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2004年05月08日(土) プリンス東海 東邦高校戦

04年5月8日 (土) 14:15開始 トヨタスポーツセンター第2グラウンド
 JFAプリンスリーグU-18 東海 2004 第4節
 対 東邦高校 ※45分ハーフ
 天候:晴れ

▼布陣
先発:                終了直前:

−−−−− 鈴木真 −町田−−−−−− −−−−− 鈴木真 −長沢−−−−−−

−−岡村−−−−−−−−− 高野一 − − 桑原卓 −−−−−−−−−小泉−−

−−−−− 山本真 −池田−−−−−− −−−−− 山本真 −池田−−−−−−

− 桑原卓 −岩本−−石垣−−渥美−− − 高野美 −岩本−−石垣−−谷野−−

−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−−

控え:山崎晃、佐野、高野美、桑原彬、神田、谷野、柴田、小泉、長沢、山崎竜
交代:後半09分:渥美 →谷野  (そのまま右SBに)
        岡村 →高野美 (桑原卓を左SH、高野美を左SBに)
   後半21分:高野一→小泉  (そのまま右SHに)
   後半29分:町田 →長沢  (そのままFWに)

東邦高校:

−−−−−−11−−09−−−−−−

−−10−−−−−−−−−−07−−

−−−−−−08−−北川−−−−−−

−−柴山−−02−−03−−04−− 交代:後半00分:08→16、09→20
                      後半26分:柴山→14 (04を左SB、14を右SBに)
−−−−−−−−01−−−−−−−−    後半36分:北川→川野


▼試合展開

 未だ扁桃腺が腫れまくり、熱も下がりきらない筆者だが、前半最終戦になる東邦戦の重要性を考えて、強行遠征。前節、暁を5−0で一蹴し勢いに乗る東邦は、油断ならぬ相手である。清水はGWを挟んで何人か怪我人が復帰するかとも思われたが、比較的軽傷だった長沢・小泉がベンチに復帰した他は、変化なし。前田−村越−枝村−悠輔の縦ラインを欠いたまま、プリンス東海前半戦を締めくくる。前節、上埜が退場で出場停止となったが、彼が藤枝東戦で務めた右SBには渥美が大会初先発、最終ラインは2年の石垣を除いて昨年Jrユースメンバーで構成する。今日も3年生3人、2年生3人、1年生5人と実に若い顔ぶれとなった。ベンチは更に若いけど。

[前半]
 開始1分、清水のロングボールに反応したDFのこぼれを、すぐ近くの町田がワンタッチで巧く奪って右に捌き、右SH一也が縦に突破、PA直前で小さく中に折り返したボールに町田が突っ込んだが、ブロックされた。序盤の好機で清水が流れに乗ると思われたが、東邦も7分、スローインを受けた左SH7番がPA内外側を横切りながらシュート、当たり損ね。9分には、5番の右CKをほぼ中央で2番が高い打点のヘッドでファーを狙ったが、ゴール内にカバーに入ってた岡村?が掻き出す。すると14分、右に張った一也が中央にパスを戻し、真希がスルー、池田が更に左に展開しようとしたボールを途中で7番がカット、桑卓も必死に体を入れるがドリブルで運ばれ、右45度からシュートに持ち込まれるも、これはGK風間の正面で救われる。
 東邦は左右SHの7番と10番が非常に強力で、1年生SBの桑卓と渥美を完全に押し込んだ。特に桑卓はプリンス東海序盤戦、攻守にソツなく貢献した隠れたMVPだったのだが、この試合では安易に片方の足のコースを切り、読みを外して逆を抜かれる場面を露呈、別人 (というか、左SBの経験が浅かった1年前) のようだった。東邦は7番・10番以外のプレッシャーも実に速く、例によってFW+両SHがドリブラーのために位置が高くなりがちな清水は、SBが押し込まれて最終ラインも下がり気味なため、自慢のボランチ2枚が数的不利に陥って真価を発揮できなかった。全く、毎回同じような展開で危機に陥るのは、困ったものである。
 清水は22分、真希が左に捌いたボールを45度から、桑卓が当たり損ねて緩くなった30Mミドルを放ったのが、初シュート (シュートに含めるのなら) 。その間にも、22分に早いタイミングで放った弱いシュートを風間に読まれて台無しにしてしまったものの、PA直前正面からのFKを得たり、23分の11番のシュートに対する石垣のブロックは、PA内ハンドを採られかねないものだったり、清水にとって危うい場面が続く。それでも30分を前後して東邦のプレスは弱まっていき、石垣の強さと岩本の読みにPA手前で跳ね返される東邦は、確度の低いミドルシュートを連発するようになる。このあたり、高校勢に共通するパターンなのだろうか?

