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2003年08月16日(土) JY:クラブ選手権 全国大会 ジェフユナイテッド舞浜戦

03年08月16日13:30開始 Jヴィレッジ Pitch 1
 日本クラブユース選手権(U-15)大会
 対 ジェフユナイテッド市原ジュニアユース舞浜 ※30分ハーフ

▼布陣
−−−−−−町田− 山崎竜 −−−−−

−−小出−−−−−−−−−−田村−−

−−−−−−長沢−−池田−−−−−−

− 桑原卓 −佐野−−渡邊− 桑原彬 −

−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−

交代:後半00分:田村 →小泉(そのまま右MFに)
   延長14分:山崎竜→滝戸(そのままFWに)

ジェフユナイテッド市原ジュニアユース舞浜:

−−−−−−松尾−−大西−−−−−−

−−−−得平−−酒本− 佐藤岳 −−−

−−−−−−− 星野優 −−−−−−−

−−金子−−岩澤− 星野剛 −蓮沼−−

−−−−−−−−瀧本−−−−−−−−

交代:後半09分:佐藤→中島、後半19分:得平→子安


▼試合展開

 曇り。でも、やはり寒い。半袖の上にサンダル履きの筆者は、またも寒さに震えることになる。…懲りてない、というか学習能力がない。そして、今日も見づらいことこの上ない、Pirch 1 だ。また、この日は風が強く、それは筆者の体感気温だけでなく、試合の優勢・劣勢にも大きく影響した。

 (ジェフ舞浜応援団。その下が噂も名高い「幻の右サイド」。
 多くのユースヤクザが伐採を望んで止まない)

 舞浜は、準々決勝の試合を見たが、足下のテクニックの秀でた選手の多い、非常に似通ったチーム。共に余りフィジカルの強いチームではないが、背は高くてもヒョロっとした選手の多い清水に対し、舞浜は小柄ながら足腰の強いドリブラーが多いという印象があった。互いに攻撃マインドが強く、SBが果敢に攻め上がってドリブル突破を仕掛けるタイプ。そこでこの試合、桑原兄弟が鍵を握るであろうというのが、筆者の事前予想であった。また、舞浜には昨年12月のジュビロカップで対戦しており、池田がCBを務めるシステムで、PK戦で涙を呑んでいる。




(この日は何故か、清水イレブンが横列で入場。挨拶の礼の角度に、性格が出ている?)


[前半]
 前半は清水が風上。試合開始直後、いきなり舞浜の右SB蓮沼がスルスルと上がり、右クロスに大西が合わせる場面があったが、当たり損ねでGK山崎晃が問題なくキャッチ。以後、中盤にテクニカルな選手を揃える両チームらしく、中盤の潰し合いとなる。互いに辛抱する展開が続くが、徐々に押し込んだのは風上の清水。7分、小出のスルーパスに山崎竜が左サイドスペースに抜け、クロスを送ると、PA中央で町田が見事な程にフリー(っていうか、舞浜CB行方不明)。ワントラップでシュートに行くが、この余裕の間に一気に距離を詰めたGK瀧本が弾く。このこぼれ球を町田と瀧本で粘り合いになるが、そこに田村が駆け込んでシュート! しかし、これも瀧本が弾き返す。
 更に9分。小出が奪って自らドリブル、池田に渡すと右にチェンジサイド。田村のPA内で勝負はDFに弾かれるが、すぐに桑彬がフォローしてフワリと右クロスを送る。すると、裏に出た町田がまたもフリーでシュートを放ったが、GK瀧本が再び防ぐ。

 その後、暫く潰し合いが続いたが17分、町田が前線から中央突破、右に叩いて田村がマイナスに折り返したボールを池田が走り込んだが、トラップに失敗。しかし、流れを掴み直すと21分、田村の突破からこぼれたボールを後ろ向きでキープした池田が押し倒され、右PA角からのFK。小出が蹴った巻いて落とすボールを、佐野が密集地の外側から裏に抜けて合わせたが、叩き付けたボールはバウンドしてゴールを外れる。続けてその直後、田村のクロスがファーに流れたのを小出がフォロー。PA内でDFを1枚交わし、送ったクロスはGK瀧本の前を通り過ぎたが、その裏にいた町田が合わせられない。
 一方の舞浜は、幾度かサイドを崩す場面はあるものの、クロスに精度がなく、また佐野の高さとGK山崎晃の好判断に防がれていたが、29分、右CKを得る。金子のキックに対しゴール中央の星野優をフリーにしてしまい、ヘッドはGK山崎晃が競り合って防ぐが、落ちたボールを大西がフリーでシュート。しかし、焦ったかシュートは一直線にニアへ外れ、その後はロスタイムも殆どなく、前半終了。清水のエンジンの掛かりが遅いのはいつものことだが、今日の後半は風下である。

