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2004年01月18日(日) JY: キンパラカップ ヤマハジュビロ掛川戦

04年1月18日09:00開始 安久路公園多目的広場
 キンパラカップ第19回静岡県中学ジュニアユース新人サッカー大会 準決勝
 対 ヤマハジュビロ掛川 ※25分ハーフ
 天候:晴れ

▼布陣
−−−−−−山口−−前田−−−−−−

− 杉山和 −−−−−−−−−田村−−

−−−−−−滝戸−−庄司−−−−−−

−−石垣−−鍋田−−小関− 桑原尚 −

−−−−−−−−吉田−−−−−−−−

交代:なし

ヤマハジュビロ掛川:

−−−−−−望月−−片山−−−−−−

− 原田開 −−−−−−−−−伊藤−−

−−−−−−増田− 原田涼 −−−−−

−−松本−−木下−−服部−−今福−−

−−−−−−−−赤堀−−−−−−−−

交代:後半20分:望月→戸田


▼試合展開

 詳細はこちら → ぽけっとエスパルス


(1月17日、静岡県磐田市ゆめりあ、キンパラカップ降雪順延。俺、4時に起きて始発で駆けつけたのに…。ありえない)

 朝9時という早い時間にも関わらず、4チームのご両親が多く応援に駆けつけ、なかなかの盛況。会場に向かう際、前日の雨一時雪が、夜の間に凍った路面にヒヤヒヤしたが、会場の磐田市に着いた頃には、前日の天気が嘘のような好天と、観戦に苦労しない程度の陽気に恵まれた。安久路は冬芝を採用しているようで青々としており、良いコンディションで試合を迎えることができた。1日待った甲斐があったってもんだ。
 清水のこの学年は、県大会(さなるカップ)で負けてナイキカップ全国大会に進めなかったこともあって、筆者は初見となる。そのナイキカップで準優勝した常葉橘中学を、2回戦で3−1と下しての準決勝進出となった。どうやら、この試合からU-14監督の太田氏から、Jrユース監督の加藤氏に、引き継ぎとなったようである。なにぶん初見なので、あまり詳しいことは言えないが、メンバーやポジションは、昨年の試合から随分と変わっている模様。注目選手として、DF小関、MF滝戸・杉山和・田村が、今年の静岡県中学生選抜に選ばれたので、それで私の推薦の代わりにしておこう。掛川からは、GK赤堀、MF原田涼・原田開が、同じく選出されている。


(左から小関、吉田、滝戸、1年の前田、山口、石垣、鍋田、田村、桑原尚、庄司、そして主将の杉山和毅。あまり見たことないから間違えてるかも)

[前半]
掛川        清水エスパルス
4(2) シュート 5(2) ○鍋田、×庄司、×田村、○杉和、×小関
4(0) 右クロス 1(0) ×滝戸
1(0) 左クロス 1(0) ×杉和
1(0) 右側CK 2(1) ○滝戸、×滝戸
1(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  1(−) ・田村
2(1) ファウル 1(0) ・桑尚

[後半]
 後半10分、左サイドで開いて受けた杉山和が、PAの10M程前を平行して、豪快かつ無駄にドリブルで横断。右サイドまでキープして、漸く右SBの桑原尚に戻すが、リターンを受けて、再びドリブル開始。前に向き直してPAの右角へと突っ掛けると、そこでスルーパス。敵味方が杉山和一人に集中してる中、スッと抜け出した田村が、タッチライン手前でダイレクトで折り返す。柔らかいマイナスなボールを、至近距離で山口がニアに決め、清水が先制する。1−0。
 後半12分、掛川、右サイド内寄りから原田開が中央突破、桑原尚と小関に挟まれて速度が落ちながら、なおも踏ん張って縦パスを送ると、受けたFWがシュートに行くが、鍋田がそれをブロック、掛川の左CKとなる。蹴るのは原田開、ファーに合わせると今福が全くのフリー、綺麗にGKの逆サイドの右に決め、掛川が追いつく。1−1。

掛川        清水エスパルス
6(4) シュート 5(1) ×前田、◎山口、×石垣、×庄司、×田村
1(0) 右クロス 2(1) ×田村、◎田村
1(1) 左クロス 3(2) ○山口、×杉和、○杉和
0(0) 右側CK 0(0)
2(2) 左側CK 0(0)
1(−)  犯OS  1(−) ・杉和
3(2) ファウル 4(0) ・桑尚、・桑尚、・庄司、・田村

[延長]
 延長前半3分、掛川、左に開いた原田開、小関を背負った状態から、小関を回転軸に巧く体を使って反転し、突破、PAに単独侵入する。桑原尚の追走を振り払い、タッチライン際から小さくマイナスに「決めるだけ」のパスを折り返すと、ファーの伊藤がフリーで軽く合わせ、掛川Vゴール。1−2。

掛川        清水エスパルス
1(1) シュート 0(0)
0(0) 右クロス 0(0)
1(1) 左クロス 0(0)
0(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  0(−)
1(0) ファウル 0(0)