 主導権を握り始めた清水は、FW真司が中盤に下がって溜めを作り、そのスペースに岡村が飛び込むパターンで、徐々に形を作っていく。本来なら真司は足の速さを活かして裏に飛び出したいところだが、相方の町田と特徴が重なるため、真司の方が譲った格好だ。前線に流動性が生まれれば、そのスペースにボランチが飛び出す動きも増える。39分、岡村が速度の緩急をつけてマークを引き剥がし、左クロス。これはDFが跳ね返すが、PA手前の池田がダイレクトで右に捌く。そこに同期の渥美が促されるように攻め上がり、得意の右アーリークロス。これもDFが跳ね返すが、PA手前の池田がダイレクトで縦にスルーパスを送る。そこに同期の町田が促されるように裏へ抜け出すが、惜しくもオフサイドに引っ掛かった。
 ボールが回るようになると、息切れした東邦を展開力と判断の速さで押し込む。すると43分、ボールを回して一旦、左に開いた桑卓が受けて、すぐに中央の真希へ。と、正に一閃。左60度・距離35Mほどあった位置で、左足でトラップした真希は右足に持ち直すと、プレスが弱まったのを見て、その右足を振るう。すると、まさしく弾丸となったミドルが一直線にゴール右・ファーサイドネットに突き刺さったのだ。1−0。右手を突き上げる真希の姿が、そこにはあった。続く44分、再び清水のボール回しを経て、右から来たボールをPA手前で、池田がダイレクトで左へ斜めに捌く。裏に抜け出した岡村が追いついて左クロスを入れると、ニアにDFと町田が重なったが、ボールはネットに収まっていた。2−0。恐らくはオウンゴール。更に45分、右サイドのスローインを受けた町田が自らドリブルで持ち込み、急停止から小さく斜めに戻す。そこに一也が突っ込んだ決定機は、シュートミスで大きく枠を外した。
 本当に、トップの浦和戦4得点逆転劇を見るような終盤の叩き込むような得点場面。35分間攻め続けていた東邦としては、0−2というスコアは信じられないものだろう。清水は大会無失点。個人能力の差で2点差を付けた清水が、かなり有利に前半を折り返した。

東邦高校     清水エスパルス
8(4) シュート 3(2) ○桑卓、◎真希、×一也
3(0) 右クロス 3(1) ○一也、×渥美、×渥美
4(0) 左クロス 2(0) ×岡村、×岡村
1(1) 右側CK 1(0) ×岡村
0(0) 左側CK 1(0) ×池田
3(−)  犯OS  2(−) ・真司、・真司
8(0) ファウル 5(1) ・真希、・岡村、×真希、・真司、・岩本

[後半]
 2分、ロングボールをDFが競り落としたボールを近くの真司が拾い、反転して背中でスクリーンして溜めると、右へ展開。一也が上がってきて右クロスは町田に合わなかったものの、ファーで岡村が追い掛けてフォローし、戻したボールをPA手前左45度から池田がミドルを放ったが、僅かに右上に外れた。とはいえ後半、厚みのある清水の攻撃は、これぐらいのもの。試合内容を反映しない2−0というスコアだが、それは事実である。試合状況を考えたプレーは、望月強化育成副本部長が、常に強調するところ。何も無理する必要はない。ボランチとSBが攻め上がりを自重し、前線の選手だけで攻め切ることを目指す。例えば12分、中盤から真希のダイアゴナルフィードに一也が飛び出し、低い右クロスをPA内ファー奥で町田が合わせた。枠上に外れたが、たった2本のパスでシュートまで持ち込んでいる。
 9分、岡村・渥美に代えて美臣・谷野を入れたが、これはあまり機能しなかった。2−0という展開で途中投入された選手は、やはり自らも攻撃で結果を出したいものだが、前半から鋭い突破を見せる相手7番・10番は継続して健在、その応対を求められ、なかなか前に出ることができなかった。それがなくても、試合途中に最終ラインをいじくるのは難しいもの。14分 (相手から見て右) 、16分 (右) 、19分 (左) と、交代選手が試合の流れと周囲との連携を掴む前に、PA横のスペースでファウルを犯し、FKを与えるピンチを迎える。更に14分には美臣がセットされたボールを蹴って、19分には一也がリスタートの際に9.15M内に侵入してボールをブロックして、それぞれ警告をもらってしまう。FK自体はGK風間が問題なくクリアしたが、嫌な雰囲気が漂う。


