えすぱっ子
清水エスパルスユース紹介サイト

2003年12月23日(火) JY: 高円宮杯 全国大会 コンサドーレ札幌戦

03年12月23日12:00開始 茨城県立カシマサッカースタジアム
 高円宮杯 第15回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会
 対 コンサドーレ札幌U-15 ※35分ハーフ
 天候:晴、観客数:390人

▼布陣
−−−−−−町田− 山崎竜 −−−−−

−−小出−−−−−−−−−−小泉−−

−−−−−−長沢−−神田−−−−−−

− 桑原卓 −佐野−−渥美− 桑原彬 −

−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−

控え:吉田、小関、池田、田村、杉山和、滝戸、望月雄
交代:後半09分:小出 →杉山和(そのまま左MFに)
   後半15分:山崎竜→滝戸 (そのままFWに)
   後半18分:神田 →池田 (そのままボランチに)
   後半27分:小泉 →田村 (そのまま右MFに)

コンサドーレ札幌U-15

−−−−−−青木−−大西−−−−−−

−−−−長沼−− 岡 −−谷山−−−−

−−−−−−−−大野−−−−−−−−

−−久松−−廣中−−村松−−安藤−−

−−−−−−−−塚本−−−−−−−−

控え:佐々木、高橋、山本、藤井、佐藤、武田、福岡
交代:後半20分:大西→福岡、後半22分:谷山→武田、後半28分:久松→高橋
   後半34分:長沼・青木→山本・佐藤


▼試合展開

 この試合、清水は既に予選通過を決定済み、ドロー以上で首位通過となる。この時点で2位の札幌は、ドロー以上で予選通過が決まる。振り返ると、清水の方にどこか予選調和である、ドローを狙う気持ちがあったように思えるのだ。そうした気持ちになった理由があるとすれば、やはり主将の岩本の出場停止が大きいだろう。岩本不在時はゲームキャプテンを務める池田(ナイキカップの時の主将)も、ベンチに温存。卓越したリーダーシップを有する2人の欠場は、目に見えないところで大きく響いた。この試合のゲームキャプテンは、長沢。また、このところ好調の杉山和に代わり、久々に小出が先発を飾っている。
 一方の札幌。見たのは、緒戦のびんご戦だけだが、その時はボックスで組んでいた中盤を、ダイヤモンドに変えている。その時、FWを務めていた岡をトップ下に配置したのを見る通り、攻撃的な布陣と考えて良いだろう。このあたり、試合に臨む姿勢に、温度差を感じたが…、さて。

[前半]

(前半27分に掴んだ右CKも、小出のキックは、札幌(6)大野らに跳ね返される。山崎竜がリバウンドを追うも、チャンスに繋がらず)

 寸評:序盤、受けて立った清水に対し、サポの声援に応えた札幌が機先を制す。目が覚めない、といった様相の清水は、守りの意識のためか、岩本不在のためか、最終ラインが普段よりもかなり低く、大きく空いたバイタルエリアを岡に有効に利用され、最短距離での攻撃を赦すことになった。それでも、高いレベルでチェックとカバーの役割分担のできている最終ラインは、GK山崎晃の好守にも助けられ、無失点で折り返す。攻撃では、自然と得意のサイド攻撃の出発点が低くなり、勝負するエリアに届く前に潰される場面が目に付いた。

札幌U-15      清水エスパルス
6(2) シュート 1(0) ×長沢
4(1) 右クロス 1(0) ×小泉
1(1) 左クロス 1(0) ×桑卓
0(0) 右側CK 1(0) ×小出
3(0) 左側CK 0(0)
3(−)  犯OS  0(−)
3(0) ファウル 4(1) ×小出、・小泉、・桑卓、・小泉

[後半]
 01分:札幌、久松が桑原彬のチェックをターンして抜きに掛かったところ、後方から小泉がカバーに入ったが、これがファウルとなり、PAの左から札幌がFKの好機を掴む。蹴るのは、右SBの安藤。意表を突く低く速いグランダーのボールを、ニアで岡が股の間にスルー。これに惑わされた清水DFがクリアできずに見送ると、ファーの長沢の後ろから長沼が駆け込み、インサイドで合わせて、札幌が先制する。0−1。


