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2004年03月27日(土) 清水高校親善 草津東高校戦

04年3月27日10:45開始 鈴与三保グラウンド(エスパルス育成グラウンド)
 第31回全国高校サッカー親善試合(清水) 前期リーグFブロック
 対 草津東高校 ※30分ハーフ
 天候:晴れ

▼布陣
先発:

−−−−−−町田− 篠田悠 −−−−−

−−岡村−−−−−−−−−−柴田−−

−−−−−−上埜−−谷野−−−−−−

− 高野美 −村越−−石垣−−渥美−−

−−−−−−−−風間−−−−−−−−

交代:なし

草津東高校:

−−−−−−09−−26−−−−−−

−−−−08−−13−−10−−−−

−−−−−−−−07−−−−−−−−

−−30−−04−−02−−27−−

−−−−−−−−01−−−−−−−−

交代:後半00分:04→15、13→34、09→26、後半25分:26→12、後半??分:??→16


▼試合展開

 試合前のアップには、スタメン組+第2試合スタメン組+真司・真希・八木が参加していた。その第1試合のスタメン組は、上級生を中心としたチームで、この日、第2試合も含めた先発18人の中では、ベストと言えるかもしれない。前回の対戦では、追い風の前半に一方的に攻めて2点を先行した草津東が、後半の清水の攻勢を凌いで、2−0で勝利。清水にとっては敗戦以上に、枝村・真希の負傷が痛すぎた試合だった。悠輔も退場になるし。
 その枝村と真希が未だ復帰しないせいもあって、清水は前回の先発から柴田・石垣・村越・町田の4人を残して、入れ替わることになった。一方の草津東は、メンバーもシステムも大きく異なる。恐らく、背番号も前回の対戦から変わった選手がいると思う。ちなみに両チームOBのブンちゃんと前田は、この対戦が終わった後に姿を見せていた(笑)。ま、サテの練習があったんだから、仕方ないんだけど。

[前半]
 序盤は探り合い。5分に草津東7番の右CKから、GK風間がカブって混戦になる危局もあったが、最初のシュートは清水。12分、左外に開きながらドリブルした岡村が後ろに戻すと、美臣が中央へと横に叩き、谷野がクサビを入れる。それを悠輔がトラップから3歩のダッシュで横にスライドしてコースを作り、左隅を狙ってミドルを放ったが、GKがキャッチする。草津東も直後の14分、左MF8番から、最終ラインの前へ一瞬戻ったFW9番にパス。これに石垣が釣られた隙に、8番をマークしていた渥美の裏にパスを出し、そこへFW26番が流れると、今度は石垣の裏に横パスを送る。そこにトップ下の13番が走り込んでシュートを放ったが、GK風間のセーヴが救った。
 20分の草津東、中に絞った岡村のドリブルを7番がカットし、カウンター。一気に複数の選手がスピードアップ、右に振って10番から縦パスが出る。この時、清水は左SH岡村がトップ下の位置に絞り、岡村のスペースに左SB美臣が攻め上がっていたが、その左SBのスペースを誰も埋めていなかった。そこへ出した縦パスに走り込んだ13番、フリーでPA内に侵入し、小さく中に戻したボールを、FW9番がキッチリ決めて、草津東が先制する。0−1。14分の被決定機同様、上がったSBの裏を突かれた形だが、カウンターになった分、よりスペースが大きく空いていた。