(14分の場面では、ファーの石垣の裏で2番が頭を合わせたが、さすがにゴール方向へとボールは飛ばず)

 21分には、一也に代えて怪我明けの小泉を投入。そんな時間帯での一瞬の隙からだった。
 左サイドのスローインからの展開。PA手前10M程で後ろ向きに立ち、ポストに入った町田が自らの背後にスルーパス。左から走り込んできた真司が右足トラップから、斜めにドリブルするスピードを落とさないまま、左足シュート。ダービーでの太田のような、力を抜いたシュートが綺麗な軌跡を描き、ゴールファーサイドに吸い込まれた。3−0。
 29分、町田に代えて、これも怪我明けの長沢を投入。格好のターゲットを得た清水は、長沢の足下に入れてサイドに捌くオーソドックスなサッカーを展開する。こうしたサッカーは流動性には欠けるが、清水側の守備ブロックがズレることがなく、変な奪われ方をしても人数を揃えて守ることが出来る。そうした中、左に流れた真希から長沢の足下にクサビ、長沢は後ろ向きのまま反転しつつ、右に捌いたが、その際に長沢の背中を腕で押した東邦2番のファウルが採られ、PA左角直前5M程の絶好の位置で、直接FKの好機を掴む。ボールをセットした真希、壁を確認して、右足インパクト。最短距離のゴールニア左上角まで一直線に、正確なキックで再び弾丸ライナーを叩き込み、試合に駄目を押した。4−0。


(29分、真希の直接FK。壁の甘い作り方を突いたコントロールショットだが、威力も十分以上)

 完全に試合を決めた清水は、長沢のポストから左右中央の裏へと選手を走らせるサッカーを続ける。最終ラインの4枚とボランチの2枚が、適切な距離を保って基本ポジションを忠実にとり、東邦の攻撃をミドル程度しか許さなかった。後半45分の間、巧みに試合を「殺し」、クロージングした清水が、そのまま勝利。プリンス東海前半戦は2勝2分の勝点8と、筆者が大会前「できれば」と言っていたノルマを、無失点のおまけつきでクリアした。あとは、怪我人の帰ってくる後半戦に賭けたい。なお、この試合で警告を受けた石垣は次節、出場停止。村越は帰ってこれるのか、それとも佐野と共に昨年Jrユースの最終ラインが、早くもユースで誕生するのか。

東邦高校     清水エスパルス
6(1) シュート 5(2) ×池田、×町田、×町田、◎真司、◎真希
5(0) 右クロス 3(1) ×一也、○一也、×谷野
1(0) 左クロス 1(1) ○美臣
1(0) 右側CK 0(0)
1(0) 左側CK 0(0)
1(−)  犯OS  6(−) ・町田、・町田、・真司、・美臣、・長沢、・桑卓
8(1) ファウル 8(4) ×桑卓、×桑卓、×美臣、×石垣、・真希、・小泉、・池田、・小泉


(試合を終えて整列した選手達。左から池田、桑卓、美臣、岩本、石垣、風間、谷野、小泉、真希、長沢、真司。長沢デカすぎ。遠近狂うよ)


