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今日の私
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| 2004年09月07日(火) |
『新選組!』第35話「さらば壬生村」 (訂正済) |
<お詫び。9/8 18:40追加> 職場でこっそり更新したはずの今日の日記、 急いでいたせいか特殊文字を入れてしまったらしく、 本文に当たる部分がほぼ全く入力されていませんでした。 今日は遅くなる予定で、現在コイン式のネットから 書き直しているので、続きを思い出して書けないのですが、 明朝必ず全文をアップします。本当に申し訳ありませんでした。
<お詫びのその2。9/9 02:40追加> 帰宅してから「お詫び」に時間を書き足そうと見たところ、 書き込んだつもりの日と日付が違うことに気づきました。 あれ?と思って、書き込んだつもりの9/7をチェックすると、 なんと、全文きちんとアップされてるじゃないですか! すみませぬ・・・。
という訳で、お騒がせしましたが現時点で全文あります。 中途半端に書き込まれていた9/8は削除いたしました。 ちなみに今日は『Rhythm Rhythm Rhythm』観劇。 なるべく早めに感想をあげたいとは思っています。
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日曜日に録画していたBSをやっと見ました。 ちょっとね、季節の変わり目に中1日でマチソワを繰り返して、 合間で飲み会も数回やってたら、さすがにぐったりきて早寝続き。 地震だ台風だってことになってるのも ほとんど知らない間に、 母が乗った新幹線が止まってたり、いろいろあったらしい。 自分では、何も知らずに窓開けて寝ていたら、強風で 思いきり吹き込んだ雨で十数冊のパンフレットがびしょ濡れ になるという程度の被害でしたが(いや、すごく悲しいけど)、 慌てて掲示板など回りつつ、友人の被害状況見て回ってます。 皆様、お変わりなくお過ごしですよね?
『新選組!』第35話「さらば壬生村」
私は三谷さんの「笑い」より「泣かせ」に弱いんだと思う。 今回は、タイトルからして「さらば」なんてのになってるし、 回想シーンてんこ盛りで、さあ泣け、ほら泣けの回。 安易にこういうの大好きなんですよ。あ〜ん(ToT) 三谷さんとしては稀有なほど、違和感を感じる女性がいなくて、 女性陣全員を素直に見られた点でも、なかなか拾い物の回。
やっぱり、八木家の方々との別れが一番きたかな。 近藤勇と為三郎とのシーンなんて、最近の勇の中で最高ランク。 たまちゃんとの時も思ったけど、慎吾って、子供相手のほうが 気張らずいい演技ができてるような気がするんだよなぁ。 大きくて優しい笑顔で、これなら局長らしい包容力も感じたり。 あとは、ちらっとだけ映った「芹沢」の文字が気になったけど、 為三郎が鴨に竹とんぼ作ってもらった場面とかも、ついでに ちょっとだけでも入れてくれたら、またウルウルしたんだろうに。
それから、大好きだった久ばあちゃん。 オープニングテロップで「久(回想)」で予想ついたけど、 やっぱり箒の場面が何度も何度も使われて、じんわり。 そうなると、臨終の時の「違う」も欲しいと思っちゃうんだけど、 鴨同様、そこまでやるとやりすぎ、って感じになるのかなぁ? 「あんな事もあった、こんな事もあった」と見ている側が個々に 思い出すほうが切ないといえばそうなのかもしれないけど。
ひでちゃんは・・、ごめん。切ない場面で結構好きだったけど、 どうしても、総司の方がはるかに美人なのが気になっちゃって。 それと「証が欲しいの」は、どう解釈したら良かったんでしょう・・・。 あと、3/10なのに(珍しく日付を覚えてたのは父の誕生日だから) 満開の桜が散っていたのも、嘘くさい演出で、何か嫌だったかも。 そういえば、焚き火で焼きいもしていた人も。季節感なかったね。 この、ひでちゃんのことを八木夫妻と話し合う土方さんは、 久々に安心して見ていられました。どうも私は「鬼副長」さんは 苦手で仕方ないので、基本的に土方ファンにはなれないらしい。