 清水もこれで漸く目が覚める。CHの谷野・上埜が共に競り合いの強さを示し、守備では高い位置で奪えるようになり、攻撃では預け所になって、最終ラインの押し上げを導く。前線で核となったのはFW悠輔。22分、スローインを石垣→谷野と繋いで入れたクサビを上手く処理した悠輔が、PA直前中央でFKを奪う。岡村の直接FKは枠上に外れたが、続けて25分、悠輔とのワンツーで左サイドからPA内に突入した岡村は跳ね返されるも、左SB美臣がフォロー。それを拾ってサイドチェンジすると、受けた右SBの渥美が思い切ってミドルを放つ(右外)。
 途中、ハイボールを村越が競り合ったコボレから、美臣の裏に26番に走り込まれてシュートを撃たれる場面もあったが、これをGK風間のセーブで防ぐと29分。中盤で受けた悠輔が25M余りをドリブルで一気に突破し、最終ラインに突っ込みながら右に叩く。柴田が右クロスを入れると、ファーの岡村が頭で落としたところ、走り込んだ谷野がボレー。が、GK反応したボールがなおも吸い込まれようとするのを、DFが弾き出した。ロスタイムにも、中盤へ受けに戻った悠輔がファウルを受け、35M程の距離からFK。上埜のボールをPA内で両軍が競り合ったボールが裏にこぼれると、これも谷野がボレー。が、逆に距離がなかったせいか、枠上に打ち上げてしまい、結局、0−1で折り返すこととなった。

草津東高      清水エスパルス
5(4) シュート 6(3) ○悠輔、○美臣、×岡村、×悠輔、×渥美、○谷野
1(1) 右クロス 3(0) ×柴田、×悠輔、×柴田
0(0) 左クロス 1(0) ×美臣
0(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  1(−) ・悠輔
4(1) ファウル 3(1) ・渥美、・美臣、×岡村

[後半]
 後半、3人を入れ替えてきた草津東に対し、清水は連戦となる南宇和戦とメンバーを総入替する考えのようで、交代はなし。だが、勢いは前半から落ちず、2分に岡村のドリブルシュートがゴールを襲うと、3分には岡村の左CKから、味方の町田の背中を借りて跳んだ悠輔が、高い打点でヘッドを放つが、共にGKに阻まれる。


(肩乗りヘディングショット! 体勢を崩さない町田もさすがだ)

 すると草津東、6分、相手陣内で仕掛けた右SB渥美を潰して、カウンター。最初のクサビの浮いたボールは、谷野が空中戦で11番?に競り勝って潰したが、コボレを代わって34番が拾い、縦へ。FW26番が左に叩くと、攻め上がった渥美のスペースに、左SHの8番が走り込む。そのままPA内に切れ込んで石垣を引きつけると、小さく戻して左45度から再び26番。フリーのシュートが外れるはずもなく、草津東に追加点を得る。0−2。草津東カウンターの反復練習を見るように、左右や経緯は違えど、1失点目と同じくSBの裏を狙われた形であった。
 攻めるしかない清水は、8分、最後尾の村越から左に開いた美臣、中に絞った岡村と、綺麗に斜めのパスが2本繋がり、岡村が回転を掛けたテクニカルな浮き球スルーパス。それに反応したのが、それまで眠っていたFWの町田。だが、まだ寝ぼけていたのか、フリーでのシュートは枠上に外れてしまう(後方からのパスをボレーで狙う、難度の高いシュートではあるが)。しかし、町田の場合、決定機を外して気落ちするタイプではない。ポストプレーなどで徐々に存在を明らかにしていくと、13分、左サイド高い位置から町田が悠輔とのワンツーで抜け出しつつ、一気に右へと大きく振る。柴田がタッチライン際でトラップ、ドリブル開始。ニアに走る悠輔が、スッとDFの前のスペースで受けに戻る。それに惑わされたか、柴田の右クロスに対し、もう一人、ファーで併走していた町田が裏に抜け、フリーでボレー。が、GK。が、自らそれを押し込み、反撃の口火を切る。1−2。
 その後も高い位置からのプレスを起点に、清水がボールを支配し続け、15分には悠輔が岡村との30M余りの長いワンツーで快速を披瀝、最後はPA内で倒されたが、判定はノーファウル。一方の草津東は18分、大きな縦パスがPA内左に入り、GK風間が飛び出す。先にボールに追いついた11番の足下に、風間が飛び込む格好になり、両名は交錯。11番はボールごと足を、飛び込んだ風間から強引に引き剥がす。風間は痛んで動けないが、反則の笛は鳴らず。後は11番がゴール中央に戻したボールを、26番が悠々とゴールに放り込み、草津東は早々に反撃の火を消し去った。1−3。審判の判定とか、風間の飛び出しの質とかも問題だが、個人的にゴールした26番がPA内でフリーだったのが、大きな問題だと考える。攻めでは数的有利の相手を崩す練習、守りでは数的不利で守る練習でもしていたと言うのだろうか?

