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2005年12月03日(土) 練習試合 清水エスパルスサテライト戦

05年12月03日 (土) 15:00開始 清水三保グラウンド
 練習試合
 対 清水エスパルスサテライト ※45分ハーフ
 天候:晴れ

▼布陣
先発:                後半43分〜:
−−−−−−長沢−−町田−−−−−− −−−−−−篠田−−長沢−−−−−−
−−八木−−−−−−−−−−小泉−− − 桑原卓 −−−−−−−− 佐野諒 −
−−−−−−高野−−柴田−−−−−− −−−−−−高野−−柴田−−−−−−
− 桑原卓−佐野克 −石垣− 桑原彬 − − 佐野克 −岩本−−石垣−−渥美−−
−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
交代:前半43分:八木 →岩本  (岩本をCB、佐野克を左SB、桑原卓を左SHに)
   後半14分:小泉 →渥美
        町田 →篠田
   後半43分:桑原彬→佐野諒 (渥美を右SB、佐野諒を右SHに)

清水エスパルスサテライト:
先発:
−−−−−−前田−−北嶋−−−−−−
−−−−松下−−−−−−平松−−−−
−−−−−−村松−−澤登−−−−−−
−−鈴木−−岩下−−平岡−−財津−−
−−−−−−− 山本海 −−−−−−−
交代:なし


▼試合展開

 Jユースサハラカップの決勝トーナメント緒戦を一週間後に控え、リーグ優勝したサテライトに胸を借りる。2ヶ月前、Jユースカップ予選リーグ再開前に対戦した時は、内容で完敗しながら新加入の決まったGK武田のセーヴとFWの決定力で、2−3のスコアに持ち込んだ。サテライトは、その時のメンバーから枝村と青山がトップレギュラーに上り詰め、和田と岡崎もトップに呼ばれている。
 ユースは怪我なく、所属27名が全員参加。先発は、横浜FM (H) 戦から渥美に代えて桑原彬を入れただけで、仙台戦の有力な先発候補と言えそうだ。一方のサテライトは、戦力外通告や引退の決まる難しい時期。怪我人も多く、斉藤と山本真が軽くランニングをしてた以外に、チョ・杉山・佐藤・吉田の姿はなかった。練習生の松下 (清商高) と公式戦からの引退を表明した澤登を入れて、11人ジャスト。怪我人が出たらユースから借りるのだろう。

[前半]
 開始1分、右SH小泉の右クロスにCH柴田がPA中央に走り込むが、DFと交錯してファーに流れる。それを左SH八木が窮屈な格好ながらダイレクトボレー。枠右に外れたが、オープニングシュートを記録したとおり、ユースが攻勢に出た。コンディションの良さを窺わせるユースは、運動量と連動性でサテライトを大きく上回る。サテライトは左SHに練習生を置いたせいもあり、右でFW北嶋のポストと右SH平松の突破が上手く絡んだときぐらいしか、好機に繋がらない。とはいえ、ユースの方も速攻とサイド攻撃で相手組織を散漫化させながら、要のCB岩下を越えることができなかった。
 サテライトは14分、平松の判断の良いクイックリスタートで北嶋が裏に抜け出し、粘り腰ターンで初シュートを放つ。17分にはクリアをカットしたCH澤登が中央を割るスルーパス、右から斜めに入った平松が軽く触れて囮になり、抜け出したFW前田がGK山崎晃と交錯しながらシュートを放つが、左に逸れる。すかさずユースも、左SB鈴木のパスミスをCH高野がカット、縦パスを受けたFW町田がミドルは、枠左。27分には町田と岩下が競り合った浮き球を、長沢がダイレクトで左にふわりと捌く。左45度に開いた八木がループ気味に頭上を狙うが、GK山本海は落ち着いてキャッチした。

