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2005年09月24日(土) 練習試合 U-15日本代表候補戦

05年09月24日 (土) 17:00開始 清水ナショナルトレーニングセンター J-STEP
 練習試合
 対 U-15日本代表候補 ※45分ハーフ
 天候:曇り

▼布陣
先発:                前半27分:              後半41分:
−−−−−−長沢−−町田−−−−−− −−−−−−長沢− 山崎竜 −−−−− −−−−−−長沢−−篠田−−−−−−

− 桑原卓 −−−−−−−−−小泉−− −−−−−−− 佐野諒 −−−−−−− −−−−−−− 山崎竜 −−−−−−−

−−−−− 佐野諒 −柴田−−−−−− − 桑原卓 −柴田−−高野−−小泉−− −−八木−−柴田−−高野−−谷野−−

− 佐野克 −石垣−−岩本−−高野−− −−− 佐野克 −石垣−−岩本−−−− −−− 佐野克 −石垣−−渥美−−−−

−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
交代:前半13分:町田 →山崎竜 (そのままFWに)
   後半12分:岩本 →渥美  (そのまま右CBに)
   後半23分:桑原卓→八木  (そのまま左WBに)
   後半29分:佐野諒→篠田  (山崎竜をOH、篠田をFWに)
   後半41分:小泉 →谷野  (そのまま右WBに)

U-15日本代表候補:
先発:                後半19分:
−−−−−−−− 新 −−−−−−−− −−−−−−−− 新 −−−−−−−−
−−−−端戸−−柿谷−−水沼−−−− −−−−端戸−−柿谷−−齋藤−−−−
−−−−−−山浦−−山田−−−−−− −−−−−−山浦−−山田−−−−−−
−−佐伯−−岡本−−甲斐−−山崎−− −−佐伯−−岡本−−横山−−水沼−−
−−−−−−−−廣永−−−−−−−− −−−−−−−−廣永−−−−−−−−
交代:後半23分:甲斐→横山 (そのままCBに)
        山崎→齋藤 (水沼を右SB、齋藤を右OHに)


▼試合展開

 立ち上がりから威勢よく攻めたのは代表。だが、清水は先輩らしく受け止めて跳ね返すと、3分に自陣から高野のFKをFW長沢が頭で裏に流し、左SH桑原卓が突っ込んで初シュート。更に5分、クサビを長沢がスルーしてFW町田がポストに入り、落としたボールを右SH小泉がドリブルで揺さぶってからスルーパスを送る。長沢のシュートは、GK廣永が先程と同様、素早く前に出て防いだ。だが、その直後の清水のスローイン、右SB高野が投げ入れたボールを長沢が右に捌き、スピードに乗った小泉が高速切り返しから右に開いて正確なクロス、長沢が丁寧に頭でファーに流し込み、清水が先制した。1−0。
 代表は長沢のポストとゴール前を、対地・対空の双方で潰せない。16分、CH柴田のカットから小泉のクサビを長沢がスルー、3人目の動きで右に流れた柴田が受け、上げたマイナスのクロスを長沢がスタンディングヘッド、当たりが良すぎてGK正面。しかし、流れは徐々に代表に。13分に今一つボールに絡めない町田を山崎竜に代えたのだが、動きの悪い選手に代わった選手が活躍するとは限らないのが、辛いところ。練習試合ではあるし、レギュラーに危機感を与える交代は必要なのだが…。結局、裏を狙う町田と違いポストプレーヤーの山崎竜は、ボールに絡むことは絡むのだが判断が遅く、運動量の多い山浦・山田の両ボランチに頻繁に囲まれ、反撃の起点を与えてしまった。

 起点のできた代表は、そこからのパスに対してトップ下の柿谷が、絶対的なキープ力を発揮。柿谷を信じる周囲の新・端戸・水沼は、猛烈な勢いで流動的にスペースに飛び込み、それに応えて柿谷も素早くパスを供給した。バイタルエリアを攻略されはじめた清水は27分、行徳監督の指示が飛び3バックに変更、高野を中盤の底に置く。清水のパフォーマンスのガイドライン=柴田は、前述16分の好機以来、完全に消えていた。だが、DFライン変更の直後、右CB岩本のクリアを右WB小泉がトラップミス。拾ったDH山田が中央に叩くと、柿谷が前のスペースに走りつつダイレクトでスルーパス、抜け出たFW新は、飛び出すGK山崎晃をよく見て、ゴールに流し込んだ。1−1。
 4−2−3−1に対する3バックの相性の悪さは、杉山茂樹に言われるまでもなく自明である。清水も3バックとはいえ、左WB桑原卓が低めに下がって対処。だが、右サイドは小泉が高く残るため相手にしばしばスピードに乗られ、岩本はそれと一人で対峙することになった。問題は、そのリスクを負ってまで抑えにいった柿谷を抑えきれないこと。29分、中央の柿谷が叩いてPA右角から右OH水沼がシュート、GK山崎晃が逸らしてCKに逃げる。更に35分、自陣に守備に戻った長沢のファウルから素早く再開した代表、上がった左SB佐伯のクロスを柿谷がPAでキープして戻すと、再びパスでPA内を狙って混戦。最後は裏にこぼれたボールに、いち早く反応した左OH端戸が押し込み、勢いに乗った代表が逆転に成功した。1−2。