回想ばかりでなく、現在の場面も、結構ほんのり いい話が多く。 特に源さん。山南さんが亡くなってからとみにポイント上がってるけど、 周平に対する細やかさがいい。「井上源三郎嘘をつきました」って。 「特別扱いはしない」という、当然ではあるけれど冷たい気もする 北風さんやっている近藤に対して、フォロー入れる源さん。 近藤家の後継ぎに対してのその忠節に、思わずまたうるり。
しかし、本当に局長は厳しくなったんだなと思うところも。 周平に対する態度もそうなんだけど、配る手ぬぐいにはビックリ。 微笑み一つ見せずに、しかも安い方を選ぶんですか・・・。 「かっちゃん」には有り得ない感じが、回想シーンと並ぶとまた辛くて、 どこまでいくんだろう・・・と思ってしまったり。
でも試衛館メンバーにだけは、結構くだけてるんですよね。 左之への「何回くだけたと思ってんだ」の言い方なんて、好き〜♪ 近藤と永倉が落籍してきた理由として山南さんが繰り返し使われて、 ちょっとムカムカしていたところだけに、あれは和めて嬉しかった。 しかし、なんで山南さんの死をそういうふうにしか使わないかなぁ? どっちかというと、山南さんの明里への応対に関しては、 「本当に富士を見に行けるつもりだったのか?」という点とか、 ちょっと疑問の残る部分があるだけに、女性関連とばかり 絡めて使われると、彼の死が軽く扱われてるようでちょっと嫌。
あとは、今回初登場の増沢さん@中岡慎太郎が嬉しかった。 このドラマでの土佐人の特徴である明るさと真っ直ぐさが、 似合ってるし、竜馬より土佐弁も上手で、見ても聞いても嬉しい。 誰が何話ごろに殺すことになるのか知らないけれど、それまで、 たくさん出てきてくれると嬉しいなという人の初登場回でした。
<9/7 00:50追加> 9/4の日付のところに5日の観劇分の感想を書きました。 ページ上方の「昨日」ボタンからお進みください。 ただし、2本分ですので、またしてもえっらく長いです。
金曜日と逆パターンでマチソワ。 『I Love You 愛の果ては?』楽を観てから『ミス・サイゴン』。 開演時間を見ないで両方ともチケット取ってしまったので、 最近になって、ソワレに合わないかもしれないと気づく。 マチネは14時開演、休憩込み2時間15分。楽ということを 考えれば、終演時間は多分16時半を少し回るくらい。 パルコ〜渋谷駅は普通で10分、込んでいれば15分。 電車は待ち時間込み20分弱。千代田線〜帝劇5分強。 到着予想「うまくいって」17:10。帝劇開演は17:15・・・。
サイゴンは諸事情で外せなかったので、 泣く泣くパルコの楽を一度は手放しました。でも、 やっぱり諦められなくなり、チャレンジする気で再度 購入。 予想どおり、おまけの1曲を歌い踊ってくれたパルコ楽を 最後まで堪能してから、歩きにくい休日の渋谷をダッシュ、 電車の待ち時間に飲み物とサンドイッチ、ドリンク剤を購入、 銀座線渋谷駅発16:45。もちろん、乗り換えも走る走る。 頭の中でリピートしていた『I Love You〜』のテーマ曲が 爆スラの♪走る走る俺たち〜 に、すりかわった頃 帝劇着。 17:05。サンドイッチ食べて トイレ行って 軽く化粧直して、 開演前のエンジニアの挨拶も余裕でOK。勝利(^^)v
ただ残念なことに、すべりこんだ隣席の友人は、 体調を崩して昨日まで寝込んでいたらしいということ。 終演後は食事かなと、『新選組!』はタイマーかけてきたけど、 それは無理そうで、結局 終演後は「初 一孝-岡を観よう祭」 だったらしい観劇仲間たちとの飲み会になってしまいました。 そんな、マニア的イベントデーとは知らなかったよ。 どおりで、客席に知り合いが多いなぁと思ったんだよ。 ってことで、既に語り倒し済み。感想は数時間後に、 前日の日付の日記のところにでも書いておきます。 書いたらリンク張りますので。しかし、眠い。