舞浜        清水エスパルス
5(3) シュート 4(3) ○町田、○田村、○町田、×佐野
5(1) 右クロス 4(2) ○桑彬、○田村、×池田、×田村
3(0) 左クロス 5(1) ×小出、○山崎、×小出、×桑卓、×小出
1(1) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  2(−) 田村、山崎
6(−) ファール 4(−) 町田、桑彬、桑彬、町田


[後半]
 逆風。その影響が心配されたが、後半開始直後、桑卓が左サイドから見事なフェイントで舞浜2人を突破、そのままPA内でも一人を抜き去り、最後はマイナスで送ったボールを長沼が狙うが、それはDFがブロック。しかし、試合の流れは清水が掴む。4分にも桑卓のクリアを小出が受ける、と見せて反転しながらダイレクトで前方へフィード。町田が反応して左スペースに持ち込み、クロスに再び長沼が走り込んで、今度はドリブル突破を仕掛けたが、DFに潰される。
 その後、途中交代の小泉が今ひとつ調子が上がらず、再び中盤での潰し合いとなったが16分、佐野?のクリアが戻りの遅れていた桑卓に上手く繋がり、左サイド中盤からのロングスルーパス。これで町田が完全に中央から抜け出す。そして、10M余りを独走してGKと1対1。が、最後のトラップが大きすぎ、慌てて放ったシュートもコースはGK瀧本の守備範囲内だった。

 ここまで後半、舞浜はシュート0本。クロスもアーリークロスが殆どで、問題なく跳ね返していた。しかし18分、右CKを与えると、金子のキックにファーで岩澤がヘッド。僅かにゴール左に外れるが、その直後に最終ラインの齟齬を突いて松尾が裏に抜け出し、シュート。これはクロスバーが防いだが、清水最終ラインは突如として乱れ初め、岩本不在を痛感させる。
 それでも、個人能力で勝る清水は相手のクロスを辛抱強く跳ね返して29分、舞浜のサイド攻撃を右に流れた池田がカット。そのまま右サイドへと流れて山崎竜に渡すと、タイミングを図ってマークの背後にループパスを送る。これを受けた小泉、素早いフェイントで囲みに来た2枚を抜き去って右サイド30Mを独走すると、更に1枚を交わしてPA内へと切れ込み、右クロス。右ポスト手前に走り寄った町田が至近距離から、ワントラップして倒れ込みながらシュートを放つ。これまでで最も決定的なシュートだったが、僅かにファーへと外れた。
 その後は再び風下の清水が押し込まれる時間帯となり、29分には松尾のロビングパスに酒本が裏に抜けながらボレー、当たり損ねたシュートを中島が追い掛けて押し込もうとするが、DF(佐野?)がコースを変える。そのCKの流れから、星野剛の右クロスを子安のシュートは枠外。試合は延長戦に突入する。

舞浜        清水エスパルス
6(3) シュート 4(2) ○池田、○町田、×佐野、×町田
3(0) 右クロス 3(2) ×小泉、○小泉、○小泉
5(2) 左クロス 5(2) ○桑卓、○山崎、×小出、×小出、×池田
2(1) 右側CK 1(0) ×小出
0(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  2(−) 小出、町田
3(−) ファール 6(−) 佐野、山崎、山崎、桑卓、小泉、山崎


[延長]
 延長前半は舞浜が風上。開始直後こそ小出が単独突破する場面があったが、その後は一方的に舞浜。2分、池田のファールから星野剛が30Mの距離からFKを放つと、低い弾道がGK山崎晃を強襲。反応したが落としてしまい、舞浜選手が突っ込むが佐野?がクリアする。4分には、左サイドから途中投入の中島が渡邊を交わして突破、上げたクロスを大西が頭で合わせると、シュートはバーを掠めてネットの上に落ちる。途中交代の中島と子安は、その後も疲弊した清水に対してサイドを果敢に突破、結局前半の間、清水はシュートを一本も打てなかった。
 何とか凌いで後半は、清水の時間帯。逆に舞浜にはシュートもクロスも1本も許さなかったが、清水も疲労が色濃く、精度に欠いた。後半開始直後、山崎竜が裏に抜ける場面があったが、GK瀧本の素早い飛び出しに防がれる。また、エースストライカー(笑)長沼が池田の左CKからシュートを放ち、桑卓の左クロスからはファーで小泉が狙うが、共に枠外。途中投入された滝戸がカウンターから中央突破を図る場面もあったが、CBに潰された。そして、試合はPK戦へ。

舞浜        清水エスパルス
4(1) シュート 2(0) ×長沢、×小泉
2(0) 右クロス 1(1) ○長沢
4(2) 左クロス 3(1) ×小出、×町田、○桑卓
0(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 2(1) ×池田、○池田
1(−)  犯OS  0(−)
3(−) ファール 4(−) 池田、桑彬、池田、滝戸


