴原の闘争心や中盤の守備を一手に担う青木の奮闘、池上の前線からの守備が「個人プレー」として目を引いただけだった。後半のチャンスは、14分に柴原の中央ドリブルから右に叩いて佐野傑のクロス、PA内で佐野孝が浮き球を強引にリフティングでGKを外してシュートを打った場面 (枠上)、25分にファーに流れたRB望月恭の放り込みを柴原が追い掛け、戻したボールを青木が左35度20Mミドルシュートを放った場面 (GKキャッチ) ぐらい。1−3で敗戦した。

 2本目は互いにメンバーをガラッと入れ替えての対戦。横浜FCは体格や運動能力 (スピードとか) に長けた選手を、クラブユースらしく丁寧に基礎技術や戦術を教え込んだ好チームだったが、2本目の控えメンバーにはその良さの一つ、戦術面の一体感がなかった。こうなると個人能力と個人能力の単純な総和の勝負になってしまい、清水の明確な優位に。1対1で対峙した際にことごとく勝利、特に中盤中央の西澤・石原は活発に動いて相手と対峙する機会を量産し、その足技でボールを刈り取った。3分にLH成田の悪魔の左足で先制、22分に流れるようなプレーからセットプレーを得ると池上のヘッドで2点目。後半になると優劣の差は拡大し、得点以外にも41分に石原の奪取から右に開いた池上のクロスを畑のボレー、23分に畑のポストから成田のスルーパスを池上がシュート (枠外) と攻め立てる。最後、セットプレーから失点したのは画竜点睛を欠いたが、2年生中心の安定した守備を基盤に1年生がのびのびとプレー、池上・西澤ら3年生の精力的な動きも試合を引き締め、4−1で快勝した。

 筆者にとっては復帰戦になった山崎。数回クリアミスがあったほかは、ほぼパーフェクトの内容。ハイボールを頭で足で、しっかり前へ大きく跳ね返せていた。ドリブルを仕掛けてくる相手への対処は相変わらず素晴らしく、得意の前に出てボールをカットし、そのまま持ち上がりつつ最前線にスルーパスを通すプレーも見せていた。だが何よりも頼もしかったのは、そのリーダーシップ。的確の味方の役割分担やポジショニングを指示し、個人の判断に任せがちのチームに規律を与えた。プリンス開幕に向け、頼れる男が帰ってきた。
 池上は声で味方を鼓舞し、自らもよく動いてパスを引き出し、プレスを掛けた。これまで盛んに動いて前線から自陣まで相手を追い下がって守備についたり、サイドに開いて起点をつくったりと、それ自体の動きは良いのだが、肝心のゴール前、ボックス内の存在感に不足していた。しかし、この日は1得点1アシストと、数字に残る部分でもアピールに成功。西澤は活発な動きと巧みな足技で幅広く繋ぎの経由点となり、更に前からのプレスと相手の飛び出しへの対応で、1本目に苦労していた流動的な横浜FCの中盤に対処した。現状、様々な意味でバラバラのチームをまとめるには、声で味方を動かせる選手、自らが能動的に動いてチームを引っ張れる選手、そうしたリーダーシップが必要だと思われる。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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