| 2004年09月04日(土) |
(9/5観劇分)『I Love You 愛の果ては?』楽、『ミス・サイゴン』一孝-岡初日 |
『I Love You 愛の果ては?』14:00〜
<席番>PARCO劇場A列18番(4列目センター) <出演>川平慈英、堀内敬子、絵麻緒ゆう、戸井勝海 <演出>山田和也
結局、10日で6回行った舞台(^^;の東京楽でした。 直前まで来られるか分からなかった人や、年に数回しか 会わない人も含めて、客席には知り合いや友人がいっぱい。 開演前から、そんな雰囲気に嬉しくなりながら始まり。
「山田さんだなぁ」と思うことの1つに、 遊べる場所が決まってるコメディであることがあります。 きっちり作り込まれたうえにある余裕で魅せてくれるから、 自由に遊んでしまえる場所は結構少ない。というか、 演者の方にもそちらの方向で楽しませる舞台にしようという 意識があまりない中、日替わりは慈英さんがらみの2か所。
最初は、Act1 Scene4。 「しゃべる男たちと聞いているフリをしている女たち」の、 おまけ部分での男たちの主張では、戸井さんがいじられる。 女たちが勝手放題言いまくって去った後に、「俺たちにも 主張の場を!」と訴えた男たちに、ライトが再び当てられ、 なんとスポットライトの中、戸井さんから歌いだすという場面。 慈英さんが延々茶々入れて、歌わせてくれないんですよー。 苛められキャラの戸井さんが、ほとんど素のような状態を 慈英さんがうまく転がして転がしてやたら笑わせてくれて。
俺の出番だと必死で主張して注目を返してもらった戸井さん、 Act2,Scene2「赤ちゃんの両親は どうなっちゃったの?」の、 フランク夫妻の赤ちゃんバカっぷりに呆れかえり、ジュニアが 大人になったら連絡くれよ」とクールに帰るフレッドという場面で 雪辱戦を果たそうとしたところ、吹き出してしまった大バカ者。 このシーンの始まりで慈英&堀内夫婦が童謡の振り付けを 練習してるんですが、「君はこーんなことやってるんだよ」と、 フレッドが帰る直前にやってみせる。振り付け自体が今日は 人差し指を鼻に突っ込んだりとオーバーアクション気味で、 「さあ、できるかな?」とニヤニヤ見つめる慈英さんの視線に 戸井さん、自爆(苦笑)笑っちゃうならやるなー!
言ってみれば、振り付けをオーバーにした慈英さんの罠に 再び戸井さんが引っ掛けられたってことなんですよね。ダメすぎ。 しかも、引きずっちゃって続きのセリフでも笑いが止まらず。 観客は温かく笑ってくれたし、戸井さんが帰った後で慈英さんが 「残された俺はどうするんだよー!」って締めてくれたから 良かったけど、ちょっとダメ出したくなってしまった私。
でもなんかこの2人、テンポが合ってるみたいでいつも楽しげ。 カーテンコールでも、1幕ラストの♪結婚式の誓い を全員で エンディングの衣装のまま もう一度演ってくれたのですが、 逃げる新郎(戸井さん)を牧師(慈英さん)が追い掛け回す場面、 あんたたち、何を勝手にじゃれてるのよ!って妬いちゃうくらい。
野郎同士の仲の良さというのは、時々無性に羨ましいし、 傍から見ている分には楽しくていいんだけど、だけどさ、 えーと、この舞台のテーマって何だったっけ?と思ったり。 結局は「しち面倒くさい男女関係やってるより、同性同士で つるんでた方が楽しいことは確か」って見えちゃったんだけど、 楽日にそれって、まずくないのかな〜?(笑)
『ミス・サイゴン』17:15〜
<席番>帝国劇場L列26番(センターブロック下手側) <出演>市村正親、新妻聖子、石井一孝、岡幸二郎、 高橋由美子、泉見洋平、平澤由美、畠山紫音(タム)ほか <指揮>塩田明弘
「あ、納得」という感じの回。今まで、 若干の違和感を感じてきた石井クリス、岡ジョン、高橋エレンが、 組み合わさると、アメリカでも観られそうな「まともな」サイゴンに。 最初に納得した、井上クリス・坂元ジョン・ANZAエレンによる 「単純な明るさと、意識しない優越感に満ちたアメリカン」たちと、 ベトナムの人々との差が直接浮き上がってくる舞台ではない。 でも、アメリカが犯した罪が題材でありながらヨーロッパだけでなく アメリカでも受け入れられる理由が分かるような気がした舞台。
