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「28日後...」の続編。ですが登場人物も全然違うし冒頭でこれまでの経緯を軽く説明してくれるので前作観てなくても大丈夫。ダニー・ボイルは今回監督ではなく製作サイドに回ったようですね。その所為がシリーズとして見るとけっこう雰囲気変わったけど、でも依然独特の路線を貫いていてなかなか面白かった。「バイオハザード3」「アイ・アム・レジェンド」とここんとこ続いたゾンビ映画の中では私これが一番好みかなー。(あ、もっと好きなのは「プラネットテラーinグラインドハウス」ね。これは別枠で。)
前作から28週後…ってことは約7ヶ月後か?最後の感染者の死亡が確認されてNATOからアメリカ軍が派遣されてきて少しずつ復興が始まってきたロンドンが舞台。たまたま国外にいて難を逃れた姉弟が父親(ロバート・カーライル)と無事再会を果たしたものの、彼らがこっそり安全区域を抜け出して実家に戻ったことがきっかけでまた感染が広がってしまう。死んだと思われていた母親が実は生きていて、彼女はウイルスに免疫を持つ保菌者だったというわけです。 再び起こった感染のパニックをロバート・カーライル一家の悲劇と絡めている点が見どころ、というか、むしろメインはこの一家の物語。互いに愛し合う家族の絆が皮肉にも悲劇を生んでしまう展開でなんとも救いがありません。「愛するものに殺される恐怖、愛するものを殺してしまう絶望」というコピーがついていたけどほんとその通りの内容だよなあ。父親がわざわざフリーパス持ってたのも悲劇だし米軍ももうちょっと気合い入れて監視しとけよ!て感じで(笑)そのあたりツッコミどころ満載なんですが、とにかく悪いことが重なって重なってこれでもか、というくらいの悪循環で被害が拡大していく。 米軍といえば米軍の描写がね、非常にあからさまなんですが意外とリアリティが感じられなくもないです(笑)。有事への対応は素早いが見捨てるのも早い。あっという間にコード・レッドの発動ですよ。あーもう誰が感染者だか判別できないなぁ仕方ないから皆殺し!みたいなノリで、問答無用の射殺はもちろん街ごと空爆で焼き払うわ毒ガスは流すわ、あれじゃ感染者の餌食になった人より米軍の攻撃で命を落とした人の方が多いって絶対。本当に怖いのは人間の方だぞ、という裏メッセージも前作から引き継がれております。 そんな米軍の中で女医さんとスナイパーの人はいい人だった…!このスナイパーさん、どこかで見たことあるなあと思っていたら「ジェシー・ジェームズの暗殺」にも出ていたらしい。ああジェシーのいとこ!そういえばそうだ!
映像は暗くてちょっと見づらかったかな。見づらいっていうか、暗すぎて何が起こってるのかわからない(笑)。でも終盤、暗闇の中を銃の暗視スコープだけで進んでいく演出はなかなか良かったと思います。視界が狭くてドキドキするし、暗視スコープだと普通の人間の目が光っちゃうのでそれ見て逆にビクッ!としたり(笑)。 あと内容とは直接関係ないことだけどこのシリーズのゾンビって異様に俊足ですよね。何なんだろう。ほんとびっくりする。足速すぎ。最初草原でゾンビの大群に追いかけられるシーンは白熱した大運動会みたいでした。
ラストは不気味な余韻が残る感じ。ハリウッド映画なら都合良く一件落着!となりそうだけどさすがにちょっと違いますね。これはやっぱり続くのかー?次は「28ヶ月後...」?
****** 28週後... 【28 WEEKS LATER】
2007年 イギリス・スペイン / 日本公開:2008年 監督:フアン・カルロス・フレスナディージョ 出演:ロバート・カーライル、ローズ・バーン、ジェレミー・レナー (劇場鑑賞)
| 2008年01月23日(水) |
「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」 |
めくるめくティム・バートンの世界だと思いました。所詮ミュージカル映画だしー、と高をくくっていたら結構グロくて容赦ない惨劇。ゴシックでブラック。でも色彩や小道具は非常に独特、なにより登場人物がみんなキャラクター化していて実写なのにアニメを見てるみたいなキモ可愛さがあるというか。こういう雰囲気ってどう説明したらいいんだろう、とりあえず“ティム・バートンらしい”と表現する以外に言葉が見つからないわけで(笑)。やっぱジョニデとヘレナ・ボナム=カーターって監督と相性ぴったりだよなあ。変な髪型で顔は白塗りして窪んだ眼窩で二人そのままCGみたいだったもん。ちょっと「コープスブライド」を思い出しました。
ストーリーは復讐劇で、最初から最後まで悲しい話でした。序盤「自分はもうベンジャミン・バーカーではない、スウィーニー・トッドだ」と宣言するシーンがあるけど皮肉にもそのセリフの通りの展開、判事への恨みと復讐心が一人歩きしてしまって肝心の娘と妻の顔すらわからなくなっている、そういう悲しさ。船乗り&娘とかトビー君とか、ラストは少しでも今後の希望を示唆する終わり方かと思いきやそこらへんも曖昧なままだし。徹底してますね。元はミュージカルだそうですが舞台でもこういう流れなのかな。
殺人シーンは結構残虐。しかも無差別殺人です。スウィーニー・トッドは床屋さんなのでカミソリで喉もとをスパッ!とやるわけですが、刃をあててる様子をばっちり映すし流れる血の量もはんぱじゃない。「キル・ビル」といい勝負です(笑)。あとラベット夫人の人肉パイも相当気持ち悪かったなー。最後の方では指がはみ出てたりして…!うおお… でもただグロいだけではなく絶妙な割合でコミカルっていうか、これはほんとティム・バートンの世界と言うしかないんだけども。序盤で「うちのパイはまずいのよ〜」って歌うラベット夫人のパイがほんとにものすごく不味そうで(笑)しかも超やる気のない歌い方だし目は死んでるしなんか見ていて笑ってしまうのよね。夫人の妄想部分も非現実的でどこかコミカル。トッドの方はまったく乗り気じゃないところがまたなんとも…(笑)。そういえば海岸でボーダー柄のつなぎ水着(?)を着ているジョニデはすごく可愛かった。
全編薄暗いグレーの映像の中で、夫人の妄想とトッドの過去だけパッと画面が明るくなるんだけど、夫人の妄想はまがい物めいた明るさなのに対して、トッドの過去はベンジャミン・バーカーだった頃の幸せがにじみ出るような柔らかい明るさ。とても印象的でした。
ジョニデの歌が聴けたのは珍しかったかも。主演の二人だけでなくみんなそれなりにちょっとずつ歌っていて、判事を演じたアラン・リックマンも良かったです。ていうか考えてみると判事が一番最悪でこの人こそ諸悪の根元なのに、トッドとラベット夫人の無差別殺人があまりに強烈でいまいち影が薄かったのが不思議…(笑)
****** スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 【SWEENEY TODD: THE DEMON BARBER OF FLEET STREET】
2007年 アメリカ / 日本公開 2008年 監督:ティム・バートン 出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、 アラン・リックマン、ティモシー・スポール (劇場鑑賞)
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