▼試合結果

清水エスパルスジュニアユース 1−2V ヤマハジュビロ掛川
 得点:後半10分:清水・山口恭平(田村亮介・右クロス)
    後半12分:掛川・今福雄太(原田開 ・左CK)
    延前03分:掛川・伊藤亮介(原田開 ・左クロス)
 警告:後半11分:掛川・松本陽介(ラフプレイ)


▼選手寸評

 新3年生を見るのは初めてなので、今回は選手個人ではなく、総論で。

[守備陣]
 GKの吉田は、安定していた。至近距離での1対1、裏に抜けた選手に対する飛び出し、フリーでPA内右30度からのシュート、と3種3様の被決定機をストップ。コーチング、クロスへの対応、フィードなども含めて、特に大きな問題は感じない。良い守護神になってくれることと思う。
 CBの2人は、昨年の岩本・佐野克という日本代表コンビ程の1対1の強さはないが、共に読みとカバーリングに長けたタイプ。敢えて言えば、小関は前に出ながらの積極的な守備に長け、鍋田は咄嗟に体を寄せる敏捷性に優れるか。タイプが似ているのが、難点と言えば難点。SBは、前の左右MFが単独で突破できるだけに、あまり攻撃に絡めず、不完全燃焼の印象がある。桑原尚は走力を活かしたオーバーラップ、石垣は判断とキックの良さに特長があるようなので、専ら守備を期待されたこの日は、苦しかった。左SBには、ユーティリティの石垣の他に、スピードのある川端やセンスフルな1年生・曽根など、多くの候補がいる。
 ちなみに最終ラインの位置は、しばしば相手陣内に10M近く侵入するなど、異常な高さを誇った。その広いスペースを原田開に使われることになったのだが、まあ、これは全国大会に繋がる公式戦になれば、修正されることだろう。この時期は、戻りながらの守備など、課題を持って試合に臨んだ方が良い。やはり一番の課題は、SBの絡んだサイドアッタク。できれば、1対1に強いストッパータイプがほしいところ。

[中盤]
 昨年の3年チームで結構な出場機会を得ていた3人、杉山和・田村・滝戸が揃う。筆者も彼らは、遠目から識別できる程度の観戦歴がある。両翼を務めた杉山和・田村は、今年の生命線となる存在。杉山和は既にドリブルからクロスに持ち込む自分の形があり、その精度とタイミングは、上の学年でも十分に通用していた。が、同学年相手では、即興性のプレーでやりたい放題の王様状態で、彼をトップ下あたりに置けば、それだけで県は勝ち抜けるだろう。田村の場合、動き出しが面白い選手のなのだが、この日は、今ひとつ彼のタイミングでパスが出てこず、足下でボールを受けてから勝負することが多かった。が、それでも、相対的に大柄な体とスピードを活かして、強引に突破もできる。往年のアレックス・市川のプレースタイルを思わせる両翼で、持ち過ぎの傾向と、細かいパスやトラップの精度と、課題もよく似ている。この2人には、周囲のお膳立てをしつつ、独力で局面を打開するような、一つ上のプレーを望みたい。
 ボランチには、昨年は主にFWで起用された滝戸、庄司の2人が組んだ。共に大柄で体の使い方も上手く、対地対空共に、人との競り合いには抜群の強さを見せる。パスに少ないタッチでの大きな展開を狙う意図が見え、滝戸あたりは体格に似合わぬ柔らかいキックもあるのだが、正確さに難が見え、またリズムが一本調子になりがち。強力な両翼を活きるのも、扇の要となるこのポジション次第。滝戸と庄司では、タイプ的に似た面があり、昨年、このポジションのレギュラーだった佐野諒・石垣あたりにも、十分なチャンスがあるだろう。ちなみにこの試合、滝戸がCKキッカー。お前はゴール前にいろよ…。

[FW]
 FWもまた、タイプが非常に良く似た2人。…わざとだろうか? まあ、今の時期に制約があった上でプレーするのは、悪いことではない。大型の選手と組むと、もう一人はそれに頼って、ポストプレーをする機会に恵まれないし。夏までには、もう少しバランスの良い組み合わせになってるだろう。今日はボランチを務めた滝戸・庄司に、佐藤将と、ポストプレーヤーには事欠かないのだから。
 1年生の前田は勿論、山口も昨年、十分な出場機会を得ていたとは言い難い。だが、今試合3試合4得点の山口は当然として、共に先発に十分に値するパフォーマンスを見せていた。共に高いテクニカ(技術)と敏捷性を誇り、トラップからのターンに見るべきものがあるが、体が小さく、CBを背負ってのポストは望むべくもなかった。わざわざニアの右上角に浮かせてゴールを決めるなど、山口の方は無駄にテクニカが高い。むしろ、1年生の前田の方が、後の展開を考えたトラップをしており、ユースの篠田悠を思わせる洗練さがある。


[個人的好印象選手(相手方)]
 原田開(中2):平塚@ジュビロ浜北のような選手。突破とシュートの積極性に秀でた、掛川攻撃の鍵。
 今福雄太(中2):清水の攻撃の鍵である和毅の攻撃力を、タイトな守備で半減。前半は攻撃にも参加。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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