えすぱっ子
清水エスパルスユース紹介サイト

2004年02月28日(土) 中日本スーパーリーグ U-18 藤枝東高校戦

04年2月28日10:00開始 清水ナショナルトレーニングセンター J-STEP
 中日本ユースサッカースーパーリーグ 第7回U-18大会 クループA
 対 藤枝東高校 ※40分ハーフ
 天候:晴れ

▼布陣
先発:                終了間際:

−−−−−−長沢− 篠田悠 −−−−− −−−−−−町田− 篠田悠 −−−−−

−−岡村−−−−−−−−− 高野一 − −−風間−−−−−−−−−−小泉−−

−−−−−−上埜−−池田−−−−−− −−−−−−上埜−−谷野−−−−−−

− 高野美 −村越−−石垣−−柴田−− − 桑原卓 −村越−−石垣− 高野美 −

−−−−−−−−前田−−−−−−−− −−−−−−−−前田−−−−−−−−

交代:後半00分:柴田 →谷野 (そのまま右SBに)
   後半13分:長沢 →町田 (そのままFWに)
        岡村 →桑原卓(そのまま左SHに)
   後半14分:高野一→小泉 (そのまま右SHに)
   後半28分:池田 →風間 (谷野をCH、風間を右SBに)

藤枝東高校:

−−−−−−河津−−三輪−−−−−−

−−−−柴田−−−−− 鈴木崇 −−−

−−−−−−知野−−増田−−−−−−

−−黒瀬−−井上−−村松−−西形−−

−−−−−−−−碓井−−−−−−−−

交代:後半00分:黒瀬→岸佑、後半10分:柴田→滝田、後半12分:三輪→植松、後半26分:知野→閨谷
   後半28分:西形→佐久間、後半34分:鈴木崇→大塚


▼試合展開

 朝10時にJ-STEPはキツイ。5時起きだ。今日も清水駅から歩いて行ったのだが、別に好きで歩いてるんじゃなくて、地元民以外にとって、バスの時刻表と路線図が分かりにくくて、今ひとつ信頼できないのである。その点、歩いていけば、時間は掛かるものの、確実に目的地に着ける。で、実際、開始時刻の1時間半前に駅へ着いてしまうと、わざわざバスを使う気が起きないのである。あまり早く会場に着いても暇なだけだから。何はともあれ、この日は風もなく、2月と思えない好天に恵まれたサッカー日和。歩くのも苦にならなかった。

 清水は、怪我の枝村・真希・真司抜き。枝村は姿を見せず、真希は記録員、真司はランニングをしていた。雄也・望月・八木の3人も、ランニング中。岩本・佐野・小出・渥美の新1年生4人は、未だに合流していないようだ。とはいえ、先発は彼らを除けば、現状のベストと言えるかもしれない。先発は、3年3人、2年6人、1年2名。実は、GKと最終ラインは、真希の代のナイキ杯から、望月大と村越が入れ替わったものだったりする。
 藤枝東も、県選抜に選出された赤星・中村・小関が欠場。午後から、山梨選抜との練習試合を控えていたらしい。ちなみに清水からの選出は、真希のみ。小関がいなくなったことで、昨年来の4バックに戻している。佐久間や閨谷も先発を外れ、三輪・知野といった、新人戦では出番の少なかった2年生が、名を連ねた。先発は3年生5名、2年生6名で、当然1年生は合流していない。県高校新人戦は惜しくも準優勝に終わった藤枝東だが、怪我や高校選抜の合宿で赤星を欠くことも多い中、決勝まで勝ち抜いた力と経験は侮れまい。また、2週間前の中日本が初の「準」公式戦である清水とは、この時期の仕上がりに大きな差があるだろう。

