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2004年09月24日(金) 高円宮杯 展望

 秋 田 遠 す ぎ 

清水エスパルスユース

東海地区第二代表、4年連続5回目 [静岡県] 監督代行・望月保次


 クラブ選手権の静岡県予選敗退、磐田相手の二度の大敗、突然の監督交代と、とにかく苦しんだイメージが強いが、磐田がクラブ選手権2位枠なので、出場枠は何気に2年連続で東海地区第一代表である (笑)。その割には、東海地区から随分遠く、秋田と鳥取に飛ばされてしまったが。公式戦ではホンダと磐田以外には負けてないが、その負けがあまりに痛恨で、負け方があまりに酷かった。
 苦戦の理由が、相次いだ怪我人にあることは明らかだ。主将のCH、エースFW、DFリーダー、正GKを全て欠いて勝てるユース年代のチームなど、そうはない。序盤は真希におんぶにだっこの状態で、U-19代表で彼を欠いたホンダ戦の完敗が、それを如実に物語る。それでも、昨年堅守を築いたJrユースを基調にして、最終ライン+池田の守備ブロックは徐々に安定。とはいえ、磐田には二度目の対戦でも、組織の急所を狡猾に突く凄みを見せつけられた。今年、完成されたチームと対戦した経験が磐田しかない (藤枝東や名古屋は、タレント揃いでも組織は奔放) のも、大いに不安なところだ。今回対戦する高校勢は、チームとして勝つスキルを持っている。
 攻撃面では、四中工戦後半や名古屋戦で見せつけたように、枝村・真希の二枚看板に悠輔らが絡む、ワンタッチパスと豊富な動き出しのダイナミズムは、感嘆に値しよう。だが、いかんせん、選手が揃わない。昨年に比べ、セットプレーやミドルシュートによるゴールが減少しており、枝村不在を痛感させられる。3年生となった真司・岡村が揃う左を中心に、サイド攻撃で補いたい。今年初めてとなる遠征・合宿しながらの公式戦であり、主将の枝村には、ピッチ外でのキャプテンシーも求められる。

 1次ラウンドで同じ組に入ったのは、東北第一代表の青森山田高校、関東第一代表の桐蔭高校、九州第六代表の東福岡高校。清水も含めて、どのチームも夏の大会で結果を残せず (青森山田高が唯一全国大会出場も2回戦敗退、他は地域予選敗退)、実力的には似たり寄ったりだろう。むしろ、枝村の出場が危ぶまれる清水が、一歩劣ると見るべきか。プレッシャーの掛かる全国大会で、下級生中心のチームから主将が抜ける影響は、殊の外大きい。
 近年、積極的に県外選手を受け入れ、FW小澤 (U-16代表) ・MF小寺・DF橋本らのタレントを抱える、地元?青森山田。その小澤とブラジル人留学生FWレオナルドが組む2トップは、上背こそないがスピード抜群。激戦区関東の王者・桐蔭は、DF小川・森やボランチ木宮・大蔵らを中心に守備が洗練されており、ソリッドに勝ち抜ける力を持っている。永瀬・鈴木謙ら、運動量豊富な小兵FWにも注意が必要。去年、8強で清水を下した東福岡は、そのスタメンからMF野内、DF近藤・砂田、GK坂本が残っている。主将の長身CB近藤を軸に、春のFBS杯では市立船橋相手に熱戦を繰り広げて準優勝となったが、プリンス九州は11試合22失点。伝統の4−1−4−1の「臍」となる6番…ボランチに、課題を抱えている様子だ。


■選手名簿
別記参照方。


■基本フォーメーション
ベストメンバー:           枝村・高野美抜き(A):       枝村・高野美抜き(B):

