生まれたときから猫がいた。正確には私が生まれる半年くらい前に父が拾ってきたらしい。赤ちゃんが生まれるのに、猫を飼うのは良くないと言われても、両親は飼うことにした。ミルクの匂いがするからか、温かいからか、よく私が眠っているそばに来たらしい。引っ掻いたり噛んだりしないかとまたも心配されたが、幸い猫は心得ていた。覚えてはいないが、家の中でかくれんぼをして遊んだらしい。もちろん常に猫が隠れる側だ。そういえば、大きくなってもカーテンの陰に隠れるのが好きだった。