石井・(岡)・高橋だと「独自の正義感に満ちたアメリカン」色が強い。 やってることは全然変わらないのに、彼らなりに真剣に良い方法を 模索しているから、これを作ったヨーロッパ人としての視点を 忘れないように観ていないと、つい、間違って感動してしまう。 明らかに嘘くさい岡ジョンですら、あまりに三つ揃いが似合って かっこ良く、感動的に歌い上げるから、つい だまされそうになる。 今回も、何となくいい話を観たような気がして満足してしまっていて、 観劇後しばらくして いきなり「だまされた!」と気づいたり(苦笑)
多分、本当の『ミス・サイゴン』はこれなんだろうなと思った。 どうしたらいいのか、いつも真っ向から熱く真剣に悩むクリスと、 愛する夫の子を成し、今でも彼の夢に出てくる女性という存在に 女として苦しみながらも、夫の罪を償うため親切にしようとするエレン。 彼らに真剣に共感して素直な涙を流すも良し、「けっ!これだから アメリカ人なんてロクなもんじゃねぇ」と作品に拍手を送るも良し。 井上・坂元・ANZAだと、聡いアメリカ人は「バカにするな!」と 腹立ててしまうかもという気がする分、あくまで日本仕様な感じ。
あと、今日になって初めて、クリス(少なくとも石井クリス)の感情の 流れが、話の中でつながって理解できたのは、ちょっと感動でした。 アメリカでもベトナムでも自分の「正義」を貫ける仕事は見つからず、 くさっていたところに、ただ一つ見つけたのが「キムを守ること」。 純粋なそれを守り抜くことこそ自分の使命と感じていたのに、 それすらできず、とうとうアイデンティティの崩壊、言葉を失って。 エレンと結婚してからも、自分が保護すべきたった1つのものすら 守りきれなかった駄目アメリカンだという意識が悪夢となって現れる。 そんな感じ?もちろん、そういう存在である彼女に救われたのも 事実だろうけど、下手すると3人クリスの中で一番、キムのことを 女性(人間?)として愛していなかったのは石井クリスかも。
そんな感じで、アメリカ側がものすごい納得の舞台でした。 岡ジョンも石井クリス相手なら、政治的にでなく親しいと分かるし(笑) もちろん、泉見君も切なさいっぱいのトゥイを今日も安定して好演。 市村さんは相変わらずパーフェクトな市村エンジニアだったけど、 この、何度もリピートして味を噛み締めたくなるアメリカ側の前だと 完成されすぎた洗練度合いが、逆に物足りない印象があったり。 新妻さん演じるキムも、防音ガラスに囲まれてでもいるかのように、 歌からも演技からも感情が伝わってこず、見えてくるものから 何を表現したいのか推測するしかないのが何とも もどかしいので、 いっそ、筧エンジニアと玲奈キムを合わせて、濃いぞ!文句あっか! って感じのメンバーだと、きっと私好みなのかなとか思ってました。 (実は、筧・笹本・石井・岡・高橋の日って、存在しませんが。)
| 2004年09月03日(金) |
恐ろしく長文の『ミス・サイゴン』感想文 |
マチネがサイゴン、ソワレが『I Love You 愛の果ては?』。 感想をゆっくり書いてても15時半には帝劇を出てしまい、 次は渋谷のParco劇場で19時開演。時間余りすぎ。 せっかくだから献血して、ついでに友人に感想でも 送ろうかと新しく出来た献血ルームに入ってみたら、 無料ネットはおろか、本の1冊、新聞の1部も置いてない。 成分じゃなく全血にしたから実際にはそう長くなかったけど、 携帯も使えないし、ものすごく待たされた気分でした。 こんなことなら行きつけの献血ルームに行けばよかった。 でもそういえば最近、読みかけの本を持ち歩いてないなぁ。