 3歳年下にリードを許した清水は、ようやく負けじと積極的にプレスを掛けるようになるが、38分にDH山浦のフィードから佐伯が攻め上がり、左クロスに水沼のヘッドを許すなど、流れを取り戻せない。前半終了直前、カウンターで小泉が走り、スイッチした長沢が右へパスを送る。壮烈に攻め上がったCB石垣のクロスをPA内ファーで受けた長沢が倒れるが、笛はなし。前半を終えた。

[前半]
U-15代表      清水エスパルス
6(4) シュート 6(6) ○桑卓、○長沢、◎長沢、○長沢、○長沢、○長沢
5(0) 右クロス 5(4) ◎小泉、×柴田、○柴田、○岩本、○石垣
3(2) 左クロス 2(0) ×克彦、×桑卓
2(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 0(0)
2(−)  犯OS  0(−)
5(1) ファウル 1(1) ×石垣

[後半]
 ハーフタイムに行徳監督の檄が飛んだ清水だが、豊かな運動量で沸き上がるように後方から飛び出す代表に、バイタルエリアを好きに使われる構図は変わらないまま。6分、中盤右寄りから山田がクリアボールをダイレクトでアーリークロス、PA内ファーの柿谷がフリーでダイビングヘッドを撃つ。威力十分だが、わずかに右に外れた。それでも、対抗して運動量を上げてきた清水に対し、代表は10分を過ぎたあたりから消耗の色が見え始める。すると13分、石垣のカットを山崎竜がポストから反転、右前に流す。走り込んだ小泉は切り返しで挑むが抜けず、戻したボールを石垣がアーリークロス。これはファーに流れたが、フォローした桑原卓が足下深くにボールを保持する独特のドリブルで相手を振りきって、折り返しクロスを入れた。待ち受ける長沢、シュートを当て損ね、が上手いこと自分の足下に落ち、タイミングの外されたGKを見て、落ち着いて決めた。2−2。
 清水は得点の直前の12分に、相手のドリブルに走り負けることが多かった岩本を渥美に代えたのだが、動きの悪い選手に代わった選手が活躍するとは限らないのが、辛いところだ。元来、右SBの渥美は、清水の時間帯には適切に攻撃に絡んだが、18分に代表が選手を2人代えて運動量を補充すると、守備の脆さが出てしまう。右CBのところで相手のスピードを落とせないため、速度を上げた相手と向き合うようになった石垣にミスが出る。20分、石垣のクリアミスから柿谷にシュートを許すと、流れは再び代表へ。だが、行徳監督は更に桑原卓を八木に交代。前にフィルターのなくなった左CB佐野克にもミスが生まれだす。一方で八木は、桑原卓より高く位置して攻撃の起点になり、どちらが先に失点するか我慢比べの様相を見せ始めた。

 攻めるのは代表。24分、クリアを右SB水沼がダイレクトで凄まじいミドル、GK山崎晃がディフレクト。26分、石垣のクリアが弱く、オフサイド崩れで抜け出した柿谷が右の角度のないところからシュート、GK山崎晃キャッチ。27分、中央の柿谷が斜めに入れた浮き球のスルーパスに新が単身抜け出て、フリーでPA内右からシュート、これもGK山崎晃が立ちはだかった。更に30分、代表のゴールキックに八木と柿谷が競り合うが頭上を越え、拾ったのは右に開いた右OH齋藤。中央に返したボールに柿谷が走り込むが、八木がついていない。佐野克のカバーも間に合わず、飛び出したGK山崎晃の裏へ柿谷からのラストパス。新が無人のゴールにボールを送り出したが、石垣が奇跡のカバー、ゴールを割らせなかった。
 ピンチの後にはチャンスあり。32分、中盤で一人気を吐く高野が中央突破、マークを引き寄せてから右に大きくパス、何故かそこに流れていた八木が折り返す。長沢が頭で落としたボールに篠田が突っ込むが、あと少し間に合わない。33分、代表、サイドチェンジをカットした佐野克、完全に油断して背後から突っ込んできた齋藤にボールを奪われる。PA右角のやや内側の直前で、後ろから手を掛けて引き倒したが、練習試合でなければ一発退場だろう。壁は4枚。が、ニアの壁の頭上にゴールは見えていた。ボールを落とすまでもなく、FKを蹴った山浦にそこに一直線で叩き込まれ、遂に代表が突き放した。2−3。