(札幌のトリックセットプレー、股抜きスルーの瞬間)

 07分:安藤の左CK。蹴ったボールはミスキックなのか、殆ど曲がらず、中途半端にゴールラインの寸前を平行移動する。これはGK山崎晃が掴みに行くが、微妙な回転が掛かっていたのか、痛恨の後逸。嘲笑うようにネットに吸い込まれ、札幌が大きな追加点を得る。0−2。

 寸評:立ち上がり、落ち着かない間にトリックプレーで失点すると、不運な形で立て続けに2失点目。これで漸く目の覚めた清水は、杉山和の投入も起爆剤となって、高い位置からの縦に速い波状攻撃を繰り広げるようになるが、PA内を固める札幌DFに跳ね返され続けた。守備では、ダブルボランチが共に前掛かりになってしまったことで、岡に自由な活躍の場を与えることになる。それでも、前半と後半の内容の違いは、このチームは受けては駄目、リスクを負って前掛かりに攻めてこそ、攻守に真価を発揮できることを、再認識させられるものであった。

札幌U-15      清水エスパルス
9(5) シュート 6(2) ○桑彬、×山竜、×長沢、×町田、○池田、×池田
0(0) 右クロス 4(0) ×桑彬、×小泉、×滝戸、×田村
1(0) 左クロス 10(1) ×桑卓、×小出、×桑卓、○杉和、×杉和、×池田、×杉和、×長沢
               ×杉和、×杉和
0(0) 右側CK 1(0) ×小出
1(1) 左側CK 2(0) ×小出、×小出
1(−)  犯OS  2(−) ・杉和、・杉和
8(1) ファウル 5(2) ×小泉、・町田、×桑彬、・町田、・長沢


(試合後、観客席に頭を下げる選手たち)


▼試合結果

清水エスパルスジュニアユース 0−2 コンサドーレ札幌U-15
 得点:後半01分:札幌・長沼恭平(安藤謙佑)
    後半07分:札幌・安藤謙佑


▼選手寸評

[私撰MVP]
●桑原卓哉 70分出場 クロス4(左4)
 競り合いの強さと果敢なドリブル突破で直線的な動きを見つつ、微妙に変化させた前方フィードで相手に動きを絞らせなかった。苦手としていた地上戦における守備の1対1において、進境著しい。

[私撰MIP]
●佐野克彦 70分出場
 個の競り合いとカバーリングの広さの双方で、ほぼ完璧な守備内容。身体能力と運動能力の双方に恵まれ、清水では珍しく、受けて立っても突進する相手を確実に潰すことができる。クリアの精度は課題。

●桑原彬 70分出場 シュート1(枠内1)、クロス1(右1)
 時折弱さを見せる強引な突破にも、綻びを見せなかった。また、この日はカバーリングが冴え、CBの裏からその前のバイタルエリアまで、広く繕った。そのまま中央で第三の司令塔として、ビルドアップも。

[個人的好印象選手(相手方)]
 岡揚一(中3):自らのミドルに加え、次々に繰り出すスルーパスに非凡なセンスを示す。キレキレ。
 安藤謙佑(中3):緩急自在のキックで1ゴール1アシスト。清水の攻撃の鍵、小出を完全に封印した。


---
03年12月23日14:00開始 茨城県立カシマサッカースタジアム
 高円宮杯 第15回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会
 FC東京U-15 対 京都パープルサンガジュニアユース ※35分ハーフ
 天候:晴、観客数:352人