さて。多分、今日の感想の大半はサイゴンで終わります。 今月半ば以降は仕事のため観劇ストップするので、 5日の友人とのデート(自分的には観劇ではない)を除けば 最後のサイゴンとあって、とにかくまだ観ていない人たちが 多いという意味で選んだ回なので、話したいことが多いから。
『I Love You〜』はE列11番だったんだけど、魔の席で、 さすがに招待席となる、思いっきり役者さんの目の高さ席。 ただでさえ大人な男女関係な舞台で、時々 微妙な気分で 観ているのが恥ずかしくなったりするのに目が合っちゃう。 さらには通路際で、ついでに反対側の隣は空席という、 目立つ席だったので、通路を歩いてきた絵麻緒さんには 離婚したなら「♪お祝い返せ〜!」と詰め寄られました。 あまりの迫力だったので、思わず「わ・・・私じゃない!」って、 こっちも本気で、ふるふる首を振ってしまいましたが(苦笑)
『ミス・サイゴン』
<席番>C列35番(サブセンター、センター側通路席) <出演>橋本さとし、笹本玲奈、坂元健児、岡幸二郎、 高橋由美子、tekkan、高島みほ、内田祐希(タム)ほか <指揮>塩田明弘
さてさてサイゴンでございますが。 今日お初の人が、橋本エンジニア、玲奈キム、坂健クリス、岡ジョン、 高橋エレン。ちなみにtekkanトゥイも初日以来なのでほぼ初見。 これで4エンジニア、4キム、3クリス、3エレンは全員クリア。 既に出演組では今井ジョンと杵鞭ジジだけ観ないで次は10月。 (2幕だけ観た日が杵鞭ジジだったはずですが、意味ないし。) 個人的には、4回観劇ですごくうまく、ほぼ100%クリアした気分。
今日のポイントは、キムで泣けたこと。 いやもうビックリしたね。ほぼ投げてたもん、キムを観ることを。 1幕は17歳にしてはあまりに子供子供してるのが気になるけど、 その、いかにも痛々しい少女っぷりに、つい「守ってあげたい」 なんて気分になってしまうので、クリスの気分にも共感させる。 少しまた痩せたのかな?固さもあって、とても好き。
こんな仕事は、すごーく嫌だけど、でも働かなくちゃいけないし、 それなら、「こんな事してちゃいけない」と言ってくれた人に、 「この人なら」と決意して一夜を過ごして。初めての人ということで 思い入れも強くなったところで「一緒に暮らそう」なんて言われたら、 そりゃ頼る人とてない女の子としては、運命かも!なんて無邪気に 思っちゃうのも仕方ないのかなぁってストーリーが嫌味なく見えた。 クリスに「お前も嘘をつく女なんだな」扱いされた瞬間、いきなりの 身の上話も「何を言えば信じるのか知らないけど、私は違う!」 という はねつけ方も、潔癖さや頑なさを感じさせて、分かる。
それが3年後になったら、折れそうだけれど強くなっているし。 「女」にならず、「少女」のまま「母」になったような印象の強さ。 「あいのこ」である幼子を抱えて、どうやって独りで3年も 逃げ延びてきたのか分からないけれど、いろいろあったんだろう。 どんどん落ちていき、ついには人殺しまでして生きてきたのは、 ただ、タムがいたからなんだなという日々を想像できたから、 クリスと会いたいのは、自分が恋しいからというよりも、タムを 引き取ってほしいからという話に繋がるのがようやく理解できた。 ふう。やっと『ミス・サイゴン』という話のスタートにたどり着けたよ。
相手役だった、坂健クリス。 人を愛することにかけては、とても優しくて素敵な感じでした。 つい守ってあげたくなるキムだったせいも多分にあると思うけど、 「あなたまでそんなことを言うのね!」とパーンとはねつける姿に、 思わずビックリして ほだされ「一緒に暮らそう」なんて言っちゃって、 抱きしめているうちに本気で愛しくなってきちゃった、流されやすい 単純で素直な、割と純朴系のクリスという姿は、なかなか好き。 ♪世界が終わる夜のように だっけ?タイトル覚えてないけど 2人のデュエットも、ラブラブでいい雰囲気だったし。