 36分、篠田がCB岡本に対して上手く倒れ、PA左角から更に20Mほど左斜め後ろの位置でFKをもらう。八木の巻いてゴールに向かう速いボール、ファーの密集地から一番に離れた篠田、頭で叩き落とし、3−3。篠田は投げキッスで声援に応える (笑)。長沢・石垣ら長身選手に気を取られたのか、リードした気の緩みか、代表はえらく散漫な守備だった。
 こうなると流れは清水へ。44分、復帰戦となった右SH谷野のクロスを長沢が落とし、山崎竜がループ気味に狙うが、GKが微かに触れて枠上、右CKへ。谷野のキックはニアで跳ね返されるが、PA手前中央で高野が拾うとシュート性のクサビを入れる。PA右にいた山崎竜が角度のない位置から果敢に狙うも大きく左に外れ、試合終了。内容で完敗した清水は、FWの決定力で最低限の面目を保った。

U-15代表      清水エスパルス
11(9) シュート 8(3) ◎長沢、×長沢、×高野、×竜男、×小泉、◎篠田、○竜男、×竜男
4(1) 右クロス 7(2) ×岩本、×石垣、×渥美、×佐諒、○渥美、×八木、○谷野
7(0) 左クロス 7(2) ×克彦、◎桑卓、×八木、×八木、○八木、×克彦、×高野
2(0) 右側CK 2(0) ×小泉、×谷野
2(0) 左側CK 1(0) ×八木
3(−)  犯OS  1(−) ・篠田
6(2) ファウル 1(1) ×克彦

 一方のU-15日本代表候補。台風接近中の17時開始で非常に涼しく、選手個々のコンディションも良くて、運動量で圧倒したことが最大の勝因だろう。だが、ただ走るのではなく考えて走るチームで、ボール保持者を追い抜いてフリーでボールを受ける動きと、追い抜いた選手に少ないタッチでパスを出す意識が、徹底されていた。守備の際も積極的に前にプレスを掛けてボールを奪い、その勢いでボールは縦に当てて、自らも前のスペースに飛び出る。更に一つ一つのプレーが正確で速く、オートマティズムが徹底されていた。ただ、パス出しに関してはキープできる柿谷が絶対的で、彼をもっと露骨に潰されたらどうかという懸念はある。
 さて、前日のスルガカップでMVPに輝いた前田陽平。今回U-15代表から漏れたのは、前回選出時の怪我とチームの日程の都合もあろうが、この代表で居場所を探すのは大変そうだ。昨年、Jrユース3年に合流した際はシンプルなプレーで杉山和や田村の良さを引き出しており、そうしたプレーができないわけではないが、彼の特長はやはり変態的なまたぎフェイントと鋭いターンで狭いところを抜いていくこと。だが、この代表はパスと飛び出しのスピードでスペースを使って攻略する。このスタイルの違いを埋めるのは、なかなかに難儀である。


▼試合結果

清水エスパルスユース 3−3 U-15日本代表候補
 得点:前半05分:清水・長沢 駿 (小泉 慶治 ・右クロス)
    前半27分:U-15・新 裕太朗 (柿谷曜一朗・スルーパス)
    前半35分:U-15・端戸 仁 ※こぼれ球
    後半13分:清水・長沢 駿 (桑原 卓哉・左クロス)
    後半33分:U-15・山浦 公裕 ※フリーキック・直接
    後半36分:清水・篠田 悠輔 (八木 和秀・フリーキック)

▼選手寸評

[私撰MVP]
●長沢 駿 (2年・FW)
 さすがに170cm台の15歳相手なら、空中戦も譲らない。地上戦では、大きな体を有効利用して相手の届かないようにボールを置き、前線の起点となった。私の帰国後の3戦6得点と爆発しており、高いキープ力がゴール前での落ち着きを与えている。

[私撰MIP]
●山崎 晃太 (2年・GK)
 3失点目は壁の作り方に問題があったが (何故ニア側に背の低い選手を置くのか)、他は責任なし。瞬発力の高さを活かし、シュートやクロスに対して鋭い反応を見せた。こぼすことなく、確実にキャッチするか、正確にディフレクトしていた点も評価。

●高野 美臣 (3年・右SB→DH)
 右SBとしては確実な動き。DHでは最終ラインに吸収されてしまい、バイタルエリアを相手に明け渡したが、終盤に自ら中央突破を図って気を吐いた。正確で速いダイアゴナルフィードだけでなく、ドリブル突破にも鋭いところを見せていた。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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