▼布陣
FC東京U-15               京都パープルサンガジュニアユース
−−−−−−山同−−蛯原−−−−−−   −−−−−− 森 −−満生−−−−−−
−−−−−−−−萩原−−−−−−−−   −−−−−−−−恒松−−−−−−−−
−−−−寺島−−中野−−稲葉−−−−   −−鍬田− 吉田拓 −三戸−−北村−−
−−森村−−近藤−−高橋−−椋原−−   −−− 吉田龍 −北川−−内田−−−−
−−−−−−−−権田−−−−−−−−   −−−−−−−−寺石−−−−−−−−
交代:後半00分:山同→蓮見        交代:前半22分:森 →寺田、恒松→安田
   後半26分:萩原→城間           後半00分:寺田→恒松、満生→金沢
   後半32分:寺島→大竹           後半08分:吉田拓→森
   後半34分:蛯原→岡田           後半10分:安田→中島
                        後半18分:鍬田→寺田
                        後半22分:北川→蒲生
                        後半27分:北村→旭
                        後半31分:三戸→中村


▼試合展開

 後半05分:F東京、森村の左CKは京都DFが跳ね返したが、F東京の二次攻撃。京都は果敢にラインを上げるが、下がってクリアを自ら拾った森村へのプレッシャーが、あまりに遅かった。こうなると、高いDFラインは、むしろ不必要に相手に利用されるスペースを空けているだけ。森村がロブのように高く上げたボールに、ラインの駆け引きをしていた高橋が駆け込むと、落ちてくるボールをボレーで合わせる。難しいシュートだったが、見事な制御でニアに蹴り込み、遂にF東京が均衡を破る。1−0。

 後半32分:F東京、中盤中央ゴール40M程でFKを得る。が、京都は最終ラインの3人だけをPA内に残し、F東京の方が枚数が多いという、特攻状態。直接、PA内に放り込んだボールは、稲葉が合わせきれず、吉田龍のカバーが間に合う。が、クリアを空振り。体勢を崩した吉田龍を尻目に、稲葉が今度こそ強シュートで合わせて、試合を決める「次の1点」は、F東京が奪った。

 試合寸評:試合全体を見れば、個人能力の総和の差で圧倒的に上回る、F東京の優勢は否めない。特に2トップ+トップ下の3人は自由自在、むしろ自由自在に過ぎた感すらある。だが、京都は人に強い内田・吉田龍の2CBにスイーパーを置くシステムで耐え凌ぎつつ、1本のロングパスから恒松を軸に、何度も跳ね返されようが、粘り強くカウンターのチャンスを狙い続けた。ベンチも自由交代というルールを存分に活かし、失点後は極端に前線に人数を集める、放胆な采配を示した。最終的にはミスから2失点目を食らったが、その勇戦は称すべきかな。

FC東京           京都パープルサンガ
8(5)/8(6) シュート 3(1)/7(4)
3(0)/2(0) 右クロス 1(0)/3(0)
5(1)/5(1) 左クロス 2(1)/1(1)
0(0)/0(0) 右側CK 0(0)/2(0)
2(1)/4(1) 左側CK 0(0)/1(0)
1(−)/1(−)  犯OS  0(−)/0(−)
2(1)/3(1) ファウル 3(0)/2(1)
 ※左が前半/右が後半、( )内は枠内SH、味方に繋がった数、DFゾーン(フィールドの自陣側1/3)での反則


▼試合結果

FC東京U-15 2−0 京都パープルサンガジュニアユース
 得点:後半05分:東京・高橋太希(森村昂太・スルーパス)
    後半32分:東京・稲葉基希
 警告:後半12分:東京・山同亮 (ラフプレイ)


▼選手寸評

[個人的好印象選手]
 高橋太希(東京・中3):貴重な先制点を挙げた一方、守備では機動力と体の使い方の巧さを示した。
 森村昂太(東京・中3):キックの豊富さと動き出しの精力さで、F東京の攻撃に変化を付けた。
 内田匡哉(京都・中3):ストッパーとしての役割を全う。対地対空共に、1対1では無敗を誇った。
 恒松清隆(京都・中3):突破とポストの双方で起点に。キック精度で唯一、F東京に対抗できた存在。


 < 前  目次  後 >


ひかる。 @H.P. [MAIL]

My追加