えすぱっ子
清水エスパルスユース紹介サイト

2007年07月07日(土) プリンス東海 名古屋グランパスエイト戦

07年07月07日 (土) 18:15開始 藤枝総合運動公園 サッカー場
 JFA プリンスリーグ U-18 東海 2007
 対 名古屋グランパスエイト U-18 ※45分ハーフ
 天候: 曇り

[前半]
清水エスパルスユース
 控え:柴田、岩崎、望月恭、曽根、青木、西澤、前田、柴原、池上
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−滝戸−−小澤−−山崎−−江守−−
−−− 佐野諒 −深澤−−杉山−−−−
− 佐野孝 −−−−−−−−−成田−−
−−−−−−−−藤牧−−−−−−−−

−−−−−−−アルベス−−−−−−−
−−−−磯村−−−−−−太田−−−−
−−矢田−− 岸 −−西山−−三島−−
−−−−西部−−三宅−−津田−−−−
−−−−−−− 鈴木規 −−−−−−−
名古屋グランパスエイト U-18

 08分、名古屋、LH矢田の右クロスをRB滝戸がクリア。岸の左CKはニアでクリアされてもう1回、次はショートで繋いだ岸が左クロスを入れるが、PA内ファーの江守がゴールラインへ逃げた。3連続CKで今度は右から、再び矢田がショートで岸に繋ぐが、杉山が素早く寄せてボールを下げさせる。が、戻りながら受けた矢田が反転、縦に抜けて杉山を置き去りにし、右クロスをファーポスト前、186cmの三宅が高い打点でヘッド。GK長島も弾ききれずにゴール、0−1
 32分、清水、中盤左サイドでCH西山のファウルから、35-40Mほどの長いFKを得る。キッカーは江守。速いボールをPA中央に入れると、すっと立ち止まってジャンプした藤牧がフリー。長沢譲りのヘッドでボールの勢いを殺し、柔らかくコントロールしてゴール右下へ流し込んだ。1−1
 44分、名古屋、警告: 西山

グランパス     清水エスパルスユース
3(3) シュート 4(3) ○深澤、◎藤牧、×佐諒、○藤牧
4(2) 右クロス 2(0) ×孝洋、×孝洋
3(1) 左クロス 4(1) ×江守、×杉山、○成田、×孝洋
2(0) 右側CK 0(0)
3(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  2(−) ・藤牧、・藤牧
6(2) ファウル 8(0) ・深澤、・杉山、・藤牧、・孝洋、・佐諒、・佐諒、・藤牧、・成田

[後半]
清水エスパルスユース (56〜79分)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−滝戸−−小澤−−山崎−−江守−−
−−− 佐野諒 −深澤−−前田−−−−
−−柴原−−−−−−−−−−成田−−
−−−−−−−−藤牧−−−−−−−−

−−−−−−−アルベス−−−−−−−
−−−−磯村−−−−−−太田−−−−
−−矢田−− 岸 −−西山−−三島−−
−−−−西部−−三宅−−津田−−−−
−−−−−−− 鈴木規 −−−−−−−
名古屋グランパスエイト U-18 (〜76分)

 54分、名古屋、矢田の右CKはまたもショートコーナー、清水は集中力を欠き、一人目にこそマークがつくが、ワンツーで下げたボールを受けた矢田をフリーにしてしまう。右回りのウェーブの動きでパスをもらい、矢田はそのまま中へカットイン、PA手前で小さくロブを上げる。ニアに走り込んだ西山がバックヘッド気味に合わせると、DFが伸ばした足に当たる不運も重なり、ニアのゴール天井に突き刺さった。1−2
 56分、清水、交代: 杉山→前田、佐野孝→柴原
 68分、名古屋、岸の左CK (67分) はファーに流れ、なおも太田の右クロスからアルベスがヘッドは枠を外すが、清水のゴールキックを奪い返して名古屋の攻撃ターンは続く。素早くサイドチェンジ気味に展開すると、FWアルベスが右サイドへ流れてフリー。清水DF集中力が途切れたか、アルベスがマイナスで折り返すと、更にPA中央でLW磯村がフリー。背を向いた状態から反転、シュートはGK長島が驚異的な反応で弾き落とすが、そこに西山が詰め、1−3

 76分、名古屋、警告: アルベス
 76分、名古屋、交代: アルベス→鈴木崇
 79分、清水、退場: 成田
 81分、名古屋、清水陣内奥からLB江守がバイタルエリアに入れた縦パスがずれ、CH前田が戻りながら足を伸ばすもトラップミス。すかさず西山がそれを奪うと縦へ、立ち塞がるCB山崎を細かいフェイントで半身外し、左足シュートを放つ。綺麗にインに掛かったシュートが横っ飛びGK長島の腕の先を抜け、ゴール右サイドネットに突き刺さった。1−4
 83分、名古屋、交代: 岸→23 ※三島DH、太田RH、磯村RW、23LW

グランパス     清水エスパルスユース
9(6) シュート 3(1) ×藤牧、×杉山、○前田
4(3) 右クロス 4(1) ×滝戸、×小澤、○柴原、×滝戸
4(1) 左クロス 3(1) ○江守、×藤牧、×柴原
4(1) 右側CK 0(0)
1(0) 左側CK 1(0) ×滝戸
0(−)  犯OS  0(−)
11(0) ファウル 7(2) ×杉山、・山崎、・小澤、×江守、・柴原、・佐諒、・小澤


