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2007年05月20日(日) ありがとう。ごめんなさい。

1年前の今日。
今までで1番後悔した日。

それはいつもと変わらないはずの日常。
いつもと同じように学校に行って。
いつもと同じようにかかってきた電話を無視した。
いつもと同じようにわんこの散歩に行って。
いつもと同じように親が帰ってきて。

いつもと何も変わらないはずだった。

ただあたしが、あたし達が知らないだけだった。

1本の電話から全てが変わったかのように。
現実を知らされただけだった。

あの日の車の中をあたしはきっと一生忘れないと思う。
あの日の、あの光景をあたしは一生忘れられないんだと思う。


あの日、あの時会ったあの人にはもう何も通じなかった。


あたしは
何も出来なかったわけじゃなくて
何か出来る時に何もしなかった。

本当は覚えてる。
犬が飼いたかったあたしに犬を飼ってくれたこと。
雨の日にとうまの散歩に行ってくれたこと。
どうしようもなかったあたしに「泣いて楽になるんだったら泣けば良い」って云ってくれたこと。
大学の入学式にこっそりと来てたこと。
そして、あたしが最期に云った言葉。
何も云わなかった日々。
知らなかったことを憎んだ過去の時間。

たった1人で
たった1人で
たった1人で

たった1人で終わりを告げたあの日。

「ありがとう」も
「ごめんなさい」も
伝えれなくて
恨むことしかしなかった。

軽く考えていたあたしに
本当の意味を教えてくれたこと。


何万回「ありがとう」って云っても
何万回「ごめんなさい」って云っても
もう通じなくて
どうしようもなかったあたしを
どうにかしてくれたこと。


もう伝えられないけど
もう通じないけど
ありがとう。
ごめんなさい。
段々と薄れていく気配の中で
だけどあたしは一生忘れないと思う。
一生、あの日の、この時間だけは忘れないと思う。

ありがとう。
ごめんなさい。


涼子 |MAILHomePage