[前半]
 序盤、展開の速さで優位に立ち、ピッチの幅を広く使って攻める清水は、しかしパス出しの扇の要となるボランチが入れ替わった影響は大きく、単調な攻めが目立ち、オフサイドの山を築く。藤枝東は鈴木崇を軸にパスのテンポが良く、西形・増田らのフリーランニングも豊富で、5分にはPA左横で石垣のファウルを誘うなどしたが、PA内で石垣・村越・前田の牙城を崩すには至らない。
 そのまま大きな動きなく、7分、清水はGK前田からのゴールキック。標的となった長沢は、相変わらず目測を誤るが、長沢と共に上がったCB村松のスペースに岡村が待ち受け、トラップして後ろに戻す。受けた美臣はルックアップ、そして中盤左サイドから、斜めに低いロングフィードを放った。そこには、CB井上と競りながら悠輔が走り込んでいたが、更に右外から一也が快速を飛ばす。悠輔はスルー、そして一也は対応の遅れた黒瀬をスピードで振り切ると、最終ラインの裏に抜けて、鋭いボレー。反応したGK碓井もさすがだが、そこに抜け目ない男・悠輔が、弾いたボールを押し込んで、美味しく先制点をゲットする。1−0。最初の決定機で、きっちりと仕事をしてみせた。

 得点後も、試合の展開はあまり変わらない。藤枝東は、右では鈴木崇・増田・西形のトライアングルのパス回しで部分的に数的有利を作り、左では柴田・河津が、そのスピードで清水の柴田を押し込んだりするのだが、いざシュートを撃とうという場面で一瞬手間取り、その隙に村越・石垣の屈強なCBに跳ね返されてしまう。初シュートは実に20分、上がった左SB黒瀬のクロスを、PA外から鈴木崇がボレーで合わせたもの。それも、ダフって高く上がり、GK前田が余裕で抑えた。
 一方の清水は、なおも攻撃が単調。連携不足だけでなく、今年の出場経験の少ない岡村・美臣・池田らに単純なパスミスが散見され、試合勘を取り戻せていない様子が見られる。それでも個人技で上回る清水は、岡村のドリブルなどで攻め続けると、22分、右サイドで受けた悠輔、一瞬の反転から急加速し、PAを右角から斜めにペネトレイト。黒瀬・井上を引き連れて、小さくゴール手前に戻すが、長沢のシュートはGK碓井に阻まれてしまう。27分にも、左スローインをPA左角前で悠輔が受け、刹那に上体を横に揺らすと方向転換、縦に3歩のダッシュ。西形・村松の間を割り込むや、スルーパス。またも長沢がゴール前で受けるが、GK碓井の飛び出しの前にシュートを撃ちきれない。
 この間、藤枝東の攻撃を柴田のミドル1本に抑えた清水は、前半終了間際、試合を決めるべく村越が上がる上がる。築館監督の「村越ぃー、戻れぇー」という声にも、必死に戻った後、息を切らせて「(ボールを)回そう」と声を掛けながら、さっさと次の攻撃を仕掛ける味方にも、隣で観戦するN氏の「イヴァン・カンポか、お前は」とのツッコミにもめげることなく、38分。奪った勢いのまま左サイドスペースに抜け、左クロス。これは跳ね返されるが、岡村が拾って後ろに戻して美臣、鈴木崇・西形に囲まれながらも強引に突破すると、タイミングを図ってループで囲みの裏にパスを送る。すると、全然戻る気配を見せなかった村越が、ノーマークで受け、左から斜めに切れ込んでシュート。強烈なボールだったが、GK碓井が反応。ちゃっかり、そこにいた悠輔が押し込もうとするが、なんとかGKが抑え込む。
 前半は、それで終了。点差以上の内容で、折り返した。

藤枝東高      清水エスパルス
2(1) シュート 5(4) ○一也、◎悠輔、×長沢、○村越、○悠輔
3(0) 右クロス 4(0) ×一也、×柴田、×長沢、×悠輔
3(1) 左クロス 3(0) ×岡村、×美臣、×村越
0(0) 右側CK 1(0) △岡村
0(0) 左側CK 1(0) ×上埜
2(−)  犯OS  7(−) ・悠輔、・岡村、・悠輔、・池田、・悠輔、・一也、・長沢
5(0) ファウル 3(1) ・美臣、×石垣、・一也