 36分、平松のクサビを北嶋がポストに入り、潰れながら前田に捌く。前田は持ち味の中央突破を図るが、寄せの速いユースに囲まれ、なんとか左へ展開。パスを受けた鈴木は一気に縦を踏破し、マイナスのクロスを北嶋が落とし、ファーで前田が合わせたが枠の右。38分、今度はユース。それまでも積極的にサイドに飛び出て攻撃に厚みをもたらしていた柴田が、今度は中央から右へと斜めに持ち出す。戻したボールから小泉がクロスを入れると、DFの体に当たってコースが変わり、中央の長沢の元へ。長身を活かした一人時間差でシュートを放ったが、GK山本海が冷静にキャッチ。40分、CH村松のクサビを受けた北嶋に対するCB佐野克のバックチャージで、ゴール中央距離25MのFK。当然、鹿島戦ではその機会のなかった澤登が直接狙うが、僅かにゴール右上隅から外れた。
 その後は動きなく、スコアレスのまま前半終了。ユースとしてはサテライトの連携が悪く、また自分たちの運動量が盛んな間に先制したいところだったが、早々に八木を岩本に交代して、後半に勝負を賭けることとなった。

シュート サテ  6(2) ○北嶋、×前田、○平松、×前田、×澤登、×前田
     ユース 6(3) ×八木、×町田、○八木、○小泉、×町田、○長沢

右クロス サテ  2(1) ×平松、○財津
     ユース 6(0) ×小泉、×町田、×柴田、×小泉、×小泉、×小泉
左クロス サテ  1(1) ○鈴木
     ユース 1(0) ×長沢

右側CK サテ  0(0)
     ユース 0(0)
左側CK サテ  0(0)
     ユース 1(0) ×八木

犯OS数 サテ  0(−)
     ユース 2(−) ・長沢、・小泉
ファウル サテ  5(0) ・前田、・前田、・村松、・前田、・村松
     ユース 6(1) ・町田、・克彦、・長沢、・克彦、×克彦、・長沢

[後半]
 後半、サテライトは幾らか戦術的に意思統一されたようで、右は右SB財津が攻撃参加を積極化、左でも前半にGK山本海から叱咤を受けていた左SH松下が、だいぶ試合に参加できるようになった。早速4分に右突破を仕掛けた前田が下げたボールから、財津が中央に切れ込みつつミドルを放つ。GK山崎晃のワンタッチあって右CKになると、澤登のキックを中央で財津が合わたが、GK山崎晃が枠上にディフレクト。再び澤登のキックを今度はニアに北嶋が飛び込むが、枠左に外れる。澤登、プレースキックの精度はまだまだ現役だ。
 組織が整えば、地力に勝るサテライトが攻勢に出るのは自然の理。9分、松下が下がって岩下からパスをもらい、内側隣の村松に預けて自らは前へ、そしてリターンを受ける動きで、右SB桑原彬とCB岩本を誘い出した。松下は外側隣の鈴木にパスを捌き、鈴木が左アーリークロス。クロスの軌跡上に位置したCB石垣、これをカブる。遅れて飛び込んできた北嶋が、ワントラップでGK山崎晃を置き去りにPA内左に持ち出すと、無人のゴールにラストショット。石垣と左SB佐野克が諦めずにスライディングするが、ボールをゴールの中へと弾くのが、精一杯だった。0−1。サテライトが、プロの面目を保つ先制点をあげた。