[PK]
先攻・舞浜 ○岩澤 ×金子 ○松尾 ×中島 ○蓮沼 | ○酒本 ○星野優
後攻・清水 ○町田 ×桑卓 ×小泉 ○佐野 ○桑彬 | ○長沢 ×滝戸





(歓喜の舞浜イレブンの傍らで呆然と佇む滝戸を、迎えに行ったゲームキャプテン池田。試合中も素晴らしいキャプテンシーで、岩本不在を支えた。池田は最後の挨拶まで、堂々としていた)

 ジュビロカップのリベンジならず、しかも再びPK戦での敗退。最後のキッカーとなってしまった滝戸だが、昇格した村松潤も杉山浩太も、トーナメントでチームの勝敗を決めるPKを外している。自分を責めることなく、是非とも今後の発奮の材料にしてもらいたい。
 結局、僅か2失点でJヴィレッジから去ることになってしまったが、今回決定力不足に悩んだ2トップも、彼らのおかげで東海選手権優勝できたのだから、責めることはできまい。是非、この悔しさは高円宮杯にぶつけてほしい。…できれば、ユースで(その後はトップで)でも、ね(笑)。


(ユースと同じく、3位の表彰式を受けるJrユースの面々。Who Wants It?)


▼大会優秀選手(第9回メニコンカップ出場)
 GK:山崎晃大
 DF:岩本大、桑原卓哉
 MF:池田康彦、小出洋孝、長沢駿

市川大祐・鈴木隼人・深沢良輔に続く、4人目のメニコン男を目指せ!

 そして、予定より1日早い帰京となった筆者は、これで盆休みが1日増えたと自分を慰めつつ、いわき市内で焼き肉食い放題(何と1000円!)でヤケ食い。まあ、ユース敗退の時も同じ事をしているのだが(爆)。肉と一緒にごはん3杯をモリモリ食べて、敗戦の無念を晴らしたという。


▼試合結果
清水エスパルスユース 0−0 ジェフユナイテッド市原ジュニアユース舞浜
       (PK 4−5)
 警告:後半03分:舞浜・星野剛大(?)


▼選手寸評(個人的好印象選手)

●池田康彦 80分出場 シュート1(枠内1)、クロス2(右1左1)
 守勢になると目立つのが、池田の完成度の高さ。コンタクト・判断・テクニックの全てでレベルが高く、攻守でミスが少ないため、確実に計算できる池田の存在は大きい。だが、不安定な最終ラインをカバーするため守りに重きを置いてしまったため、中盤の起点として機能することができず、チームはポゼッション向上に苦労することになった。

●山崎晃太 80分出場
 ここまで岩本・佐野の前に隠れた格好だった山崎晃だが(危険なシュートが殆どなかった)、この試合で彼の良さを再確認。判断とキックの正確さは、ユースの海人より上だろう、…海人の不安定さが問題なのだが。握力の問題かボールをこぼしてしまう場面が目に付いたが、クロスの応対も良く、実に安心して見てられる。PK戦でも7本中2本をストップ。

●佐野克彦 80分出場 シュート2
 個人としては完璧。舞浜はドリブラーの多いチームだったが、中央突破にはコンタクトの強さを示し、右サイドが崩されれば競り合いの強さを発揮してクロスを跳ね返し、左サイドを抜けられてもスピードを活かして桑卓の裏をカバーした。プレスに慌てることもあったが、フィード自体の質は良い。ただ、DFリーダーとしてはフラットラインを乱す(佐野や渡邊個人が、ではなく、組織としてのコーチングの点で)ことが多く、岩本の役割をこなすまでには至らなかった。

●桑原彬 80分出場 クロス1(右1、成功1)
 押し込まれる時間は結構あったが、舞浜はここを選手交代で集中的に狙ってきており、試合を通してよく堪え忍んだと思う。しかし、双子(実は三つ子らしいが)にも関わらず、卓哉とは随分とプレースタイルが違う。ドリブラーでコンタクトに強く、ファンタジスタで波のある卓哉に対し、彬は独特の柔らかいキックを持つパッサーでカバーリングに長け、自分の職分を常に全うできる選手。岩本不在の影響か、桑原兄弟は守備のポジショニングに戸惑うことも多かったが、彬は修正に時間が掛かっても急所を自らカバーすることができていた。

●小出洋孝 80分出場 クロス6(左6)
 清水の攻撃の鍵を握る選手だと、改めて思い知らされた。今日は序盤から飛ばし、数多くの突破と速い判断からのパスを見せてくれたが、右MFを次々と代えた舞浜(佐藤→中島→子安)を前に、延長の勝負所までは体力が持たなかったか。


●瀧本雄太、星野優大(舞浜)


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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