[後半]
 後半も、ボールを支配する清水が、要所で連携不足をさらけ出し、動きが少ない展開が続く。沸かせた場面は、4分に岡村が切返し2発で4人を振り回し、左CKを奪った場面ぐらいか。上埜は巧いが展開が小さく、池田のパスは狂いがちで、両翼のスピードを活かせない。試合が動き出したのは、交代があった10分過ぎから。藤枝東は柴田に代えて、エスパルスJrユース育ちの滝田を右MFに投入。キープレーヤー鈴木崇は、左に移る。岡村との同期対決が注目されたが、直後、清水攻撃時の接触で岡村が負傷。対決は僅か2分ほどで終わり、清水は町田・桑卓・小泉の1年生が投入した。
 すると11分、カバーに入った村越がGK前田に戻す。「回そう」との声を無視して、敢えてダイレクトで右SBの谷野に入れるが、結局、相手のチェックが厳しく、もう一度、前田へ。今度は落ち着いてタイミングを図り、前田得意のロングキック。前線に上がっていた上埜が頭でトラップし、戻りながら足下に収めて、右横に小さく流す。そこに池田、ルックアップして出したスルーパスは、走り込む小泉の足下にピタリ。疾走する小泉は、そのままドリブルでPA内に侵入し、十分にCBを引きつけると、小さく中央へ横パス。併走していた町田、更にその横にエースの悠輔も近寄ってきていたが、ゴールの果実は譲らず、自ら美味しくもぎ取って、2−0。

 攻撃陣に1年生が4人入った清水は、オフサイドの判定に苦しめられながらも、判断の速さに連携の良さが加わって、昨年Jrユースの鋭い速攻の形が蘇る。藤枝東も20分に、左に回った鈴木崇が、ロビングパスを受けて右SB谷野の裏に走り、鋭いセンタリングを送ったが、美臣が落ち着いてゴールの枠上に頭でクリア。結局、藤枝東、後半最初のシュートは、22分の知野のミドルまで待たねばならなかった。そのミドルの直後、中央突破を仕掛ける上埜が、町田から細かいワンツーリターンを受け、裏に抜けてシュート。またもGK碓井が阻むが、またも絶好のポジションにいた悠輔が弾いたボールを弾き返す。が、DFがカットし、PA外へクリア。それも拾って、再び中央突破を仕掛けた上埜をたまらず倒し、中央25MからのFK。ボールをセットした上埜が狙ったのは、なんと壁の下。惜しくも僅かに壁の足を掠め、威力なくGK碓井がキャッチした。
 さらに26分、悠輔のドリブルのクリアボールを桑卓が拾い、ボールを足下にキープしたまま、スルスルと攻め上がる。タイミングを図って、PA内に折り返したクロスをDFは反応できず、ゴール至近距離に町田。昨年Jrユースのエースのシュート、だが、GK碓井正面、体を倒して弾き返す。これも悠輔が、ダイレクトで打ち返したが、シュートは枠上に外れた。清水の攻撃はその後も続いたが、アクシデント発生。池田が負傷し、風間と交代。風間は最初左SBに入ったが、暫くすると左SHに。代わって谷野がボランチへ。一人でバイタルエリアの掃除役をしていた池田が退いたことで、清水の中盤の守備力が、ガクンと下がる。落ち着かない展開が増え、藤枝東に隙を与えることになる。
 29分、右に流れたFW河津のパスを受けた右SH滝田は、Jrユース当時はGKだった同期・風間と対峙、その裏にパスを送る。そこに3人目の動きで西形が飛び出し、小さく折り返すと、起点となった河津が突っ込んでシュート。これはGK前田がCKにディフレクトしたが、そのCKもファーに流れたボールから、鋭い左クロスを入れられるなど(DFクリア)、危うい場面が続く。30分の藤枝東、今度は左サイドから人数を掛けて攻めるが、美臣・石垣の壁と、小泉の粘りに交代を余儀なくされ、小泉が奪い返そうかというところで、一度、中盤の底の増田に戻す。増田は、思い切って縦にロングフィード、と、それを跳ね返そうとした村越を掠めて、最終ラインの裏へ。絶妙のスルーパスの格好となり、それを村越のかつての戦友・滝田が、フリーの1対1を美味しく頂き、2−1。前田は手を地に叩き付けて、悔しがる。

