えすぱっ子
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2002年10月14日(月) Jユース杯 予選リーグ ヴェルディ戦(A)

02年10月04日13:00開始 ヴェルディグラウンド
 第10回Jユースカップ2002・Jリーグユース選手権大会 予選Dグループ
 対 ヴェルディユース(A)

▼布陣
−−−−−仁科−−阿部−−−−−

−大瀧−−枝村−−浩太−−拓也−

−森安−−高山−−渡邊−−天野−

−−−−−−−海人−−−−−−−

控え:風間、高柳、篠田、雄也、田淵、上埜、岡村
交代:後半39分:大瀧→岡村(そのまま左MFへ)

ヴェルディユース:

−−−−−中島−−田村−−−−−

−中野−−小野−−富田−−下地−

−小澤−−塗師−−保谷−−一柳−

−−−−−−−菅野−−−−−−−

交代:なし


▼試合展開
試合開始30分ほど前に、よみうりランドに到着。クラブハウス玄関にグラウンド見学をする方は、回り道をするように指示が。ええ、回りました、回りましたとも。クラブハウスの裏側に迷い込んだ時、一般人が普通に歩いてて唖然としましたとも。
そんなわけで、結局開始数分前に到着。ま、いつものとおり、か。

ヴェルディ三連戦(トップ・サテ・ユース)、エスパルスの二敗で迎えた最終戦(涙)。
エスパルスユースは高円宮杯戦以来、約1ヶ月半振りの公式戦。そして新監督の緒戦。さらに、3年生にとっては、徐々に進路が確定していく難しい時期である。
対するヴェルディは、主戦の根占を早々にトップに合流させ、不在。

高山の腿に巻かれたテーピングの痛々しさと、枝村の光を反射するスパイクの輝きの華々しさが目立つ序盤戦。絶叫系マシンからの轟音と悲鳴が響き渡るグラウンドは、なかなかのアウェイと言えよう。三保は、汽笛が高らかに鳴り響くが。
共に慎重にパスを回す「らしい」展開だが、前半9分、天野が足下に入れたパスを浩太が反転、右サイドにスルーパスを出し、阿部のセンタリングはDFに当たりCK。
大瀧の右CKはクリアされるが、枝村が拾って高山がトップ下の位置でターンを繰り返し、DFとは思えない技巧的キープ。最後、軽く戻して仁科がミドルを狙うも枠上。
だが、浩太の判断が渋りがちな清水は、徐々に中盤の支配権を明け渡してゆく。

14分、ヴェルディ左MF中野が深い位置からアーリークロス。簡単な攻撃だが3列目から飛び出した富田をマークできず、ボレーシュートを放たれるも枠外に外れる。さらに直後の縦パスに富田がフリーになるが、これもシュートミスに助けられる。
対する清水も18分、左の大瀧からPA手前の仁科の足下に。溜めてタイミングを図り、裏の阿部にスルーパス。しかし半端に力を抜いたループは枠外に外れ、攻撃は単発に終わる。

20分、ヴェルディの中野が又もアーリークロス。ファーに逃げるボールで簡単に田村をフリーにするも、ワントラップシュートはジャストミートせず、ポストに助けられる。リバウンドを下地がスライディングで突っ込むが、DFに当たりCKへ。
このCKのコボレを仁科が拾い、左スペースに長い縦パス。阿部が追いつが、タックルを我慢したDFに迷いを見せて戻してしまう。枝村のミドルはブロックされ、好機を逸する。
ヴェルディは23分にも中野が駆け上がり、浅い位置からアーリークロス、ファーの下地がフリーになり、ヘッドの折り返してゴール前に中島が満を持してシュートに行くが枠上。多分に相手のミスと幸運に救われて、窮地を脱する。

すると清水は、一向に動かない浩太のスペースを、枝村と仁科が利用し調子を取り戻す。
26分、枝村と入れ替わって下がった仁科から、阿部に縦パス。ポストして浩太に戻すと、仁科が浩太の横に駆け上がりパスを受けるも、DFに潰される。
33分、枝村が軽く溜めると足先の動きだけでトリッキーな浮き球スルーパス。阿部が右に回りながらウェーブで受けてボレーで狙う、…が精度はテポドン級。がっくし。
35分、枝村がドリブルで前のスペースを埋めると、左の大瀧へ。大瀧は大きく開いて受けてセンタリング。ライン寸前でファーの阿部が頭で折り返すと、ゴールの至近距離に飛び込んだ枝村がヘッド! 完璧に崩した展開だったが、枠外。

浩太も37分、トラップに手間取りつつ右に開いた拓也へ。前のスペースにパスを返すと斜めに走った浩太が駆け込み、キレのあるセンタリング。走り込む阿部に惜しくも合わず。
38分、再び枝村と入れ替わった仁科が縦パス、左の大瀧からライナー性クロスはCKに。
浩太の左CKはショートコーナー、近寄って受けた大瀧が反転してセンタリング。中央の阿部がGKの目先で合わせるが、僅かに上。網を殴りつけ、珍しく感情を露わにするブン。
前半ロスタイム。右サイドでFKの機会を掴んだ清水。浩太のキックは緩い軌跡を描いてファーの大瀧に。ボレーはDFが跳ね返すが、クリアを仁科が拾いヒールリフトで混戦に突入。潰されて転がったボールを高山がミドルレンジで狙うも、弱すぎて楽々GKが拾う。
そして、ここで前半終了のホイッスル。
W杉山が機能的でないのが不安ながら、調子を取り戻してハーフタイムへ。

