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2006年12月25日(月) JY: 高円宮杯 全国大会 ガンバ大阪戦

06年12月25日 (月) 13:10開始 名古屋市港サッカー場
 高円宮杯 第18回全日本ユース (U-15) サッカー選手権大会 決勝トーナメント 準々決勝
 対 ガンバ大阪ジュニアユース ※40分ハーフ
 天候:晴れ

▼試合展開

[前半]
清水エスパルスジュニアユース
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山崎−−深澤−−
−−−−−−青木−−山田−−−−−−
−−石原−−−−−−−−−−成田−−
−−−−−−鍋田−− 畑 −−−−−−

−−−−−−原口− 宇佐美 −−−−−
−−大森−−−−−−−−−−望月−−
−−−−−−中山−−水野−−−−−−
−−高木−−内田−−大西−−山田−−
−−−−−−−−加藤−−−−−−−−
ガンバ大阪ジュニアユース

 11分、ガンバ、FW鍋田のポストプレーに対し、CB内田が背後から足を伸ばす。中盤にこぼれたボールを、下がっていたFW宇佐美が拾ってカウンター。宇佐美が右スペースに蹴り出すと、LH大森がスピードに乗って持ち上がる。PA左に入ったところでRB加藤が追いつき、中のコースを切ってチャンスは潰えたに見えたが、大森は更に外へ捌いた。そこに駆け上がる宇佐美、フリーとはいえ、角度のないところから右足一閃。ゴール右に突き刺し、0−1
 15分、清水、警告: 長島
 15分、ガンバ、左サイドから大森がクロスを入れる。これはDFに当たってファーに流れるが、宇佐美がPAに縦に飛び込んで拾うと、ゴールライン沿いまで持ち出してキープ。清水はLB深澤?がマークに寄せるが、寄せのスピードを落としたタイミングで宇佐美は逆に加速、ワンステップで置き去りにして中へ、ツーステップにGK長島が飛び込み、宇佐美は転倒。審判はPKの判定、長島には警告。宇佐美自らゴール左に蹴り込み、0−2

ガンバ大阪     清水エスパルスジュニアユース
7(3) シュート 1(1) ○鍋田
3(0) 右クロス 1(0) ×加藤
6(0) 左クロス 1(0) ×成田、○成田
3(0) 右側CK 2(1) ○青木、×青木
2(0) 左側CK 0(0)
4(−)  犯OS  0(−)
1(0) ファウル 5(2) ・成田、×長島、×長島、・鍋田、・畑


[後半]
清水エスパルスジュニアユース (15分〜)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−加藤−−小澤−−山崎−−深澤−−
−−−−−−青木−−荒井−−−−−−
−−田代−−−−−−−−−−山田−−
−−−−−−柴原−−鍋田−−−−−−

−−−−−−原口−−明智−−−−−−
−−中山−−− 宇佐美 −−−望月−−
−−−−−−−−水野−−−−−−−−
−−高木−−内田−−大西−−山田−−
−−−−−−−−加藤−−−−−−−−
ガンバ大阪ジュニアユース (12分〜)

 02分、ガンバ、速攻の形。RH望月の入れたクサビを、宇佐美がスルー。その裏、PA手前で受けた大森が右に捌くと、そこに宇佐美が飛び出す。そのままPA内右を縦にゴールライン際まで抜け出し、戻したボールをフォローしていたFW原口が左へごっちゃんゴール、0−3

 08分、清水、交代: 石原→荒井 (荒井CH、山田RH)
 10分、清水、交代: 畑→柴原
 12分、清水、警告: 成田
 12分、ガンバ、交代: 大森→明智 (4-1-3-2に変更: 中山LH、宇佐美OH、明智FW)
 15分、清水、交代: 成田→田代 (田代RH、山田LH)
 17分、ガンバ、警告: 望月
 18分、清水、望月のファウルで左サイドのハーフライン付近、ゴール左ポストまで40Mほどある位置でFKを得た。望月はなかなか距離を離れず、警告を受ける。キッカーは深澤。緩いボールを蹴り込んだが、ニアを窺う175cmの青木、ファーに飛び出した175cmの田代、共に全く合わず。が、176cmのガンバGK加藤、青木と田代の間で混乱したか、ポジションが中途半端。哀れボールは彼の頭上を越え、そのままゴールに吸い込まれた。1−3

 27分、清水、警告: 小澤
 31分、清水、加藤のスルーパスは内田にカットされるが、すぐにFW柴原がプレスを掛けて奪い返す。しかし、内田もすぐに体を寄せ、柴原はゴールに背を向けたまま3人に囲まれて、タッチライン沿いに追い込まれた、かに見えた。すると柴原は右足アウトにボールを乗せて一歩、次の左足のステップで反転と同時に抜け出し、3人を置き去りにPA右角へ、右足インサイドでシュートを撃つ。GK加藤もファーに横っ飛びでカット、だがCH青木が飛び込み、左足ボレーでゴールに叩き込んだ。2−3
 32分、ガンバ、中央で原口が持ち上がり、3対4で速攻の形。左に中山、右に明智、原口はPA前でCB山崎とCB小澤に前を塞がれたかに見えたが、シザースを使って体の後ろから左足インサイドでパスを出す。連動したFW明智が深澤より一歩前に出て、角度のない位置から右足シュート。左ポストに当たってゴールイン、2−4

