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■異次元
独り暗闇の部屋に 僕は 異次元の入り口を見つけた 向こうに行くべきだと僕はとっさに悟る そっと手を差し伸べている 誰かの影が見えていた 無言で立ち上がりそこへ歩み寄れば ただずっと蒼い草原が続く 僕の真横で溜息をついた彼が 赤い実を食べて倒れていた 僕は確かにここは異次元だと言ったが? 口をついた彼の言葉に僕は立ち竦む 「ここはどこなんだ」 見渡せば瓦礫に埋もれた小さな花が見える 崩れた街並みが僕を脅かす 気が付くとまた僕は青い草原にいる しかし空は赤く 記憶が映像のようにジグソーパズル仕立てで並んでいる 僕は後悔した この場所に来た事に 彼に手を伸ばす・・・ ああ、彼は何処に?
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■水道
水道の蛇口を捻ったら
キュウという鈍い音がした
それは あの国の
人間の叫び声のようで
僕は怖くなって俯いた
僕の周りにたくさんの水・・・
水面に映った僕はにっこりと微笑んでいた
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■彷徨う
僕は切なさで壊れそうだ 淋しさに潰されそう 本当は大した事じゃないのかな? 大人になったら綺麗な思い出になるわ あの人は一言二言そんな言葉を吐き出し 僕をもっと深いところへ押しやる 気持ちもいつしか消え去って 僕は必死で立ち直ろうとしている
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■ぼんやりと
ぼんやりとあなたをみていたら 涙が出てきました はるか彼方の地平線で いつの日か幾度も抱き合ったけれど
そっとあなたの声が届いて 立っていられなくなりました 遠い月の夜に あなたの記憶を花飾りで包んだけれど
何処かふとあなたの視線が舞って 桜のように散っていきました
ただゆっくりと ゆっくりと
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■最後の願い
神様 最後の願いよ
もう二度とあなたの前には現れない
何度もここへどうして来たのか
不安で仕方なかった
闇が支配し始めるのを
よく 眺めていたものだ
小さな本質を守るのがわたしのすべてだ
本当の意味なんて判らない
神様 最後の願いよ
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■波
波があなたを連れ去ってからもう何年経つんだろう
僕も戻ってこない
いつまでも戻ってこない
寝ているときも起きているときも
同じくらいに・・・悲しみを・・・
不誠実な僕の心を
温かい海へ沈めるのはあなただけだ
何度も僕を突き放して
遠い あなたは きっと 永遠に
そうして僕の真実はまた汚れていくのだ
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■食べ物
大切なのは他人を思いやる気持ちで 本当は自分はどうなってもいい筈だった けれどそれはいつの時代か 白けた奇麗事になってゆき 人々は相談の仮面で 悲劇のヒロインに成り下がっていった たくさんたくさん考えたのに 何も知ってはいなかった 生まれた時に神が植え付けた脳という実に 僕の肉体も支配されているだけだった ・・・自由はどこにもない・・・ そのうち腐って神の大好きな食べ物になる だから哲学は進歩しない 動かされてるのは体のほうで 行動に移さなければ意味が無いなんて 馬鹿達に振り回されてきた それは神に賄賂を贈った下衆達で もう魂さえ消えかけてるのを僕は見たんだ 考えているふりをして 僕は何も考えていなかった 大切なのは他人を思いやる気持ちだったのに
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