けんたのプロレス&演芸論
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2002年02月07日(木) 第1回 僕とプロレスの距離 〜はじめに〜

 プロレス、というジャンルほど、人によってかかわり方が極端なジャンルもないのではなかろうか。知らない人はとことん知らないし、人によっては知りすぎるほど知っている。僕の場合どうか。プロレスに興味のない人(たとえば妻)に言わせれば「マニア」なのだそうだ。でも僕に言わせてもらえば、「マニア」を名乗るにはあまりにも僕は程遠い。生観戦は4回しかないし、TV中継を欠かさず見るわけでもない。サムライTVもGAORAも加入していないし、ルチャドールの名前を10人と言えないし、持ってるグッズといえば「カクタス・ジャックの直筆サイン入りTシャツ」くらいなもんだ。こんなのは「マニア」はおろか「プロレスファン」とさえいえないのではなかろうか。もっとも、4回も生観戦、しかも2回がFMWでくどめの電流爆破を見ているとか、1・4ドームを録画して見ながらテレ朝批判をしてみたりとか、サムライTVの存在を知ってるとか、ルチャドールという言葉を知っているとか、カクタス・ジャックのTシャツを保存しているとか、もうその時点で「カタギ」から見れば「マニア」なのだろう。週プロ買ってたし、その週プロを母や妻が捨てようとすると怒ってたし。

 でも、そんな僕の、プロレスとの距離がやや変わってきた。旧知の友とばったり再会したときのことだ。彼は僕以上の、いや僕なんかと比べてはいけないレベルのプロレス者で、ルチャリブレを見るためにメキシコに行ったりするほどなのだが、以前の僕はそんな彼に連れられて川崎球場へ行ったりしたものだ。彼から見れば、僕があの「ターザン山本」(週刊プロレスの元編集長)の高校の後輩だということが親近感を起こしたのであろう。そんな彼と再会したとき、話題は当然プロレスの話になった。彼は当時の最新ネタを僕に振り、僕の意見を求めたのだが、僕は十分な回答を出せなかった。そのときの僕の言い訳は「最近週プロあまり読んでないんだよね」、だったのだが、それを聞いた彼はそうだろうな、という顔をしたのだ。そのときの彼の言葉は今も焼きついている。

「結婚すると、みんなプロレスから離れちゃうんだよなあ」

 彼いわく、他の彼のプロレス愛好仲間も、結婚を機に離れていく人が多いらしい。そりゃそうだ。特殊性の強いジャンル、限られた情報源しかないために、それを漁る、その漁る姿に特異性が見られる。週プロを毎週買うだけでも月に2000円くらいの出費、増刊やらスペシャルやらまで買えばそこそこの額になる。増してや生観戦、ともなると出費が大きな上に、休日をまるまるつぶし、家族サービスがないどころか、わけのわからないお土産を買ってくる。これでは円満な家庭は築けまい。もちろん、妻となる人に理解があればいいのだが、理解してもらう努力をする前にこちらが迎合してしまい、話が先に進まないのだ。おそらく、旧全日本ファンほどその傾向が強いのではなかろうか。なんとなくそう感じる。

 というわけで、僕もその一人、現在のプロレスとのかかわりは「ニッカンスポーツ・ドット・コム」と「夕刊プロレス」「朝刊プロレス」の2つのメルマガ、に限られている。週プロはたまに立ち読みする程度。

 そんな僕の視点で、プロレスを語ってみたい。これを機に再びのめりこめるのか、それともこの文をつづることが僕のファイナル・カウントダウンになってしまうのか、それは猪木さえしらないだろう。馬場さんは知ってそうだな。


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