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2006年02月11日(土) 中日本スーパーリーグ U-17 東京学館新潟高校戦

06年02月11日 (土) 16:00開始 時之栖スポーツセンター 裾野Eグラウンド
 第4回 中日本ユースサッカースーパーリーグ (U-17)
 対 東京学館新潟高校 ※40分ハーフ
 天候:晴れ

▼布陣
先発:                後半17分〜:
−−−−−−長沢−−町田−−−−−− −−−−− 山崎竜 −長沢−−−−−−
− 桑原卓 −−−−−−−−−小泉−− −−小出−−−−−−−−−−滝戸−−
−−−−−−神田− 佐野諒 −−−−− −−−−−−池田− 桑原卓 −−−−−
− 佐野克 −鍋田−−岩本− 桑原彬 − − 佐野克 −渥美−−岩本− 桑原彬 −
−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
交代:後半00分:鍋田→渥美、佐野諒→池田、町田→山崎竜 (桑原卓をCH、神田を左SHに)
   後半11分:神田→小出
   後半17分:小泉→滝戸

東京学館新潟高校:
先発:                後半16分〜:
−−−−−−03−−13−−−−−− −−−−−−03−−13−−−−−−
−−−−09−−25−−21−−−− −−−−24−−25−−10−−−−
−−−−−−−−08−−−−−−−− −−−−−−−−07−−−−−−−−
−−05−−23−−20−−18−− −−06−−20−−19−−18−−
−−−−−−−−17−−−−−−−− −−−−−−−−17−−−−−−−−
交代:前半34分:08→19
   後半10分:21→10、09→24
   後半16分:23→07 (19をCB、07をDHに)


▼試合展開

 Jユースカップ優勝から1ヶ月半ほど、新チームになって初めての試合となった。無論、この時期の試合に勝敗はあまり意味がない。今は完成度は二の次で、器そのものを大きくすべきだ。オフにローパワーを重視した走り込みを行い、筋持久力を増強することで、シーズン中にサッカーで必要とされるミドルパワー・インターミッテント (断続的) パワーを使いこなせるようになるだろう。とはいえ、勝つに越したことはない。試合会場には応援団も駆けつけ、勝利を後押しした。
 この日は3月並みの陽気に恵まれたが、さすがは御殿場の山間、5時が過ぎて日が落ちると、風が冷たい。中日本U-17リーグという名称だが、この大会は3月末日までは現高校2年生以下が出場できるという、U-高2というべき大会規定になっている。そのため、昨年のチームをベースに新3年生9人、新2年生2人が出場、現時点のベストと思われる先発メンバーとなった。ここまで最上級生が多いのは清水ユースの歴史上、例がない。佐野克は昨年と違い、U-19代表と同じ左SBのポジションで登場。CHは神田と佐野諒と、攻撃的な組み合わせになっている。

[前半]
 開始1分、左SH桑原卓が戻したボールを左SB佐野克がクロスを入れ、受けたFW長沢がトラップからシュートを放つ。GKが弾いて右CK、桑原卓のキックをニアで町田が逸らし、ファーで岩本が詰める。再びGKが弾いて2分の左CK、神田のキックはGKがパンチング、ファーに流れたボールを岩本が追い掛け、戻して桑原彬が右アーリークロス。長沢がヘッドを放つが、GKが抑えた。立ち上がりの清水の怒濤の攻撃、ようやく凌いだと思いきや3分、そのゴールキックをCH神田?が弾き返した1本のパスでFW町田が裏へ単身抜け出し、PA内右45度からあっさりとゴール。1−0。町田がゴール裏の応援団にダイブ。相変わらずのお調子者だ (笑)。
 学館新潟は5分、CB鍋田のファウルから8番が中央30MからFKを直接狙うが、左上に外れた。それ以外は、清水の波状攻撃。8分、引いて受けた町田がスルーパス、入れ替わって裏に飛び出した長沢がシュート (GKキャッチ)。11分、相手ゴールキックを右SB桑原彬が跳ね返した1本のパスで長沢が抜き出しかけ、追い縋るDFを弾き飛ばしてシュート (GKキャッチ)。次いで12分、右SH小泉のスルーパスからサイドに開いた町田が疾走、併走する長沢が折り返しを受けてシュートを撃つが、三度GKが阻む。詰めた桑原卓はDFクリア、を更に佐野克が拾って攻撃続行。桑原卓がPA左角手前に戻って受け、そこからドリブルでPA内を横に突撃し、PA外に戻す。受けた小泉は、切り返しから左足アウトで引っ掛けるようなミドル。変則的なシュートにGK反応できず、2−0。

