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※ネタバレしてます。
想像してた映画とだいぶ違ったなー。連続殺人犯の話だと聞いていたのでもっとこう「セブン」みたいなのを予想してたんですが、ああいうふうに事件そのものを衝撃的に描く内容ではなかったです。むしろサスペンスですらない…と言ったら語弊があるか。つまりなんというか、サスペンス性よりも人間ドラマの色が強い印象でした。 60年代後半にアメリカで実際に起こったゾディアック事件、それを追う側の人々がメインに描かれる。生活を犠牲にしてゾディアックを追う刑事たち、ゾディアックから犯行声明が送られてきた新聞社の記者と漫画家。ジェイク・ギレンホール演じるこの漫画家が原作者でもあり主人公なんだけど、彼は担当外であるにもかかわらず最初の暗号が送られてきた時からこの事件に興味を持ち、やがて仕事も投げ出して家庭も顧みず取り憑かれたようにゾディアックに没頭してゆく。
手応えはあるのにどうしても立証できない。そのもどかしさがすごく良く伝わってきます。警察の捜査や主人公の独自調査は何年にも及び、かなり核心に近づいた!と思われるところまで行くんだけど、そのたびに推論は覆され真実はまた遠のく。なにしろ昔のことなので科学的な捜査技術が今ほど進んでなかったり、(殺人現場の)所轄の違いで捜査がスムーズにいかなかったり。そんなところも未解決という結果に繋がっているのかもしれません。これもしも21世紀に起きていた事件なら早期解決もあったんじゃないかな。 結局犯人は捕まらない。ただ、終盤で主人公が容疑者の居場所に出向いていってじっと目を見るシーン、あれで物語的には一応完結の形をとっているような気がします。途中主人公が妻に去られる際、「あなたはそんなにこの事件に夢中になって、一体どうしたいの?何がしたいの?!」と問いつめられて、「ただ知りたい。そいつの目をのぞき込んで、“ああ、こいつが犯人だ”と納得したい」というようなことを答えてる。ラストで彼は、それをそのまま実行しているわけです。
映像が徹底的に60〜70年代ですごく雰囲気ありました。あと、いくら人間ドラマ的といえども殺人シーンの緊迫感などはさすがデヴィッド・フィンチャー、反射的に目をそらしたくなる感じです。それから殺人シーンではないけども、一番ハラハラしたのは地下室の場面。あの心理的に追いつめられるドキドキ感…見てるこっちが走って逃げ出したくなりましたよ(笑)。 途中タクシーを追う俯瞰映像でカメラが直角に曲がるのもすごかった。それとオープニングの、暗号が入ってる封筒がいろんな人の手を通って新聞社の中まで配達される様を延々ずーーーっと追い続ける映像、あれなんかもフィンチャーらしいと思います。 そういえば音楽も良かった!ちょっとレトロモダンな感じで。挿入されるタイミングとか、使われ方もオシャレ。
ジェイク・ギレンホールはこういう役似合うなー。地味で平凡なんだけどちょっとマニアック、みたいな。あと私ロバート・ダウニー・Jr.が好きなのでいっぱい出てきてくれて嬉しかったです(微妙に私生活とシンクロしてしまう役柄でしたが…)。個人的にこの人は若い頃より今のルックスの方が好みかも。
****** ゾディアック 【ZODIAC】
2006年 アメリカ / 日本公開 2007年 監督:デヴィッド・フィンチャー 出演:ジェイク・ギレンホール、マーク・ラファロ、 ロバート・ダウニー・Jr、アンソニー・エドワーズ、クロエ・セヴィニー (劇場鑑賞)
※ネタバレはしてませんが内容には多少触れてます。鑑賞前で予備知識を一切入れたくない方はご注意くださーい。
これは面白かったー!いや別に小栗くんが出てるから褒めてるわけじゃないですよ!まあ確かに小栗くん鑑賞目的9割5分くらいの動機で観に行ったことは事実だけれども、しかし実際観てみたら小栗くんが出てることを差し引いても十分に楽しめる良作でありました。
自殺したグラビアアイドル如月ミキの一周忌に集まった5人のファンのお話。彼らはネット上の知り合いなのでそれまでお互い顔も知らずHNで呼び合う仲で、要するにこれ一種のオフ会なわけです。で、その中の一人が突然ミキの自殺に疑問を投げかける。他の4人は始めはまったく取り合わないんだけど、みんなで色々話しているうちに新しい事実が次々発覚し、事態は思わぬ形へ収束してゆきます。 その展開が見事で、これは何といっても脚本の勝利だなー。特にネットの性質、5人が顔も本名も職業も知らない間柄っていうシチュエーションを上手く生かしていたと思う。元々は舞台作品を想定して作られた脚本らしく、ワンシチュエーション・サスペンスというのかな、始めから終わりまでずっと一つの部屋の中で話が進むんだけど、でも観ていて全然飽きないんだよね。流れのテンポが良いというのもあるし、登場人物が5人しかいない中で新しい事実が少しずつ出てきて状況が二転三転する、そのタイミングが絶妙。観終わってから改めて振り返ると、ちょっとした会話の端々に潜んでいた伏線の張り方とか、だからあのシーンではあの人がいなかったのか!とか、巧みに練られた構成にうーんと頷いてしまいます。といってもミステリ要素自体はそれほど難解なものではなくて、実は途中まで来ると何となく結末が見えてくる。でも先が読めてるのに、不思議とラストではものすごい充足感があるんです。これが実に心地よかった。 ギャグのバランスもGOOD!ところどころ漫才みたいなノリで笑わせてくれてププッと楽しい。それでいて、見せる場面ではしっかりじんと感動させてくれるんだよなー。5人のキャラクターもそれぞれ味があって面白いし、彼らの行動を眺めて話を聞いてると如月ミキの人物像まではっきりと見えてくる(笑)。そしてみんながどれだけミキを大切に思っていたかが伝わってきて、5人が愛おしくなる。 演じた皆さんも最高でした。みんな熱演!小栗くんはなんかすごいかわいかったよ!エンドロールでシャツ乱してノリノリで踊ってる姿とか(あれ振り付けはラッキィ池田らしい)、あと「虫けらだ…」って呟きながらえぐえぐ泣きじゃくる姿なんて見ていて胸がキュンキュンでした。あーキレイな男の子の泣き顔ってほんとたまらないわあー。 それと小出恵介くんて意外にモヒカンが似合うので驚き(笑)。違和感ないよ! でもユースケ・サンタマリアは全然わからなかったです。全てが明らかになってから再度見直してもえええぇ!って感じ(笑)。
個人的にちょっと気に入らなかったのはエンドロールの後のワンシーン。エンドロール自体はすごくすごく良かったのに、その後特別出演の方が出てくる最後のアレはいらなかったんじゃないかなあ、と…。いやでも全体的にはほんと面白かったです。DVDになったらもう一回じっくり観たいな。
****** キサラギ
2007年 日本 監督:佐藤祐市 出演:小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、 塚地武雅(ドランクドラゴン)、香川照之 (劇場鑑賞)
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