ガンバ大阪     清水エスパルスジュニアユース
8(6) シュート 6(6) ○畑、 ○鍋田、◎深澤、○柴原、○柴原、◎青木
0(0) 右クロス 1(0) ×柴原
2(2) 左クロス 0(0)
0(0) 右側CK 1(0) △青木
3(0) 左側CK 0(0)
3(−)  犯OS  0(−)
5(1) ファウル 5(2) ・成田、・山田、・小澤、×加藤、×加藤


▼試合結果

清水エスパルスジュニアユース 2−4 ガンバ大阪ジュニアユース

 終わってみれば前半11分、15分の2失点があまりに痛く、ベスト8で清水の大会敗退が決まった。ガンバ大阪はその後、大会優勝を飾っている。
 もっと積極的に中盤からプレス掛けて攻めればよかったような、或いはもっと引きこもってカウンターに光明を見出せばよかったような…。夏に勝った試合を見ているだけに、個人的には消化不良が残る試合だった。中盤のプレスが緩かったのは、ヴィッセル・ヴェルディ・クマガヤという強豪と対戦済みだった夏に比べて、エンジンが掛かるのが遅すぎたのが原因だろう。緒戦のベガルタ戦こそ苦い良薬になったが、その後は自ら奪いに行かずとも、ミスからボールを渡してくれるような試合ばかり。だが、ガンバはパス回しで殆どミスをしない。そうした相手にはプレスでミスを誘い、時に体をぶつけて潰す、そんなサッカーが必要だった。
 一方、完全に引きこもれなかったのにも理由がある。立ち上がりはガンバにPAの外でパスを回させ、苦し紛れのクロスを高さで上回る清水が跳ね返す、或いはミドルを撃たせて枠外と、清水の思惑どおり、そして夏と同じ展開だった。何故ならば、ガンバ (宇佐美) が怖いのは、PA内・付近で前に向かう推進力だからだ、しかし、夏は跳ね返した後で攻撃に転じた時、ドリブルで持ち上がる柴原がいた。単独突破故に成功率は低かったが、それも一つの攻撃の形。けれども、柴原のいない今回は、鍋田のポストプレーに頼らざるを得ず、鍋田のポストを受けるために中盤を押し上げねばならない。DFライン裏に生まれるスペースは、スピードのある山崎がカバー。夏の戦い方より、むしろこれが清水本来の形ではあるが、この日は前述のとおり中盤のプレスが弱く、スペースを有効活用したのはガンバの方だった。

 FW宇佐美に2度飛び出され、2度の被決定機で2失点を喫した清水は更に18分、宇佐美のスルーパスから今度はFW原口に抜け出され、GK長島が倒したとして微妙なPKを与えてしまう。が、宇佐美2度目のPKはGK長島が遮断、20分を待たずに試合が決まることだけは阻止した。この時間帯を過ぎるとガンバのプレスもだいぶ弱まるが、速攻の形に頼る清水はゴール前に辿り着く前に潰されることが多く、唯一のシュートチャンスは31分、CH青木のクサビをFW鍋田が戻すと青木がダイレクトでサイドチェンジ、サイドスペースに飛び出したLH成田がクロスを入れる大きな展開に、鍋田が15Mの距離からボレーを合わせるも、GKが正面で抑えた場面。一方、2点を先攻したガンバはゴール前でのがむしゃらさが薄れ、宇佐美のミドル2本にとどまり、前半は0−2で終えた。

 大切な後半立ち上がり、しかし見事な連携プレーではあるが宇佐美に三度抜け出され、決定的な3点目を奪われてしまう。5分にCB山崎がダイレクトで跳ね返したロングボールに対し、ガンバCB大西が落下地点を見誤り、ならばと体を抑えにいったところをFW畑が体を入れ替えて抜け出すが、1対1の勝負をGK加藤に止められた。これで勝負は決まったかに思われたが8分、宇佐美のスルーパスで抜け出した原口が、GK長島をも交わしながら無人のゴールに対してシュートミス。その後、交代を経て中盤に下がった宇佐美が、対峙する青木によく守られて、ガンバは肝心のゴール前での突破力を失ってしまう。一方、ウイングタイプの石原・成田を本来CHの荒井・田代に代え、中盤のプレスを強めた清水は18分、何でもない深澤のFKからGKのミスで1点を返す。試合はにわかに動き始めた。
 ここで輝いたのが、怪我を押して途中出場した柴原。28分、GK長島から加藤、RH田代と右サイドを縦に繋ぎ、田代がPA右角に入れたクサビをFW柴原がスルー、鍋田がポストに入って戻したボールに田代が駆け上がり、中に切れ込むと見せて右足アウトでスルーパスを送る。スルーした後、右に流れていた柴原が、ウェーブの動きでゴールを向いてシュートを放つが、GK加藤にCKへ逃げられた。だが、31分、柴原の絶妙な個人技から1点を奪い、遂に1点差に。気勢を上げる清水は、しかし直後の32分、4点目を奪われて今度こそ万事休す。攻めるガンバがサイドやCKで時間稼ぎしつつ、そのまま勝ちきった。

 何にせよ、選手の皆さんはお疲れ様でした。スペースを常に意識したパスと動き出しは、これからより高いレベルで勝負するにつれ、より必要になってくることでしょう。このセンスは枝村が抜けた後の2年間、ユースが決定的に欠けている部分でもあります (昨年は飛び出しの方は合格点だったんだけど)。3年生たちが、次の3年間でも活躍することを期待しています。できれば、ユースで。


▼選手寸評

[私撰MVP] 青木 達也
[私撰MIP] 柴原 誠、加藤 喬大
[相手方好印象選手] 宇佐美貴史


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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