●個人的MVP 小澤 蓮
●個人的MIP 前田 陽平、滝戸 諒
●相手方MIP 西山 洋平

 試合開始前の時点で清水は2勝5敗の8位、降格圏内9位の岐阜工との勝点差は2。その直接対決を次節に控え、勝点差を3以上に開ければ最高だが、決戦に備えてチームの完成度を高めるのも重要だ。システムは4-5-1。藤枝東戦では、バイタルエリアを専門に守る選手 (滝戸) を一人加えた4-1-4-1といった感じだったが、今回は3人のCHに明確な役割分担を与えず、流動的にしていた。フラットに3人を並べるのではなく、攻撃時は後ろに、守備時は前に、誰か1人が残る。累積警告で出場停止の鍋田圭の代わりにCBへ小澤、前節退場の望月卓の代わりにRBへ滝戸が入った。先発は3年生4人、2年生3人、1年生3人、中学生1人。
 試合開始前の時点で3位の名古屋。ここ数年、オランダ的な戦術を採用している名古屋だが、この日も果たして、アヤックスを模した3-4-3を採用していた。LBの中田 (名古屋は普段、4-3-3を採用) とCH安藤が出場停止のため、FW起用の多い岸をCHに下げて磯村を前線に、枚数の増えた中盤の両翼に三島・矢田を抜擢した。トップ昇格も目される花井は行方不明。3年生6人、2年生4人、1年生1人。

 結果から言えば1−4と大差がついたわけだが、試合内容自体は悲観的なものではなかった。長島、小澤、山崎の1年生3人を軸に守備陣の連携が良く、1人抜かれても (GKを含めた) 次がカバーという関係が築かれていた。中盤中央は、かつての浩太・枝村、或いは枝村・真希が2人でしていた仕事を3人でしている感じだが、人が多くなっても交通渋滞を起こすことなく、上下左右に適切な距離感を保ってバイタルエリアの支配権を渡さなかった。ワントップで孤立がちの藤牧には、馬力のある佐野孝・成田が幅広く動き、長い距離を斜めに走ってPA内の人数を増やす工夫をしていた。
 にも関わらず完敗を喫したのは、試合の流れを掴みきれない、抗いきれないナイーブさのせい。相手にシュートを撃たせずに立ち上がりを成功しながら、自分たちのFKの好機を活かせずカウンターを食らうと、3回連続CKという悪い流れのままに先制点を奪われる。その後持ち直し、前半を五分の内容で折り返しながら、後半早々、先制点と同じ形のセットプレーで突き放される。前田・柴原と攻撃的な選手を入れると、それに伴う守備のリスクに耐えきれず、64分のFKからの波状攻撃を防げずに失点する。その後、流れが再び清水に傾くも、34分の成田の退場で自らそれをフイにし、動揺を隠しきれず自陣でのパスミスからファインシュートを許して、ジ・エンド。
 岐阜工と藤枝東はスコアレスドローに終わったため、清水がまだ勝点1上回り、引き分け以上で残留という優位な立場のままで決戦に臨むこととなった。育成組織の試合であり、今までは内容で評価するように心掛けていたが、次の試合だけは違う。例え試合を支配し、サイドから中央から綺麗に崩して決定機を量産しても、相手のセットプレー一発で沈みでもすれば評価はゼロ。今後トップに上がれば、こういう結果だけを求められる環境に身を置くことになるのだ。重々それを承知して、結果を自ら勝ち取ってもらいたい。頑張れ。

 2試合ぶりの先発の小澤は、前回同様安定したプレー。Jrユース時代は汎用性の高い山崎に対し、相手エースにマンマークで潰す職人という感じがあったが、この日不安定だった山崎の背後で絶妙な距離を保ち、山崎を抜いた相手を見透かしたようにカバーに入るプレーが印象的だった。元々スピードのある選手だが、それを活かせる判断力を日増しに身につけている。パス回しも落ち着いており、フォアプレスに慌てずに早いタイミングで、しかし前線の藤牧までピンポイントで合わせるロングフィードを披露していた。
 前田は戦術的な縛りの少なくなった状況で、久々にトリッキーなドリブルを披露。一旦足を止めながら、タイミングを外すフェイントの豊富さと、そのズレを拡大させる加速力は彼だけの武器だ。今のチームは小気味よいテンポでのショートパスが組み立ての中心だが、次節岐阜工戦では前田という「変化」を活かせるかが鍵になりそうだ。滝戸は望月卓の出場停止の事態に、慣れないRBでそつなくプレー。DFラインに入って空中戦に強く、相手のスピードを活かしたプレーにはきっちり中のコースを切って、未然に突破を防いでいた。あと、セットプレーはやはり滝戸が蹴ると期待感が違う。
 グランパスでは西山。特別な才能があるわけではないが、誰よりも良く動き、危険を予知して無理をしないプレーを選択し、あるいは相手のプレーを無理をして潰す。2年前の柴田がそうだったが、こういう選手がチームの中心として機能しているかどうかが、強いチームとそれ以外との差であろう。


 < 前  目次  後 >


ひかる。 @H.P. [MAIL]

My追加