でも、悩んでねーだろ、お前。(苦笑) ♪Why God Whyとか、エレンに打ち明ける場面はダメにも程がある。 「国にもサイゴンにも空しさを感じていた自分に、唯一キムが真実に 思えた」というストーリーは、坂健クリスには全く存在してない。 ただそれに関しては、ドリームランドや♪Why God Whyさえ忘れれば たまたま出会ったその夜の娼婦にほだされた話としても通る。 問題はそうなると、エレンに対して何を告白するかってことで。 案の定、知ってるはずの歌詞がちっとも頭に入ってこない場面で、 エレンの苦悩がどこへ行けばいいのか、ものすごく困るクリス。
特に今回の高橋エレンが、すごく苦しむ役作りだったので、 余計にそのシーンの坂健クリスの浮き方はすごいものだったのかも。 キムが訪ねてくる場面、雑誌を読まずに考えて思い悩む彼女。 そこに突如現れた本人を、思いやろうとしても、その余裕がない。 「♪あの子の親はクリス?」なども、わざと訊いている感じが強く、 自分からクリスを奪うかもしれないと思っていそうな切実さがある。 それだけに、エンディングでタムに手を伸ばす場面が辛さを増すし、 女性としての共感度では、もしかすると一番高い作り方かも。
ただ、『ミス・サイゴン』という話全体にする私の好みからすると、 当然、クリスの子を産んだ女性に対する思いはあるとしても、 あくまでも上から見下ろす感じのANZAエレンの方が、 容赦なくアメリカとベトナムの壁が見えて、好きかもしれない。 あと、ソロを歌ってる間は顔が笑ってるように見えるのが嫌かなぁ。 それ以外のときの演技は一貫していてとてもいいのに勿体無い。
もう1人のアメリカ側、岡ジョンは、ある意味、すごく良かった。 登場した女おごる場面は、緑の兵隊服が やたら違和感で、 慣れずに演技まで感じられないうちに終わってしまいました。 2幕でサイゴン陥落の際も同じ衣装で、やっぱり違和感だから、 それはどうしようもないんじゃないかという気が結構する。 どうしてそんなに似合わないかって、岡さん自身にも 似合わないんでしょうけど、岡ジョンの作りが、どうにも 「高級官僚」に見えてしまうからなんでしょうね。多分。 そういう意味では、設定に反していて良くないんだけれど。
でもその他は絶品!めっちゃ腹立つんだもん。特に、クリスが 溶けまくって「♪(あの子は)蓮の花〜」とか電話してきた時の バカにしたような、ハッ!は絶品でした。思わず笑っちゃったけど、 隣の人も耐えられなかったようで笑いが漏れてて、ちと安心。 その時は、衣装も似合ってたな〜。坂健ジョンだと、何の服? という感じだった不思議な衣装が、いかにも前線には出ません って感じの士官服に見えて、細身の岡さんにめちゃ似合う。
1幕は「ハッ!」ぐらいしか目立った部分はなかったけれど、 2幕入って♪BUI DOI。いや〜ムカムカしましたわ。素敵。 見事にスーツを着こなした政治家一族のような雰囲気で。 まさに上流階級というか、こんなに「ゴミくず」が響いてくる ♪BUI DOIって、あまりないんじゃないかしら?って感じで。 その後、クリスが現れたんだけど、彼がまた見事に庶民で、 どう見ても純粋白人じゃないもんだから「僕はこんな人とも 友人なんだよ」って、政治家のパフォーマンス状態(苦笑) エンディングまで一貫しての嘘臭さは、本当に見事。
最後は、評判の橋本エンジニア。 想像と全然違って、すごく可愛かった。かっこいいんだけど、 映像で見せてくれてた あの怪しさはどこへ?で素直さいっぱい。 開演前の恒例、エンジニアのご挨拶も、やたらに軽く明るい。 「では、ミスサイゴン全5時間、お楽しみ下さい。・・・嘘ですよ〜」 とか言っちゃって、周りからも「軽いねぇ」との声がボソボソ。
どうしたらこの環境でこんな奴が育ったんだと感動するほど、 可愛らしく純粋にアメリカに行けることを信じてるんですね。 ♪生き延びたけりゃ の「最初はバンコク、それからアメリカ」でも その実現を露ほども疑ってない。いきなり「あれ?」って言うから 何?どうしたの?って思ったら、「♪ビザがない〜」だって。 今気付いたんかい、おまえは!って感じで、笑っちゃった。 収容所から出られただけで何でもできる気になってたのね。
