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2002年08月24日(土) 高円宮杯 仙台育英戦

02年08月24日16:00開始 
 高円宮杯 第13回全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会 1回戦
 対 仙台育英学園高校

布陣
−−−−−−仁科−−阿部−−−−−−

−−大瀧−−−−−−−−− 杉山拓 −

−−−−−−枝村− 杉山浩 −−−−−

−−森安−−高山−−渡邊−−天野−−

−−−−−−− 山本海 −−−−−−−

交代:後半00分:杉山拓→山本真(そのまま右MFへ)
   後半15分:大瀧 →鈴木 (そのまま左MFへ)
   後半44分:渡邊 →篠田 (3バックに移行、篠田を左MFに)

仙台育英学園高校:

−−−−−−内野−− 原 −−−−−−

−−−−兼田−−−−−−都築−−−−

−−−−−−富井− 佐々木 −−−−−

−−飯川−−浅田−−朝光−−石毛−−

−−−−−−−−中浦−−−−−−−−

交代:後半24分:内野→庄司


試合展開
 村井駅に到着。さあ歩くぜ! と思ったら、いきなり逆方向に間違える。気を取り直してアルウィンへ。駅から1時間弱。コンビニはスタジアムの近くまでない。車の交通量が多くて、やや不快。歩行者が全く見当たらないのは、いつものこと。恐らく、日本で最も歩く距離が長いのは、東京人だろう。地方は車社会。

[前半]
 清水は相変わらず慎重な立ち上がり。ただ、相手とボールの間に強引に体を入れて奪うのが、ゼムノビッチ以降のユース伝統の競り合い方になっているのだが、今日の審判はこれをファウルと判定するようだ。個人的には、この競り合いから、相手を怪我させることはないと思うのだが。過度に接触プレーを嫌う審判の時は、苦戦する傾向あり。やや不安。
 立ち上がり、仙台育英の挨拶代わりのシュートがあっただけで、動きのないまま13分。中盤で受けた仁科が体を半身にずらしながら反転、突破すると阿部にクサビのパス。阿部はDFを背負いながら時間を稼ぎ、左に流すと、駆け上がった大瀧が数タッチでセンタリング。中央に動いていた仁科が頭で合わせ、さらに飛び込んだ拓也がゴール直前で右足で押し込む。完全に決まった形だったが、仙台育英DFがライン上、奇跡的なクリア。だが、以後は高い技術でキープする仁科を機動拠点として、清水が流れを掴み始める。16分、飛び出した渡邊がカット、そのまま中盤を抜き去ってPA直前でミドルを放ち、DFに当たったコボレを、仁科が足を精一杯伸ばしてシュート、だが枠外。
 一方、動きの鈍い浩太の影響で中盤のプレスが緩く、相手に殆ど攻撃させなかったクラブユース選手権と異なり、中盤に余裕を与えている。その仙台育英に20分、真ん中を割るスルーパスを出されるが、高山が体を入れ、ゴールラインに逃げる。21分、左を深く抉った大瀧のクロスを、一気に逆サイドMFがダイレクトで合わせる清水ユースのお家芸が飛び出すが、これは拓也お株の宇宙開発。23分には仁科の美技。足下のボールを足を開きながら左足内側に移動、瞬間、左足を入れ直してアウトサイドキックでさらに左に。鋭いサイドステップと組み合わせマークを外すと、放ったミドルは枠外。
 だが、攻めてはいるが、浩太が機能していないため、中央の最短距離を突く早い展開は不発。仁科が下がってゲームを創るため、前線に受け手が少なく、読まれやすい。また阿部はファウルを嫌ってか体を張れず、ポストが機能していないため攻撃の厚みに不足している。

 35分、浩太の横パスを受けた大瀧がスペースを持ち上がり、後ろから森安が猛ダッシュ。大瀧は森安に渡してさらに左外に回り、溜めた森安のスルーパスをセンタリング。DFに当たり、森安が拾って再度送るが、CKに。左CK、蹴るのは浩太、狙うはファーの高山。ボールは綺麗にPA密集地の上を通り抜け、高山に届こうかというところで、仙台育英DFが突き倒してしまう。ややラッキーなPK。蹴るのは仁科。定石通り、GK左脇下を丁寧に狙ったが、読まれた。失敗。
 動揺の残る清水は、37分、清水PA前で奪って浩太が展開しようとするが、取り返される。渡邊はラインを上げて詰めにいく。だが奪われた浩太のチェックが緩くて出し手に対しプレスレスになってしまい、その齟齬を突いたスルーパスで、中央に抜け出した原がGKと1対1に。海人の飛び出しは速かったが、原はトラップをせずに落ち着いて右脇下にボールを通した。0−1。仙台育英、これが2本目のシュートであった。
 追う清水は、無理押しで阿部や仁科が突破を図るが、集中する仙台育英守備陣に潰され、最後は浩太のFKが枠を捉えるもGK。後半へ。