後半開始も、流れは清水。
2分、相手フィードを拾った海人からスローイング。受けた大瀧が中央突破、一気呵成にPA手前まで突入すると軽くDFを交わしてミドル。勢いはあったが枠上。
6分には仁科の溜めて戻したボールを、今度は浩太が軽く刻んだ後にミドル。これも威力あり枠内を狙うがゴール前の 阿部がクリア(…)。
8分、自陣から大瀧のパスを仁科が左足カカトで返す妙技。大瀧はさらに前線の阿部にフィード。阿部はDFを背負って耐えるが戻した後に潰され、仁科のリターンは届かず。
12分、速攻を阿部がPAまで戻ってクリアするも、ヴェルディ最終ラインが拾う。阿部が戻れずにノープレッシャーの中、ボランチの富田が声と手を挙げてPA内へ駆け上がる。丁寧にそれを確認した塗師が前方フィード。実に分かりやすい攻撃だったが、森安が富田に競り負けて中央に流されると、渡邊も田村を抑えきれず、PA内フリーでシュート。これを止められるはずもなく、ヴェルディが後半最初のシュートで先制する。0−1

だが清水も直後の14分、枝村がPA手前の仁科へ縦パス。軽いステップでDFを外すとミドル。ゴール角を入念に狙ったが、GKが鋭く弾いて右CK。
大瀧のCKをニアの阿部が「点」で合わせ、ファーサイドに流し込む。同点。1−1。消える時間も長かっが、機会を逃さず仕事をした阿部と大瀧は見事。

さらに19分、右サイドのFKのクリアを浩太が拾うと、仁科が受けて混戦の中でキープ。近寄った拓也とのワンツーで抜け出しシュートも、ヤナギサワゾーン
22分、浩太の縦パスを阿部がキープ。DFは前半同様当たらずに我慢するが、阿部は外に回った大瀧を囮に痛烈なライナー性ミドル。しかし僅かにゴール右に外れる。
27分、下地の猛ダッシュのドリブルに、真向から森安がタックルして倒してしまう(森安に警告)。
清水右サイド深い位置でのFK、蹴るのは中野。そのキックはゴールライン際をライナー性でスライドし、ニアの中島が軽く合わせてファーに流し込む。1−2
清水DF陣は、触れるどころか競り合うことすらできなかった。これをFKの素晴らしさを称えるか、皆目改善されないセットプレーの守備の脆さを嘆くかは見る人による。なお、ヴェルディは、これが後半2本目のシュートであった。

再び反撃に移る清水。29分、枝村の縦パスから仁科が巧みにマークを外すと、追い越した枝村にリターン。枝村のスルーパスは、やや戸惑った分、阿部が一つ遅くオフサイド。
31分、ロングフィードを高山が競り合いで潰し、拓也が拾って浩太へ。浩太は阿部の足下に入れるがDFがクリア。これを大瀧が拾い、PAに突っかけると見せてサイドチェンジ。拓也が抉り、PA内の仁科に渡すが、高山との競り合いで相手が倒れていたため、外に出した。なかなかのフェアプレー精神也。天晴れ。

しかし、前半途中からの流れであれば十分に同点は可能なものだが、既に浩太は腰に手を当て、かなり苦しそうな様子。チーム全体にも重苦しい雰囲気が漂う。
そして逆に35分、ゴールキックを森安が後方に任せるが、高山の対応ができておらず、クリアをかぶってしまう。田村が拾って独走しドリブルシュートを放つが、枠外。
この後、大きな展開は封印して局地戦に終始してしまい、自ら物量作戦に陥って万事休す。新監督は、黒星スタートとなった。

しかし、アウェイのヴェルディユース戦は、恐らくは最大の大一番。築館氏にはこの敗北で窮屈になることなく、自分の色を出していってほしい。とりあえず今回のメンバーと交代は、あまりに冒険が少なかったと思いますので。


▼試合結果
ヴェルディユース 2−1 清水エスパルスユース
 得点:57分:VE・田村 直也(富田晋伍・ショートパス)
    59分:清水・阿部文一朗(大瀧義史・右CK)
    72分:VE・中島F一生(中野裕也・FK)



▼選手寸評
山本海人  6.0 ミスは無いが好守も少なく相手ミスに助けられた。フィードは不安定。

天野数士  6.0 サイドに流れる中島をよく抑えたが、長短のパスで判断ミス多し。
渡邊優希  4.5 カバーリングが遅い。かぶったり簡単に競り負けたり空中戦は致命的。
高山純一  5.5 地上戦は読み・技術共に完璧だが、空中戦でかぶる場面が何度か。
森安洋文  5.0 相手の巧さで身体能力を消され、未熟な部分を見せる。守備が後手に。

杉山拓也  4.5 持ち味の突破力を全く披露できず。守備でも中野に好き放題を許す。
杉山浩太  4.0 運動量が絶対的に少ない上に消耗も激しい。むしろ体調が心配なほど。
枝村匠馬  7.0 獅子奮迅。精力的に奔走、中盤の潤滑油に止まらず前線にも飛び出す。
大瀧義史  6.0 絡む機会が少なすぎるが、ボールを持った時は確実に仕事をしている。

仁科克英  6.5 粉骨砕身。挺身的に動き、トリックで翻弄。シュートミス分だけ減点。
阿部文一朗 6.0 考えられた守備に迷いが見え、身体能力不発。それでも得点は見事。

岡村総一郎 --- 交代後5分間ほど使われず。終了直前まで、唯一積極的だった選手。

※採点は雑誌などよりは点差をつけ、分かりやすくする方針にしています。
 浩太は厳しく採りましたが、プロになれば理不尽な批判も浴びるもの。
 批判・批評などに負けてほしくない。今後の試合で見返してやればいい。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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