 13分、自陣で左SH桑原卓が倒されるが、ファウルはなし。だが、先に反応したのはユース。拾った町田がボールを下げると、CB岩本が左タッチライン沿いにフィードする。猛烈に駆け上がる佐野克、上げたクロスは岩下にカットされるが、ファーに小泉がフォローして折り返した。だが、そのクロスは、行徳監督が怒鳴るほどのキックミス。しかし、サッカーが「ミスのスポーツ」と言われる所以だろう、弱々しく後方に流れるボールを平岡が下がりながら頭で弾き返すが、至当、勢いに欠ける。平岡と競り合っていた町田が狙ったバイシクルは空を切るが、ボールは中央の長沢へ。左足ダイレクトで低くゴールに突き刺し、ユースが同点に追いついた。1−1。
 勢いがつけば、若さに勝るユースが一転攻勢。14分、桑原彬の右タッチライン沿いのフィードでFW篠田が抜け出し、DFを引き寄せてバックパス。再び桑原彬が横パスを入れると、中央に入ってきた桑原卓が軽く触れて囮になり、ファーで長沢がシュートは左にずれた。16分に村松から北嶋のポストを経由して前田、18分に平松から前田のポストを経由して財津にドリブルシュートを許すが、体を寄せた両CBとシュートミスに助けられて事なきを得る。19分、21分のCKは活かせなかったが、23分、中盤の底で下がって受けた澤登を、長沢がチェック。長い足を伸ばし、大きな体を入れてボールを奪うと、澤登は年齢が自分の半分もないFWを追わず。労せず2対2、長沢が平岡と岩下を着実に引き寄せて右に叩けば、篠田がGK山本海と1対1。こうした局面に絶対の決定力を持つ篠田、GK山本海が体を寝かした瞬間にシュートを叩き込み、2−1。ユース逆転。

 プロの威厳を示したいサテライトだが、32分の右CKに澤登からのホットラインで、ニアの財津がボレーを撃った程度 (枠右)。一方、ユースは36分、佐野克のオーバーラップを囮に桑原卓がDFとGKの間にクロスを送り、長沢が平岡と岩下の間から抜け出てヘッドは枠の上へ。更に37分には、右SH渥美を追い越した桑原彬が、ゴール手前の篠田にピンポイントで合わせる絶妙のクロスを入れたが、篠田がハンドを犯す。ユースが試合を決める点を奪う可能性は、高かった。だが39分、右から中央へと切れ込んだ平松が桑原彬を引き出し、彼の裏へ右足インサイドで回転を掛けたスルーパスを送る。左大外から飛び出した松下、グラウンダーのクロスをファーで北嶋が軽く戻したお膳立てを、前田がゴール左へ突き刺した。2−2。
 ユースはCH2名の運動量が落ち、押し込まれた状態に。一時攻撃を防いでもすぐに二次攻撃に繋がり、空いたバイタルエリアから、北嶋のミドルはGK山崎晃の手を弾いてバー、財津のミドルは岩本がブロック、平松のシュートはDFのワンタッチあって左へ外れる。続く左CKを、澤登がまたも愛弟子財津に合わせるが、僅かに合わずにファーへ流れた。この間、同点後ほんの1、2分の出来事。ユースは桑原彬を佐野諒を交代して流れを変えようと試みるが、43分。左に開いた村松のクサビをPA内石垣の前で北嶋がポスト、石垣と連動して寄せなかった岩本を、行徳監督が一喝する。その間に北嶋は右に捌き、前田が小さく戻すと、平松がDFとGKの間を横切るようなスルーパス。再びPA左で北嶋、ゴールへと流し込んだ。2−3。

 岩本の奪取から桑原卓が持ち上がり、縦パスから篠田が突破を図るも平岡に潰された場面もあったが、その後素早く左CKを再開した篠田の意図と周囲が噛み合わず、ほどなく試合終了。試合内容・選手のコンディション共に良かったが、横浜FMとの二戦同様に終盤に逆転される展開は気になるところ。気を引き締めて大切な緒戦に臨んでもらいたい。

シュート サテ  15(8) ○財津、○財津、×北嶋、◎北嶋、×前田、×北嶋、×財津、○財津、○澤登、×財津
              ◎前田、○北嶋、×財津、×平松、◎北嶋
     ユース 7(5) ◎長沢、×長沢、◎篠田、○桑卓、○柴田、×長沢、○篠田

右クロス サテ  3(0) ×平松、×澤登、×財津
     ユース 4(0) ×渥美、×渥美、×高野、×桑彬
左クロス サテ  7(2) ×松下、◎鈴木、×鈴木、×平松、×鈴木、○松下、×松下
     ユース 4(1) ×克彦、×克彦、○桑卓、×克彦