 仙台育英      清水エスパルスユース
 3(1) シュート  4(2) 拓也○、仁科×、拓也×、仁科×
 0    (FK)  1(1) 浩太○
 0    (PK)  1(1) 仁科○
 1(0) 右クロス  6(1) 天野×、浩太×、拓也×、仁科×、拓也×、拓也○
 2(0) 左クロス  6(2) 浩太×、大瀧○、大瀧×、大瀧○、大瀧×、森安×
 2(0) 左右CK  5(1) 大瀧×、大瀧×、大瀧×、浩太○、大瀧×
 1    オフサイ  1

 シュートは、DFにブロックされたものは含めていない。
 クロスは横ベクトルの方が大きく、原則としてPA内に送った大きなパスを指す。
 (FK)は、FKから直接シュートを狙ったもの。枠内率が格段に異なるので、別にした。

[後半]
 後半開始と同時に、拓也に代わって真希。高円宮杯は今年から飛び級が許されたが、山本真希は記念すべき、最初の中学生出場選手となった。早々1分、浩太が戻したボールを受けて森安が攻め上がり、開いた大瀧へ。大瀧が丁寧に斜め45度で戻したボールを、浩太が駆け込んでペネトレイト。PA内で囲まれ、後ろから潰されたに見えたが、今度はやや不運なノーファウルの判定。しかし、浩太の運動量が復活したことで、その分、高山や渡邊が狙って中盤の潰しに飛び出す機会も増え、攻撃に厚みが出てくる。
 5分からの攻撃。仙台育英の縦パスやクリアを、オフサイドと最終ラインの飛び出しで繋がせず、波状攻撃を仕掛ける。結局、最後は右CKを得ると、そのこぼれ球から枝村がミドルに行くが、これもDFブロック。ボールを完全に支配しながら、クロス・シュートという決定的な仕事ができない。14分、仁科が不用意な相手バックパスをカットし、中央から左の大瀧に展開、大瀧はタックルを飛び越えて抜くとセンタリング、阿部が頭で折り返すが、これをDFクリア。しかし、これも拾って今度は右へ。真希がスペースを突いてから戻して、天野がアーリークロス、だが、直接ラインを越えてしまい、やはりシュート0に終わる。
 逆に20分には阿部の強引な突破を潰されたクリアボーに対し、前に出ていた最終ラインが目測を誤り、1対1になるが、手早く動いた海人が体ごと飛び込んで、潰す。

 21分、浩太のパスを阿部がキープ、浩太が阿部の左横を追い越ながらリターンを受け、右へサイドチェンジ。真希がセンタリングを送るが、惜しくも阿部に合わず、逆サイドに流るが、鈴木が追いついてセンタリングはDFクリア。これを拾った浩太が突破を仕掛けて潰され、FK。浩太が軽く右に動かしたボールから、鈴木がゴールを狙うが、惜しくも右へ。鈴木は27分にも、左から中央に流れてパスカット、仁科に渡しながら全力ダッシュで追い越し、PA内に侵入、縦パスのリターンにスライディングシュートを放つも、枠外。
 しかし、この辺りで浩太の運動量が停滞し、中央の崩しが喪失。枝村が巧みに左右に散らすのだが、左サイドは連携が悪く、右ばかり頼る単調な攻撃に。それでも真希が、戦術的かつ身体能力を生かした動き出しで再三再四サイドを抉るが、どうにもセンタリングの精度が悪く、無駄に時計は進んでいく。
 ここで、行徳監督も決断を下す。機能的とは言えないがアグレッシブに動いていた鈴木を右FWに入れ、前線に活力を入れると同時に、仁科を下げ気味にし、浩太に代わってゲームメイクを託す。さらに瀬戸際の44分には、篠田を渡邊の代わりに投入して、3バックに移行。

−−−−仁科−−阿部−−鈴木−−−−
−−篠田−−−−−−−−− 山本真 −
−−−−−−枝村− 杉山浩 −−−−−
−−−−森安−−高山−−天野−−−−
−−−−−−− 山本海 −−−−−−− という、非常事態体制

 ロスタイムに入り、枝村が右サイドライン際で持ち、暫く相手DFとラインの距離を計算、するや、ボールをラインギリギリに転がしながら、華麗な2人抜き。そして、低く速く鋭く入れたセンタリングに、阿部が、仁科が飛び込むが…、合わず。なおも、清水は真希が中盤でボールを持つとスルーパス。これがPA内の阿部に遂に通り、囲みに来る仙台育英DFを、一人、二人とクイックネスで引き剥がすと、至近距離でシュート!…、だがGK、見事な反応でこれをセーブ。そして笛。
 ボールを支配しながら、ゴール前の人垣を崩しきれなかった、清水の力不足であった。

