INDEX|←back|next→
| 2005年03月07日(月) |
「ビフォア・サンセット」 |
ああリンクレイター監督ありがとう!大満足です!
まあ、前作「恋人までの距離(ディスタンス)」が大好きで、しかも10年前にリアルタイムに観ていて、この監督が好きで、イーサン・ホークも好きで、ジュリー・デルピーも好きで、映画の中の二人(ジェシー&セリーヌ)と同世代とくれば、私が本作を気に入らないはずがないんですが(笑)。だから逆に言うと、これらの条件に当てはまらない人にとってはたいして面白くない作品かもしれないです。二人の男女が80分延々喋ってるだけの映画ですので。とにかく、前作に思い入れがある人にほどオススメしたい続編。
※以下ストーリーに触れます!ネタバレに注意が必要なタイプの映画ではないかもしれませんが、これから鑑賞予定の方はなるべくお読みにならないことをおすすめします。
ストーリーは前作から9年後という設定ですが、映画の中だけでなく現実にも9年の時が流れています。主演の二人(+監督)は実際に9年分歳をとり、つまりそれは、観ているこちらも同様ということ。この、いわば“9年間の距離(ディスタンス)”を共有しているという事実、これが私のような前作ファンに一層深い感慨をもたらしているような気がします。上映が始まった直後、すっかり頬がこけ額にシワが刻まれた現在のイーサンとやはりもう若くはないジュリーの姿に軽くショックを受けていたら、その後ものすごく絶妙なタイミングで前作(9年前)のシーンが数カット挿入されるんです。それがほんと絶妙なの。で、ああそうそう、こんな場面あったなあ、二人とも若かったよなあ、と懐かしんでるうちに、それを観ていた9年前の自分の心持ちまでフッとよみがえってきてしまって、私もうその時点でノックアウト。すっかり心奪われました。え、センチメンタルにすぎますか(笑)。でも若かったんだ、私も。
前作において、一緒に列車を降りるのをためらうセリーヌをジェシーはこんな風に説得しました。「今から10年後、君は結婚生活に疲れ、夫に不満を感じているかもしれない。過去に出会った別の男性を選べば良かったと思うかもしれない。…たとえば僕とか。だからこれは、未来から過去へのタイムトラベルだと思えばいい。明日の朝まで僕と一緒に過ごして僕がつまらない男だったと確認し、そうしてまた未来の幸せな結婚生活に戻ればいいんだ」 けれども時が経った今、皮肉なことに結婚して家庭生活に疲れているのはジェシーの方でした。作家となった彼はあの一夜を小説に仕上げて出版し、そのプロモーションでパリを訪れてセリーヌと再会します。セリーヌは数々の辛い恋を経験し、現在も独身。そしてジェシーが飛行機に乗るまでの85分間、二人は夢中で喋り続けるわけです。その姿は9年前と何ら変わらないように見えますが、雰囲気はやっぱり微妙に違うのね。前作では目を合わせたいのに合わせられない、触れたいのに踏み出せない、そういう若さゆえの単純で初々しい緊張感だったのが、本音を隠して互いの出方をうかがうような複雑な空気に変わってる。そこにそれぞれが経験を重ねた9年間が垣間見えるんだな。お互い強く惹かれ合ってるとわかってるのに、今回はただ一度のキスもない。二人の間でたゆたう想いが痛いほどに感じられて、私は観ていてとても切なかった。
全編通してセリフの嵐、会話で攻めまくる手法はリンクレイター監督の十八番ですが、このあたりの小気味よいテンポは前作とまったく同じ。ファンには嬉しいところです。前作と違うのはリアルタイムに物語が進むこと。つまりジェシーが空港に行くまでの85分がそのまま上映時間となっているため、観ている側も二人と一緒に同じ時間を過ごすことになります。それから今回は、前作以上にジェシーとセリーヌ二人がメイン。前は占い師とか詩人とか何らかの形で二人に働きかける登場人物がいましたけど、本作ではそういう人が出てきません。ずっと二人。二人でずうっと喋ってる。 そしてラストがまたいいんだなー。余情溢れるというか。とにかく、最初から最後まで前作ファンのツボをくすぐる仕上がりです。