▼試合結果

清水エスパルスユース 4−0 東邦高校
 得点:前半43分:清水・山本 真希 (桑原 卓哉・ショートパス)
    前半44分:清水・オウンゴール
    後半23分:清水・鈴木 真司 (町田 朋弥・スルーパス)
    後半32分:清水・山本 真希
 警告:前半27分:東邦・03番  (遅延行為)
    前半33分:清水・石垣 勝矢 (ラフプレー)
    後半14分:清水・高野 美臣 (遅延行為)
    後半18分:清水・高野 一也 (距離不足)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●山本 真希 (2年・CH)
 前半30分までは普通のデキだったが、それ以降、プレスが弱まってからは別格の存在感。キックの種類が豊富になり、浩太や枝村を思わせる変化をつけられるようになってきた。それでいて、本来の正確なインパクトからの威力ある直球に陰りなく、特に2得点のキックは特等品。90分衰えぬ運動量といい、1年以内にトップに上がってもおかしくない。

[私撰MIP]
●池田 康彦 (1年・CH)
 単純にボランチと見れば、真希より上の部分も多々あり、特に判断速度と展開力は既に浩太を思わせる。それでも、実はまだ選手の特徴を掴み切れておらず、同期以外の選手へのパスに僅かなズレが見られた。これが解消されれば、更に一つ上のプレーを見せてくれるはずだ。課題はオン・ザ・ボールでの強引さ、ひいては全体的なパワー不足。

●岩本 大 (1年・CB)
 集中している時の岩本は、本当に凄い。不安定な桑卓サイドをタッチ際までカバーしつつ、PAの前で絶対の1対1で鉄壁を築いた。石垣も遜色ない内容だったが、鋭い読みで時に余り、時にオフサイドトラップ、時にマークの前に出てカットと、1対1だけに留まらなかった岩本を上手に置いた。
 しかし、プリンス東海のMVP・MIP、真希・池田・岩本ばっかり。他の選手の奮起も望む。


--
04年5月8日 (土) 12:00開始 トヨタスポーツセンター
 JFAプリンスリーグU-18 東海 2004 第4節
 暁高校 対 名古屋グランパスエイトユース ※45分ハーフ

暁高校:                 名古屋グランパスエイトユース:
−−−−−−諸戸−−石川−−−−−−   −−−−−−上原−−上村−−−−−−
−−鈴木−−−−−−−−−− 谷 −−   −−永芳−−−−高橋−−−−根津−−
−−−−−−山中−−高橋−−−−−−   −−−−−−青山−−稲垣−−−−−−
−−13−−市野−−粂内−−内山−−   −−−−小寺−−後藤−−吉田−−−−
−−−−−−−−太田−−−−−−−−   −−−−−−−− 森 −−−−−−−−
交代:後半20分:鈴木→飯田        交代:前半44分:稲垣→福島
   後半38分:高橋→谷            後半00分:上原→久保
   後半42分:内山→05           後半20分:永芳→新川
                        後半38分:久保→酒井

前半10分、ロビングでのロングボール、抜け出した上村がGKと1対1に。前に出すぎたGKを越えるループ、0−1
後半29分、高橋の右CK、ニアに緩く巻くボールを単純に「高さで」勝った小寺がヘッド、ファーに決める。0−2
後半41分、クリアミスを拾った新川が、一人交わして中央から左に開きながらドリブルし、左45度からミドル。0−3
後半42分、新川のスルーパスで簡単に裏をとった酒井が、PA手前からあっさりゴールを決める。0−4

暁高校 0−4 名古屋グランパスエイトユース

暁高校            名古屋グランパスエイトユース
4(0)/0(0) シュート 5(3)/12(6)
4(0)/2(1) 右クロス 1(0)/3(1)
0(0)/1(0) 左クロス 5(2)/8(2)
0(0)/0(0) 右側CK 4(1)/3(0)
0(0)/0(0) 左側CK 0(0)/3(2)
0(−)/0(−)  犯OS  2(−)/1(−)
4(1)/4(0) ファウル 11(1)/11(3)
 ※内側が前半/外側が後半の数字

[個人的好印象選手]
 吉田 麻也 (名古屋・1年) : 185近い長身を活かして絶対の高さを誇りつつ、足下も柔らかい、完成度の高い選手。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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