 仙台育英      清水エスパルスユース
 1(0) シュート  5(2) 仁科×、鈴木×、鈴木×、浩太○、阿部○
 0(0) 右クロス 11(0) 真希×、真希×、天野×、真希×、真希×、真希×、真希×、
                 真希×、鈴木×、鈴木×、枝村×
 0(0) 左クロス  4(1) 大瀧○、鈴木×、鈴木×、森安×
 2(0) 左右CK  2(0) 大瀧×、大瀧×
 3    オフサイ  0

 ブロックしたものを含めれば、もう少し増えるが、追う展開でシュート5本では…。クロスはアーリーは少なく、殆どがある程度は抉ってフリーになった状態のセンタリング。にも関わらず惨憺たる数字になったのは、キックの質の問題が大きい。結局、仙台育英は枠内シュート1本で、逃げ切った


試合結果
清水エスパルスユース 0−1 仙台育英学園高校
 得点:37分:仙台育英


選手寸評
山本海人  6.5 失点はノーチャンス。大柄ながら機敏さを披露して1対1ストップ。

天野数士  6.5 後方に控え、過怠なき守備から真希の動きを適切に掴み、攻撃を創る。
渡邊優希  7.0 中盤が支配できず、ラインの舵取りに苦心。失敗は僅かな数だったが。
高山純一  7.5 狙って前に飛び出すだけでなく、後方への警戒心も抜群。
森安洋文  6.0 守備はほぼ合格。大瀧に上手く使われたが、鈴木とは持ち味が重なる。

杉山拓也  6.0 仁科・天野と高い連動性を見せるなど、決して悪くはなかったのだが。
杉山浩太  4.5 「クラセンの1/3以下」とは監督談だが全く同感。安易なミスを多発。
枝村匠馬  5.5 広大なスペースを埋めながら左右に散らすが、縦のスペースは使えず。
大瀧義史  5.5 余裕が有れば好機を演出したが、競り合いに劣勢で機会が少なすぎた。

仁科克英  5.5 中盤なければ有機的な動き出しも意味なし。出し手に回り奮戦したが。
阿部文一朗 5.0 同じく中盤不在で縦の速さは多くが無駄に。それでも幾つか好機も。

山本真希  6.0 キックは問題だが右サイドを闊歩したのも事実。攻守の切替が速い。
鈴木真司  6.5 連動性を無視した空回りが前線に活力を導く。意外性はFW適性か。
篠田大輔  ---


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○星稜高校−名古屋グランパスエイトユース

星稜                名古屋グランパス
−−−−−竹谷−−田中−−−−−  −−−−−−−津田−−−−−−−

−本田−−−−−−−−−−麦田−  −−−平林−−遠藤−−森敬−−−

−−−新田−−金田−−出村−−−  −−−−−鈴木−−稲垣−−−−−

−−−辻田−−杉森−−森俊−−−  −深谷−−諸江−−小寺−−富岡−

−−−−−−−新田−−−−−−−  −−−−−−−森真−−−−−−−

本田→豊田、竹谷→表、杉森→作田  鈴木→森賢、遠藤→永芳、稲垣→立道

星:DFの不用意なパスを田中がカット、対面を交わして折り返すと竹谷が余裕のゴール。
星:DFのスライディングタックルで前に転がったボールを、麦田が25M豪快ミドル。
 前半終了:星稜2−0名古屋グランパス

星:新田が外に流すと本田が左でフリー、折り返しを巧くマークを外した竹谷が決める。
星:右アーリークロスに、またも竹谷をPA内でフリーにしてしまい、見事なボレー。
名:平林→森賢→深谷と繋いでスルーパス、遠藤の折り返しを津田がごっつあんゴール。
名:永芳が左突破、マイナスの折り返しを森敬がダイレクトで前、津田が1対1を沈める。
名:右ライン際、森敬が強引にマークを越えるロビングを上げたが、直接ゴールへ。
 試合終了:星稜4−3名古屋グランパス

 4−0からのドタバタ逆襲劇。名古屋としては集中力を欠いた4失点目が結局痛かった。
互いに鋭い前線の突破力と、簡単にフリーの選手を作ってしまう最終ラインのポジション取りの悪さが目立つ、大味な試合となった。
面白かったけど。


 結局、その日は東京に戻れなかった筆者は、満室ばかりの松本を諦め、甲府へ。土曜の夜ということで、甲府でもホテルを数軒巡つこととなったが、漸く何かと重い体を休ませ、眠りについたのであった。無念。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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