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| 2013年11月02日(土) |
「セイフ・ヘイヴン」 |
「きみに読む物語」の原作者と聞いてコテコテのラブストーリーを想像していたのですがラブ一辺倒ではなくミステリアス成分も結構多め、途中ハラハラ展開になりつつ最後はファンタジー要素も含み、終わってみればしっかり愛の物語という感じでした。監督はラッセ・ハルストレム。言われてみれば確かにラッセっぽいよ! 何かから死にものぐるいで逃げている女性が長距離バスに乗り、途中下車して辿り着いた田舎の港町で新しい生活を始めて数年前に妻を亡くした地元のシングルファーザーと愛を育んでいく話です。その間にも血眼で彼女を探そうと指名手配する刑事が迫る。過去に何があったのか?一体何から逃げているのか?…ってところが終盤まで明かされないので観ている我々も目が離せません。はじめ他人と距離を置こうとしていたヒロインが新しい土地で少しずつ心を開いていく過程には心温まるものがあるし、何より子供たちが可愛い。母親を覚えていない妹より記憶があって死を理解して感情を持て余しているお兄ちゃんが切ないなあ…などとホロリとしているうちに事態は急展開。ああそういうことだったのか!とわかったときにはもう危険が迫っているので終盤はハラハラドキドキでした。怖いよ… で、何とか危機を脱してほっとしていたら、最後の最後でやられたー。これは完全に不意打ちだった…!思わず涙ぐんでしまったじゃないか…!なんていうか、中盤以降のゴタゴタで観てる側の注意を“そこ”から上手に反らした監督の演出勝ちだと思った。予備知識なく観てほしいからほんとはこういうこと書きたくないんだけど、この映画はラストの5分がキモ。あらゆる意味で愛の物語なのです。
****** セイフ・ヘイヴン 【SAFE HAVEN】
2013年 アメリカ /日本公開 2013年 監督:ラッセ・ハルストレム 出演:ジョシュ・デュアメル、ジュリアン・ハフ、コビー・スマルダーズ (劇場鑑賞)
これは…すごく…新海誠です…!!! なんかもうほんとうにザ・新海誠って感じの作品だったので、前作『星を追う子ども』でちょっと違うなーとモヤモヤしてしまった人も今回は観に行ったらいいと思うよ!『秒速5センチメートル』が好きならたぶん楽しめる。話に共通性は全くないけどテイストが似てるというか、こう、オタクの純情を絶妙に突いてくる感じ。それと映像クオリティが半端なく素晴らしいので、既にiTunesとかで配信されてるしディスクの状態でも入手できるけどできれば映画館の大きいスクリーンで観るのおすすめです。不快極まりない東京の梅雨がこんなに美しく表現された作品を私は他に知らない。
舞台は梅雨の西東京。新宿御苑の東屋で偶然出会った高校生と謎めいた年上女性との年の差純愛物語です。二人は名前も素性も知らないまま雨の日の午前中だけ逢瀬を重ね…といっても色事的な意味ではなく、ただ一緒にいて時折とりとめもない話をしたり、そうして次第に心を通わせていく。 個人的に年の差恋愛ものが好きだということもあるんだけど、それ以上にとにかく映像が美しくて引き込まれました。雨がモチーフということでいろんなタイプの雨(霧雨や梅雨特有のしとしと雨やゲリラ豪雨など)が描かれ、どれにもちゃんとそれぞれの質感がある。ただリアルで細かいということではなく水滴の動く感じとか光の差し方とかがもう芸術的にきれい。もともと定評があった背景の美しさが前作からさらにレベルアップ、というかもはや背景の域を超えている。そこにいる人物込みで一枚の絵のような。
『秒速』とテイストが似てると最初に書きましたがだからといって昔の新海誠に戻ったという印象はあまりなく、むしろ今作は過去作のいいとこ取ってさらに伸ばした集大成のような気がしました。これはジブリ映画ですかと真顔でつっこみたくなる『星を追う子ども』は新海作品としては違和感あったけどあの作品で展開された作画&背景の美しさやキャッチーなキャラデザは今作にきちんと引き継がれているし、なんとなくフィーリングで突き進みほとんど「One more time, One more chance」のイメージクリップと化していた『秒速』からもテーマ曲に合わせたカット割りの手法や場の盛り上げ方が生かされている(『秒速』は先に山崎まさよしのあの曲ありきの印象だったけど今回はまずちゃんとストーリーがあって、そこに曲を効果的に使ってる感じがとてもいい)。加えて繊細な視点で切り取った日常風景とか男女のモノローグ応酬とか監督従来の持ち味もバランス良く配合され、集大成・ザ・新海誠な作品になってるんじゃないかなーと。 それに『秒速』は一番いいシーンでストンと落とされてしまったからね…!(いやそこが切なくて好きなんだけど!) 今回は盛り上げてほしいところで素直にガーッと盛り上げてくれるので感動しつつも意外だった。あと主人公のタカオくんが靴職人を目指している関係でヒロインユキノさんの足を触らせてもらうシーンがあるんだけどこれが思いの外エロス…!別にえろいこと何もしてないけど新海アニメでこういう場面が出てくることも意外でありました。そして最後に仕上がった靴がとても素敵で、ほんとにユキノさんに似合いそうなデザインだった。そういえば家出中のタカオくんのお母さん一回り年下の恋人がいるって言ってたけどユキノさんもタカオくんの一回り上なんだよね。さりげないけどなんか説得力のある設定だ。
それで主題歌が大江千里「Rain」てとこがもう…!厳密には秦基博さんのカバーだけどどんぴしゃ大江千里世代なわたくしにとってはたまらない選曲でしたよ。まさしくタカオくんくらいの年に聴いてたんだよなあ懐かしいなあ。
あと同時上映の『だれかのまなざし』も地味に良かった…!後半ちょっとうるっと来た…!これ野村不動産からの委託で作った短編らしいけど普通に新海アニメな雰囲気でしたよ。監督猫好きだよねー。自主制作の猫のやつを思い出しちゃった。あれ好き。5分足らずの超短編だけど私の中ではあれが新海誠の原点というイメージ。 ・『彼女と彼女の猫』(※今はネットで無料公開されてます) → http://shinkaimakoto.jp/hercat
久々に見てみたらやはり時代を感じるな画面サイズや携帯電話の形状あたりに…(笑)。制作は1999年、って14年前か!
****** 言の葉の庭
2013年 日本 監督・原作・脚本:新海誠 声の出演:入野自由、花澤香菜、平野文 (劇場鑑賞)
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