 その後も横幅を大きく使い、斜めのパスを多用して相手に狙いを絞らせない清水。22分、ポストに入った長沢が右に捌き、小泉の斜めのスルーパスを町田が合わせるが、ゴール左に外れる。23分、左に開いた桑原卓がボールを下げ、佐野克が斜めにカットイン、PA内で長沢にお膳立てのパスを渡すが、長沢のシュートはバー直撃、町田が詰めるが枠上に外れた。25分、桑原彬の右アーリークロスに対してニアに突っ込む長沢、GKも体を投げ出すがボールがこぼれ、それを町田が美味しくいただいて、3−0。なおも27分、神田のスルーパスから佐野克の高速クロスを、長沢が丁寧に頭で叩き付けたが、GK正面。続いて29分、左に開いた佐野克へ鍋田のクサビ、佐野克は低く速いクサビをPA左角の長沢に入れると、猛然とPA中央へと駆け込み、余裕ある長沢のリターンを勢いのままゴールに突き刺した。4−0。
 30分、学館新潟はロングボールをFW3番が競り落としたところ、FW13番がダイレクトで狙い (枠外)、久々にシュートを放つ。しかし31分、神田の左CKをニアで町田が競って中央で長沢が合わせたシュートはDFにクリアされるが、鍋田が拾って再びPAにクサビを入れる。町田、神田とシュートをブロックされ、なおも長沢が拾い、後ろに流すと佐野克の強烈なミドル、GK何とか抑える。33分、CH佐野諒が寄せる8番を抜こうとして逆に奪われ、そのまま中央30Mからミドルを撃たれるが、枠外。これがこの試合通じて、最大のピンチだった。そして39分、神田のクサビを受けた長沢が素早く裏に流し、斜めに裏へ走り抜けた小泉がGKと1対1からシュート、弾かれるが自ら詰めて、5−0。その後ほどなく、前半を終えた。

 昨年から殆ど面子の変わらないこともあり、この時期としては完成度が群を抜いて高い。特に引く動きと裏を狙う動きを交互に補完しあう長沢と町田の2トップに、目を見張る。起点を作ると、そこから外へ、或いは内へと横に大きくパスを散らし、起点となった選手を後ろの選手が追い越して前に進む形は、ラグビーに似ていた。勿論、ラグビーと違ってパスを前に出せるので、斜めのパスを多用している。そして、絶対的な起点となったのが長沢。学館新潟はJユース杯決勝の神戸同様、長沢にマークをつけることで、逆に長沢がパスを捌けるスペースを空けてしまうという、過ちを犯していた。

学館新潟      清水エスパルスユース
3(0) シュート 23(16) ○長沢、○岩本、○長沢、◎町田、×神田、○長沢、○長沢、○長沢、○桑卓、◎小泉
               ×町田、×長沢、×町田、×長沢、×町田、◎町田、○長沢、◎克彦、○長沢、○克彦
               ×小泉、○小泉、◎小泉
0(0) 右クロス 10(3) ○桑彬、○町田、×桑彬、×小泉、×長沢、○桑彬、×小泉、×佐諒、×桑卓、×桑彬
0(0) 左クロス 12(5) ○克彦、○克彦、○桑卓、×桑卓、×桑卓、×桑卓、○佐諒、×町田、×克彦、×桑卓
               ○克彦、×桑卓
0(0) 右側CK 3(2) ○桑卓、○桑卓、△桑卓
0(0) 左側CK 2(0) ×神田、×神田
0(−)  犯OS  2(−) ・桑卓、・小泉
2(1) ファウル 3(1) ・長沢、×鍋田、・桑彬

[後半]
 後半は一気に3人を交代すると同時に、桑原卓をCHにポジションチェンジ。11分には小出、17分には滝戸をサイドに起用し、昨年のチームをベースとしていた前半と違って、フレッシュな陣容となった。

 3分、小泉のスルーパスを桑原彬が追い越しながら受けるとPA内ニアにカットイン、をFW山崎竜が強引にスイッチしてシュートするが、GKにキャッチされる。その後、CHの池田がサイドチェンジを多用するせいか、盛んに攻め上がるSBを中心に両サイドを切り崩すが、中央から裏を狙う動きが乏しく、やや攻め倦んだ。それでも12分、相手スローインを左SH小出がカット、すぐに入れたクサビを山崎竜は左前に叩き、サイドに流れた長沢が折り返すと、再び山崎竜がゴール右に鋭く突き刺した。6−0。これで学館新潟は集中を切らしたか、12分には桑原卓のクサビから、佐野克の左に切り返してのグラウンダーミドルを、あっさり決められてしまう。7−0。続けざまに17分、桑原彬のスローインを桑原卓が戻して桑原彬のスルーパス、右サイドを抉った桑原卓が斜めに戻すと、再び桑原彬がPA内を縦に突破し、マイナスのクロスを山崎竜がゴールに叩き込み、8−0。兄弟で縦横無尽に、相手を切り崩した。
 連続得点は一旦途切れるが、清水の攻勢は続く。やはりサイドを崩す動きに偏りがちで、26分、佐野克のロングフィードを長沢が受け、その間に駆け上がった佐野克への大きいワンツー。佐野克は落ち着いて内側の小出に繋ぎ、小出も横にパスを流す。そこに長沢、慌てずにコースを狙ってシュートを撃つが、今度はゴール前のDFに跳ね返された。本日の長沢、「not his day」。30分、桑原彬の中央に入れたクサビ、を長沢がスルー、その裏で受けた山崎竜が裏にダイレクトで流し、走り込む長沢のシュート! はGKが弾き、結局、山崎竜が美味しくご馳走様して、9−0。こういう日はとことん決まらんもんだね、と31分、小出の左スローインを池田がサイドチェンジ、受けた桑原彬がスルーパスを送り、しっかりDFの外側にポジショニングしていた長沢が抜け出て、14度目の正直を決めた。10−0。