上手く言えないんだけど。 9年前は当時の気持ちで共感し、今はまた、現在の私が観て良い映画だなと思う、こういう作品に出会えた偶然をとても嬉しく思います。世代が違えば感じ方も違うだろうし、同世代でも前作観てない人はやっぱり違うだろうし、そもそもリンクレイター監督が嫌いな人は全然ダメだろうし。私はほんとにラッキーだ。
ところでジェシーよ、なんだかんだ言いつつ実はあのとき二回も…って下世話な話はやめておこう(笑)。このシリーズ、監督&イーサン&ジュリーが一体となって再度の続編も構想されてるようなので、ぜひぜひ期待したいと思います。10年後の私もまた共感できるといいなあ。
****** ビフォア・サンセット 【BEFORE SUNSET】
2004年 アメリカ / 日本公開:2005年 監督:リチャード・リンクレイター 出演:イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー (劇場鑑賞)
| 2005年03月05日(土) |
「ボーン・スプレマシー」 |
実を言うと、マット・デイモンがアクション映画で主役張ってるという現実が観終えた今でもピンときません。だってマット・デイモンだよ…! 常にアフレックさんとセット売りだったマット…! 蛍光グリーンの海パンでキモさ炸裂させていたあのマットが…! よりによってCIAの凄腕諜報員だなんて、オイオイ映画じゃないんだからさ!とツッコミのひとつも入れたくなるってもんですよ(※注:映画です)。いえ誤解のないように断っておきますがこれは単に私個人のイメージというか思い込みであって別にマット・デイモンに文句を言いたいわけではなく、実際本作はわたくしの失礼極まりないマット像には関係なく映画としてたいへん面白かったです。マット良かったよー!
記憶を失った元CIAエージェントであるジェイソン・ボーンが、とある陰謀に巻き込まれるサスペンス・アクション。完全に前作の続きとして幕を開けるので前作を観てないと話がわかりにくいというのが難点ですが、その他は非常にバランスの良い仕上がりだと思います。アクションシーンは観ていて食傷するほど派手にせず、それでいて適度にハラハラさせる程良い加減。前回もそうだったけどこの映画ってカーチェイスが見どころだよネ!個人的に車運転してるマット君はなんだかとってもカッコイイと思うのです(笑)。それから場面転換が多く、インド、イタリア、ロシア…とめまぐるしく舞台が移動するので観ていて飽きない。中だるみすることなくラストまで一気に持って行かれてしまいます。あとはやっぱり、ストーリーがそれなりにしっかりしてる。今回は事件の真実に迫るという本筋とともに、ジェイソン・ボーン自身の隠された過去も明かされるという二重の流れがあるわけで、そういう意味でも緊張感の途切れない作りになっていると思われます。
キャスティング的にもマットってこの役ぴったりだよね。凄腕のヒーローのくせに暗いというか、常に悩みがちでストイックなところ。同じように世界を股にかけるスパイでも007みたいな軟派な役ではイメージが違うし、まさに適役。 そうだ、キャストといえば、パメラ・ランディ役の女優さんも格好良かったです。ほら、CIA側で捜査を仕切ってた女性捜査官、左利きの。ちょっと一見ダイアン・レインに似てませんかー。(だから何)
とにかく、そんな感じでマット・デイモンがすっかり大物スターであることを再認識した一本でありましたよ…でも半裸になるシーンではやっぱりアタマの片隅で蛍光グリーンの海パンを期待してしまう私を許して…(プププ)。 続編の予定もあるのかな?楽しみです!
****** ボーン・スプレマシー 【THE BOURNE SUPREMACY】
2004年 アメリカ / 日本公開:2005年 監督:ポール・グリーングラス 出演:マット・デイモン、ジョーン・アレン、 フランカ・ポテンテ、カール・アーバン、ブライアン・コックス (劇場鑑賞)
|