正直、こんなエンジニアってありなの?と、 ちょっと頭を抱えてしまわないではなかったんだけど、 見事に暗さがなくて前向きなエンジニアの存在は、 もしかすると、深刻に悩んじゃう一孝クリスとか、いつも 眉根にしわを寄せて苦しんでいる感じの知念キムとか、 (観てないけど)重さ爆発で妙に誠実っぽく感じてしまうらしい 今井ジョンとかと組み合わせると、話の中の救いになるのかも。 狂言回しっぽい感じになるのかな?今日の組み合わせだと、 面白いんだけど、時々無性に違和感を感じて嫌だった。 上手側前方席に座っていると、バンコクで現れた時なんか、 「これ似合ってます?」話しかけられ、思わず拍手すると 「ホント?」なんてやり取りができて、ちょっと楽しかったけど。
tekkanトゥイは、二度観ても印象が薄くてよく分からず。 カーテンコールは、さとしさんが、今日が初日の2人をセンターに 連れて行ったりして、ちょびっとイベント気分で楽しかったです。 とりあえず、文句はあれど、初めてキムで泣けて割と満足できた 観劇でした。残りチケットは8回中5回玲奈キム。当たりかも。 後は、筧エンジニアを増やしたいな〜。個人的には一押し。
| 2004年09月02日(木) |
大バカな話。(『I Love You 愛の果ては?』) |
明日、仕事を休んでサイゴンを観に行くので、 ちょっと残業してマジメに働いてみていた。 意外に早く終わって ふと時計を見た時に思ったのが 「あ、ソワレに間に合う」。ハマってて通ってて、 明日も行くパルコ劇場『I Love You 愛の果ては?』。
さすがに今日も行くのはどうかと思ったので、 とてもジャンケンが強くて、いつも私の救い主に なってくれる後輩に、ジャンケンしてと声をかけた。 彼女が勝てば真っ直ぐ帰る。万が一私が勝ったら、 もうこの際、流されるがままに観に行ってしまう。
・・・勝ってしまった。 いつもの事とはいえ、いきなりジャンケンさせた後輩に なんで負けるのよーと理不尽な怒りをぶつけながら、 部屋を片付けて、明日への申し送りを準備する。 (マチネ開演直後まで一緒にパルコ歩2分の職場にいて、 「後5分で開演」「そろそろ慈英さんたちのアナウンス」 「始まったかなー」なんてカウントダウンする私に つきあってくれていたので、事情は知ってる(苦笑)) 「お先に失礼しまーす」と声をかけてきた彼女に、 「もう一度!」と再戦を挑んだが、やはり勝利。
「夜は観ろってことですよ。気にせずどうぞ」と 言われ、まだ悩みつつも会社を出たら、目の前に さあお乗りなさいと言わんばかりに渋公前行きバス。 一応は、約20分に1本しか来ないはずなんだけど。 諦めました。もう、神様が行けって言ってるもん。 電話して当日券を取ってもらって3分前に駆け込み、 今回の公演で一番離れた席、I列センターで観劇。
その かみ方は、もしや風邪?の慈英さんとか 絶えることを知らない強靭な咽喉のはずの 敬子ちゃんの声が、微妙に かすれ気味?とか、 不安なこともあったけれど、たった2日観ない間に アドリブが増えたりして更に楽しくなっていました。 離れて観ると、バランスの良さが さすがの山田演出。 慈英さんを中心としたキャストの明るさと上手さが、 キャストの良さを引き出してまとめたり、よく出来た 脚本に載せるのならプロという山田さんと出会って、 こういうものを作り上げたんだなと今更ながら実感。
いやー、やっぱりいい舞台だなと幸せになりつつ、 友人に引きずられて久々に出待ちなんてしてしまい。 「この舞台って すごく笑えて楽しいんですけど 同時にズキズキ来るし『この舞台にズキズキするなら、 こんなの独りで通ってるよりする事あるんじゃない?』 って思っちゃうんですよねー」って感想を言えました。 戸井さんが期待通りの顔で笑ってくれたから、満足。 帰りは連れと近くのベトナム料理で明日マチネに備え、 ちょっと舞い上がった気分に即した甘いお酒飲んで、 ふわふわ気分で帰宅して更に飲み直し中の2時半。 だから、明日はマチソワだってのに。大丈夫か?