右側CK サテ  2(1) ×澤登、○澤登
     ユース 3(0) ×高野、×高野、△高野
左側CK サテ  3(2) ○澤登、○澤登、×澤登
     ユース 2(0) ×高野、△高野

犯OS数 サテ  1(−) ・北嶋
     ユース 4(−) ・渥美、・桑卓、・篠田
ファウル サテ  6(1) ・松下、・村松、・澤登、×松下、・澤登、・平岡
     ユース 5(0) ・小泉、・長沢、・克彦、・桑卓、・篠田、・篠田


▼試合結果

清水エスパルスユース 2−3 清水エスパルスサテライト
 得点:後半09分:サ・北嶋 秀朗 (鈴木 真司・左クロス)
    後半15分:ユ・長沢 駿 ※こぼれ球
    後半23分:ユ・篠田 悠輔 (長沢 駿 ・ショートパス)
    後半39分:サ・前田 高孝 (北嶋 秀朗・ポストプレー)
    後半43分:サ・北嶋 秀朗 (平松 康平・スルーパス)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●長沢 駿 (2年・FW)
 プロとの競り合いにも引けを取らないほど、プレーに力強さを増している。両足の技術も高く、その場で体を張ってキープする時、ワントラップで持ち出して捌く時、ダイレクトで叩く時の判断が良い。運動量豊富に前からプレスを掛けていた。

[私撰MIP]
●桑原 卓哉 (2年・左SB→左SH)
 サテライトで最も怖い対象だった平松との1対1は見物。時に強引に跳ね飛ばしてみせた。前田の突進進路を切り、財津のスピードにも対応。守備だけでなく、攻撃でも幅広く動き、足を活かしたドリブルと狙い所と精度の良い左足で、活躍した。

●佐野 克彦 (2年・CB→左SB)
 北嶋とのエアバトルで後手を踏むこともあったが、全般に積極的に前に出て弾き返す持ち味が出ていた。桑原卓や石垣、岩本との連携も良好。パワフルな左足を活かした大きな展開に、俊足を活かした攻め上がりと、攻撃面でも持ち味を発揮した。

[清水エスパルスサテライト] ※採点はドイツ・kicker方式 (1.0が最高〜6.0が最低)
3.5 山本 海人  失点はノーチャンス、だがビッグセーヴも出ず、可も不可もなし。具体的に指示を出す監督ぶりは健在。

3.5 財津 俊一郎 攻撃面は2.5、基本ができてない守備面は4.5。中に切れ込んだ時の方が怖さがあり、一列前の方が適性。
4.0 平岡 康裕  財津の基本のミスも、岩下の気を抜いたミスもないが、下の年代を相手にしながら落ち着きが足りない。
2.5 岩下 敬輔  パス出しで狙いすぎ、集中力を欠くミスが散見するほどの余裕。中央で力強く、サイドのカバーも的確。
4.0 鈴木 真司  盛んな上下運動とクロスは評価。小泉のドリブルも封印したが、プロではありえないパスミスが大減点。

2.0 平松 康平  途中運動量が落ちたが、観衆を魅せる超絶テクに力強さを増したドリブル、緩急のパスで2点に絡んだ。
5.0 沢登 正朗  心身共に鹿島戦で引退を納得したのだろう。プレースキックはらしさがあるが、全体に覇気がなかった。
4.0 村松 潤   攻守で無難なプレーに終始、プロとしての破格さがない。或いは試合前に戦力外が通告済みだったのか。
5.0 松下 晃太  前半はいないも同然。動きの質と量を磨いてパスをもらう努力をしなくては、プロでは生きていけない。

3.0 北嶋 秀朗  ポストでバックパスが多く、空中戦も完勝と言えないが、2得点。裏に出る動きの力強さが復調の気配。
4.0 前田 高孝  戦術的に洗練されてきたが、通用するのは前を向いてドリブルした局面だけ。それすら持ちすぎの傾向。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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