 痛んだ風間に2、3分の治療が必要になったが、なんとか無事に再開。22分、渥美が仕掛けてファウルを誘い、PA右横の位置からFKを得る。上埜のキックをファーで石垣が競り落とすと混戦。悠輔が巧みにリフティングを混ぜながら粘り、後ろに戻して岡村がミドル。これはブロックされたが、リバウンドを岡村が拾って左に流すと、美臣が攻め上がりながら悠輔に当てて、パス&ゴー。が、悠輔は強引に反転、即、ループシュート。枠上に外れる。直後にも悠輔は右サイドからカットインしてシュートを放つなど(枠外)、今までにない強引なシュートへの持ち込み方を見せるが、焦りと難度の問題で決まれない。
 結局、ロスタイムの31分、草津東、再び大きな縦パスがPA内右に入るが、今度は石垣が先に反応。石垣はDFを体でスクリーンしてGK風間にボールを処理させようとしたが、意思疎通を欠いて抑えきれず、先に12番がボールに反応。風間が中途半端に飛び出した体裁になり、12番の戻したボールに風間も触れるが、結局、ゴール正面の16番に繋がってしまう。しかも、彼は何故かフリー。無人のゴールに、わざわざループシュートで決める余裕を見せ、ダメを押した。1−4。
 この試合、盛んに前の選手を追い越す動きが見られたが、後ろに残したスペースを埋める動きに全く欠けていた。優位に試合を進めながら、効率性=組織力で大きな差を露呈したわけだが、組織の問題だけでなく、味方のピンチには必死に戻る、そういった精神面でも差があったと感じられた。

草津東高      清水エスパルス
4(4) シュート 8(4) ○岡村、○悠輔、×町田、×悠輔、○町田、◎町田、×悠輔、×悠輔
1(0) 右クロス 8(1) ×柴田、×渥美、×悠輔、◎柴田、×渥美、×柴田、×岡村、×谷野
0(0) 左クロス 4(0) ×岡村、×岡村、×岡村、×谷野
0(0) 右側CK 3(2) ○岡村、○岡村、×岡村
0(0) 左側CK 1(0) △谷野
3(−)  犯OS  2(−) ・村越、・柴田
3(1) ファウル 1(0) ・上埜


▼試合結果

清水エスパルスユース 1−4 草津東高校
 得点:前半20分:草津・09番 (13番 ・ショートパス)
    後半06分:草津・26番 (08番 ・ショートパス)
    後半13分:清水・町田朋弥(柴田和也・右クロス)
    後半18分:草津・26番 (11番 ・ショートパス)
    後半31分:草津・16番 (12番 ・ショートパス)


▼選手寸評

[私撰MVP] 谷野由紘
 福山時代はFWだったはずだが、真希並の質量共に優れた動きで、CHとして攻守に貢献。全体にスペースマーキングの意識が希薄な中、攻め上がったSBのスペースを忠実に埋める動きが目立った。特筆すべきは競り合いで、数人に囲まれながら引き剥がすような強さを見せ、中盤支配の優勢に大きく貢献した。

[私撰MIP] 篠田悠輔
 ゴールには嫌われたが、頻繁に中盤に下がって2ndFWの役割をこなす、プレーの幅の広さを見せた。他にもPA内の混戦の中では絶対に奪われないテクニックと、要所を締める精神力を見せ、後半にはトラップからのターン、強引な突破などシュートに至るまでの持ち技の豊富さも示した。

[NEW COMER] 渥美直人
 右SHの柴田はサイドに張るタイプのため、攻撃時に動きが重なる場面が多かった。守備でもサイドスペースを盛んに突く相手に対し、石垣とのアプローチ&カバーの連携で、難を見せる。だが、166cmの身長に関係なく、難なく空中戦に競り勝つなど、個人の資質の高さは示していた。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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