昨日今日が中日エリザ楽だなんて忘れてました。 パルコの開演前、毎日いるはずの某社長の姿が見えず 珍しいなぁと思っていたら、終演後にはいらして。 「帰ってこれないかと思いましたよー」と言うので 何事かと思ったら、ただいま台風16号の影響下にある 名古屋でのエリザ楽に日帰りしてきたとのこと。 楽って誰の?月曜日に??と、友人ともども ?マークだらけで劇場を離れ、帰宅して事実を知る。 昨日が山口-石川楽、今日が内野-綜馬楽。
感想を求めてネットをさまよううち、 友人宅の掲示板でものすごく納得いく感想を発見。 本人にも管理人さんにも許可を得ていないので コピペは控えますが、2人のフランツにおける、 「名君と呼ばれたい」と「妻に側にいてほしい」、 2つの願望の比率として違いを考えている文章。 綜馬フランツにおいては2つはほぼ同じ比率で 「夫婦が寄り添うことが国の幸せにもつながる」。 禅フランツでは、前者は後者の前では色をなくす。
彼女は、臣民としては綜馬フランツだけれど 女としては禅フランツに愛されたいと結んでいましたが、 私はこれを読んではっきり「だから私は禅フランツが どーーーしても受け入れられないんだわ」と納得。 家も仕事も投げ出して120%愛されるなんて、嫌すぎ。 「独りできちんと立って生きていくことができて、 それでも尚、足りない部分を探したい」という感じが 私が恋愛に求めるものであって、禅フランツの有り様は 文章読んだだけでも思わず「うざーっ!」。
だから、禅さんの演技がどうこう言う前に、私は 基本的に禅フランツを語る資格がなかったらしいです。 途中からひたすら感情的に「こいつどっか行け!」しか 思えなくなっているようじゃ、演技についてなど語れず。 いや「こいつ」と思えるってことは、完全に禅フランツが 1個の人格として成り立っているということなのかも しれないから、いいことなのだろうとは思うのですが。
しかし、納得したことで一つ収穫。 私は思いのほか主人公に近い視点で観ていたのかも。 私だって「すべてを捨てて相手に尽くし続ける男」なんて ドラマに全く心が動かないわけじゃないのに、ここまで 禅フランツに拒否反応なのは、きっと自分の夫と思うから。 あとは、死やら詩やらといったものに惹かれる思いを 理解することさえできれば、エリザに共感できるのかも。 でもそれって、あまりにも私には大きな壁すぎる感じ。 とりあえず、エリザが関東に帰ってくることがあるならば、 選ぶは、祐トートに綜馬陛下、朴ルド、今エルマー。 激戦すぎるけど、これを観るだけだなと結論づきました。
あ、ちなみに今までも私は自分の言葉として発言する時は、 ポリシーで、「綜馬陛下」「禅フランツ」でした。きっと、 彼女と同じようなことは感じていたからなんだろうなぁ。
| 2004年08月29日(日) |
『新選組!』34回「寺田屋大騒動」 |
三谷さんらしい回と言えるのかな。 人がドタバタ出たり入ったり場面が交錯するし そんなの誰が覚えてるねん!ってぐらい昔の 伏線が、いろいろと処理されていく回で。
でも、オダジョーの5両はまだしも、市川宇八郎の 話なんて、もともと知らない人は覚えてないよ。 確か池田屋の前ぐらいにも、ぐっさんが大阪に かんざしを届けに行く話はあったと思うけど、 八十田さんの顔を見て記憶がつながる人ってどれくらい? 結構 マジメに見ているつもりの私だって、知らなきゃ きっと、忘れてただろう確信はあるもんなー。 5両話は、久々に斉藤がかわいく見えて良かった。
でも今回の話は私にとって このひと言に尽きる。 「皆、それなりに有難う!」・・・をい(^^; 勇の妻vs愛人対決を回避しようと演技する源さんや、 久々に くさいのに彼が吐くと妙に信じたくなるような 女殺しの台詞を吐いてる歳さんたちの必死さを前に、 お前は言うに事欠いて「それなりに」なんかい(苦笑) しかも、ものすげー「コントしてる香取慎吾」でしたわ。 今回も「演出、ちゃんと仕事してる〜?」って感じの、 妙なライティングが目に付いた回だったけれど、 あの演技にダメを出さないってのもどうかという気が。 慎吾ファンとしては、とても楽しかったんですけどね。
山南さんテロップに(回想)の字がついてなかったのを うっかり見逃していたので、オープニングの直後に 生きてる姿で出てきてビックリしてしまいました。でも、 彼の「託す」で、最近ぐれてた龍馬が薩長同盟に向けて 本気で動き出したって展開は、ちょっと悲しかった。 向かっている方向自体は、新選組よりも龍馬の方に 共感していた山南さんの、でも近藤のためにある事を 最後まで選んだ山南さんの、精一杯の ひと言。 改めて泣けてしまいましたよ、私は。
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