−−−−−−−−石垣−−−−−−−− −−−−− 鈴木真 −石垣−−−−−− −−−−− 鈴木真 −石垣−−−−−−

− 鈴木真 −− 山本真 −−−上埜−− −−岡村−−−−−−−−−−上埜−− − 桑原卓 −−−−−−−− 山本真 −

−−−−−−枝村−−池田−−−−−− −−−−− 山本真 −池田−−−−−− −−−−−−上埜−−池田−−−−−−

− 桑原卓−佐野克 −村越− 高野美 − − 桑原卓−佐野克 −村越− 桑原彬 − − 佐野克 −岩本−−村越− 桑原彬 −

−−−−−−−−前田−−−−−−−− −−−−−−−−前田−−−−−−−− −−−−−−−−前田−−−−−−−−

 築館監督から望月監督代行に代わり、大きく変わったのが2年生の積極的なコンバート。昔から、二種初体験の1年生と最終学年を迎える3年生を最も得意とするポジションで起用しつつ、2年生は様々なポジションで試し、プレーの幅を広げさせてきた実績がある。
 春先から怪我人が続いた今年のチームだが、今大会も9月12日のサテライト京都戦で枝村が負傷、出場が微妙な状態。代えの効かない二枚看板の一人なだけに、影響は大きい。定位置を掴んだ池田との相性を考えると、代役はゲームメイクに長けた上埜か。だが、圧倒的なキープ力を誇る枝村は、相手のショートカウンターを許さないという意味で、守備面でも貢献度は大きい。上埜がCHに入ると、両サイド共に突貫型になるリスクもあり、真希をCHに戻したり (上記A)、最終ラインも含めた大転換 (上記B) も考えられる。B案の方が、より守備的だ。両サイドは、左に真司と岡村、右に小泉と柴田と、スピードタイプが2人ずつ控えるだけに、交代が勝敗の鍵を握るだろう。
 枝村不在が影響してなかなかまとまらない中盤と違い、前線と最終ラインは充実している。FWは怪物真希を軸に、高さの石垣、速さの真司、決定力の悠輔、ポストプレーの長沢らが候補。「高さ」以外の全ての要素を高レベルで備える真希との組み合わせでは、同期の石垣が第一選択か。真希抜きでも、様々な組み合わせが可能だ。日本人離れしたゴールセンスを持つ悠輔は、「2年生コンバート方針」のため、今年はサイドハーフで試されることが多い。最終ラインも村越を軸にほぼ固定。怪我の美臣の代役は、この夏は桑原彬が多くの出場機会を得たが、渥美も甲乙付けがたい。半年近く試合から離れていた大型GK前田も復帰、勘を取り戻しつつあり、上記Bのオプションも試されるなど、完成度は高まっている。


■注目選手
●山本 真希  1987.08,24生 [176cm/67kg]
 二枚看板の一人。昨年、国見の中村相手に奮戦した怪物が、進化を遂げて本大会に戻ってきた。今年は、攻撃的なポジションでの起用になりそう。量と質を兼ね揃えた精力的な動きで試合に刺激を与え、弾むようなドリブルからの豪快、だが正確なシュートがハイライト。

●池田 康彦  1988.09.15生 [169cm/60kg]
 1年生からチームのヘソに位置する、清水のマケレレ。枝村・真希・真司らの奔放な動きにも、チームの重心を見失わない知性の持ち主。しかし、巨漢FWの突進を正面から受け止める、勇気の持ち主でもある。ボールを奪いながらのスルーパスは、先輩の浩太を思わせる。

●村越 大三  1986.05.15生 [177cm/70kg]
 1年生の佐野・岩本、2年生の石垣・美臣らがサテライトに呼ばれる一方で、村越の練習試合出場はゼロ。正直、昇格は厳しい。だが、だからこそ、3年生村越の勇姿に期待したいのだ。最近少なくなった、気持ちで戦い、味方を引っ張ることのできるDFリーダー。


■チームプロフィール
 別記参照方。


■出場までの軌跡
04月05日:△0−0 浜名高校 (三重) 得点:
04月24日:○2−0 暁高校  (三重) 得点:山本、高野一
04月29日:△0−0 藤枝東高校(静岡) 得点:
05月08日:○4−0 東邦高校 (愛知) 得点:山本2、OG、鈴木
06月12日:△1−1 四中工高校(三重) 得点:篠田
06月26日:○4−2 グランパス(愛知) 得点:山本2、石垣、町田
07月03日:●0−5 ジュビロ (静岡) 得点:
07月10日:○7−0 岐阜工業高(岐阜) 得点:篠田3、柴田、山本、町田、岡村
07月17日:○3−1 静岡学園高(静岡) 得点:枝村、山本2


■試合日程
09月25日(土) 11:00 1次ラウンド 桐蔭学園高校 西目サッカー場
09月26日(日) 11:00 1次ラウンド 東福岡高校  西目サッカー場
10月02日(土) 13:15 1次ラウンド 青森山田高校 米子東山陸上競技場
10月04日(月) 16:30 決勝ラウンド 準々決勝   埼玉スタジアム第2G(19:00 鳥取バードスタジアム)
10月09日(土) 12:00 決勝ラウンド 準 決 勝   国立霞ヶ丘競技場  (14:30 同競技場)
10月11日(月) 13:00 決勝ラウンド 決  勝   埼玉スタジアム2002


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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