 またもや集中を切らした学館新潟に対して33分、池田のサイドチェンジを受けた小出がキープ、それを追い越した佐野克にスルーパスが送られる。ハイスピードクロスをニアで山崎竜が頭でスラし、ファーに流し込んだ。11−0。続いては35分、中盤で滝戸のスローインを受けた長沢が、ゆるやかに弧を描くスルーパスを右サイドに送る。飛び出した桑原卓がニアポスト前まで一気に踏破し、正確なステップで停止した後に確実に決めた。12−0。試合終盤につれて運動量を増す桑原卓のスタミナを、改めて確認する一撃だった。以後も清水が攻めたが、最後佐野克の直接FKは枠を越え、試合終了。
 後半は相手が肉体的にも精神的にも「キレて」しまい、チームや選手の状態を見るという点では今一つ物足りなかった。が、終始ボールも人も動くサッカーを忠実にこなしていた点は、評価したい。心身共に充実した状態で、冬の体づくりに取り組んでいるようだ。両SBと両CHが、サイドで分厚い攻撃を仕掛けていたが、それを可能にしたのが、長沢のキープ力。彼がクサビを確実に捌くことで、全員が常に前向きにプレーをすることができていた。

学館新潟      清水エスパルスユース
0(0) シュート 20(14) ○長沢、×神田、○竜男、×長沢、◎竜男、◎克彦、◎竜男、×池田、○桑彬、○長沢
               ×竜男、○長沢、◎竜男、◎長沢、◎竜男、○桑彬、◎桑卓、○池田、×岩本、×克彦
1(0) 右クロス 10(4) ×桑彬、×長沢、×桑彬、◎桑彬、×滝戸、○池田、○滝戸、×滝戸、×滝戸、○滝戸
0(0) 左クロス 15(5) ○池田、×克彦、×桑卓、○神田、×克彦、×池田、×神田、◎長沢、×克彦、×小出
               ○克彦、×克彦、×小出、◎克彦、×小出
0(0) 右側CK 4(0) △桑卓、△桑卓、△桑卓、×桑卓
0(0) 左側CK 7(0) △神田、×神田、△神田、×神田、×池田、△池田、×小出
0(−)  犯OS  0(−)
1(1) ファウル 4(1) ・桑卓、・克彦、・長沢、・克彦


▼試合結果

清水エスパルスユース 12−0 東京学館新潟高校
 得点:前半03分:清水・町田 朋弥 (神田 和哉・スルーパス)
    前半12分:清水・小泉 慶治 (桑原 卓哉・ポストプレー)
    前半25分:清水・町田 朋弥 ※右クロスこぼれ球
    前半29分:清水・佐野 克彦 (長沢 駿 ・ポストプレー)
    前半39分:清水・小泉 慶治 (長沢 駿 ・スルーパス)
    後半12分:清水・山崎 竜男 (長沢 駿 ・左クロス)
    後半15分:清水・佐野 克彦 (桑原 卓哉・縦パス)
    後半17分:清水・山崎 竜男 (桑原 彬 ・右クロス)
    後半30分:清水・山崎 竜男 (長沢 駿 ・シュートリバウンド)
    後半31分:清水・長沢 駿 (桑原 彬 ・スルーパス)
    後半33分:清水・山崎 竜男 (佐野 克彦・左クロス)
    後半35分:清水・桑原 卓哉 (長沢 駿 ・スルーパス)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●桑原 卓哉 (新3年・左SH→CH)
 まるでラグビーのようなサッカーを展開するキーマン。ラガーマンよろしく精力的に動いて、起点を追い越し、ボールを受けて相手に突っ込み、しかしボールを失わず、フォローする味方に渡す。短い距離のパスの正確さも、特筆すべき。

[私撰MIP]
●山崎 竜男 (新3年・FW)
 町田と長沢のようなコンビネーションはないが、4得点で存在を高らかにアピールした。空中戦に強く、ポストプレーで体を張り、突進力に優れる。動きを工夫し、周囲に合わせてプレーできるようになれば、より一層脅威が増すはずだ。

●桑原 彬 (新3年・右SB)
 昨期終盤の好調を維持。優勝インタビューで「三冠」を口にしたように自信をつけたようで、積極的にドリブルで相手を抜きにかかった。終盤になるにつれ運動量を増す点も弟と甲乙つけがたく、パスセンスはCHでも試したいレベル。

[別格]
●長沢 駿 (新3年・FW)
●佐野 克彦 (新3年・左SB)
 早くトップのキャンプに行きなさい (笑)。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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