 2−0から1点返されるのが一番危ない、そんな意見もあるが、この日の清水は、事故のような失点だったこともあり、むしろ気合を入れ直した格好に。終盤は、谷野が当たりの強さを攻守に発揮。38分、中央から相手を押し退けながら持ち込んで、スルーパス。これは風間のトラップが乱れて、決定機をふいにするが、その直後、今度はスルーパスのフェイクでDFラインを金縛りにして、一気に中央突破。PA内でシュートを放つが、GK碓井がファインセーブ。
 なおも、小泉がボールを足の甲に乗せて切り返す得意のフェイントで相手DFを振り回し、石垣がボールを奪った勢いのまま、相手を吹っ飛ばし、次の相手をマルセイユルーレットで交わすなど(その後、奪われて必死で戻ることになったが)、やりたい放題。怪しいオフサイドの判定で決めきれずにいたが、ロスタイム、最終ラインで組み立て直すと、村越が左に張る風間へとフィード。ハーフライン付近の風間は、相手のプレスが緩んだ余裕を得て、体を半身内側に向けて左から右足に持ち直すと、視野を確保したまま、斜めにロングフィード。視点の先で走り込む町田は、CBの間を割り込んで突進。町田を信頼したのか、「どうせコイツはパスを出す気はない」と諦めたのか(笑)、追走する小泉が速度を落として見つめる中、PA内の1対1。GK碓井が動くのを見て、タイミングを微妙に外し、ゴール右へと流し込む。美味しく2点目も平らげた。3−1。
 これで、試合も決まり。点差以上の快勝となり、気温が上がるにつれ、だいぶ調子も上向きになってきたようだ。

藤枝東高      清水エスパルス
3(2) シュート 9(5) ◎町田、×美臣、○上埜、○町田、×悠輔、×谷野、○谷野、×悠輔
               ◎町田
1(0) 右クロス 2(1) ○小泉、×美臣
2(0) 左クロス 3(1) ×悠輔、○桑卓、×桑卓
2(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 1(0) ×上埜
2(−)  犯OS  9(−) ・岡村、・長沢、・悠輔、・悠輔、・美臣、・桑卓、・小泉、・悠輔
               ・町田
6(1) ファウル 4(0) ・池田、×石垣、・谷野、・石垣


▼試合結果

清水エスパルスユース 3−1 藤枝東高校
 得点:前半07分:清水・篠田悠輔
    後半15分:清水・町田朋弥(小泉慶治・ショートパス)
    後半35分:藤枝・滝田哲也(増田洋平・ロングフィード)
    後半39分:清水・町田朋弥(風間翔太・ロングフィード)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●町田朋弥 27分出場: シュート3(枠内3、得点2)
 Jrユースでは殆ど経験のない交代投入(エースだったし)で、2得点。得点の意欲は、ユース史上でも最高級なだけに、スーパーサブ適性があれば、トップ昇格後まで睨むと、大きく可能性が広がる。ユース史上最高の得点意思を持つ悠輔と組んだが、常に精力的に動く点で、タイプが異なる。ボールに絡む回数が不満だが、随所に良いポストプレーもあり、共存の可能性を伺わせた。

[私撰MIP]
●村越大三 80分出場: シュート1(枠内1)、クロス1(左1)
 ちょっと攻撃参加に色気出し過ぎな気はするが、守備自体は盤石。石垣と共に、1対1で負ける場面は稀だった。主力が抜けたチームで、常に声を張り上げて守備網を指揮し、モラールを高める。さらに正確なキックとコーチングでビルドアップを率先するなど、リーダーとしての威厳が生まれつつある。

●篠田悠輔 80分出場: シュート4(枠内2、得点1)、クロス2(右1左1)
 1点のみだったが、怪しいオフサイド判定が繰り返されなければ、ハット達成もおかしくない。そのぐらい決定力と、ゴールへの嗅覚、DFラインとの駆け引きは卓越している。良い形でボールを持つ機会は少なかったが、その少ない機会を確実に決定機に昇華するセンスは凄まじい。普段は淡々としてるだけに。

[個人的好印象選手(相手方)]
 増田洋平(新高3): 豊富な運動量と競合の強さを活かし、潤滑油とフィルターの1人2役を果たす。
 鈴木崇紀(新高2): 一人、違う判断速度が違った。動き出し・パス出しのタイミングは、全国標準。


 < 前  目次  後 >


ひかる。 @H.P. [MAIL]

My追加